「ある男」 石川慶監督 ○ 松竹 ☆
芥川賞作家平野啓一郎原作の小説を映画化しました。
文房具店を営む里枝(安藤サクラ)は林業事故で亡くなった夫谷口祐一(窪田正孝)が別人だと祐一の兄から言われます。里枝はかつて世話になった弁護士城戸(妻夫木聡)に相談します。城戸は「谷口」が本当はだれだったのかを調べ始めます。その過程で「谷口」の意外な過去、そして驚愕の真実を突き止めるのでした。
ネタバレになりますが犯罪者の家族の生きづらさ、さまざまな差別、そして名前の意味など内包した作品で苦悩する城戸を妻夫木が好演しています。負けていないのが過去を持つ「谷口」役の窪田でさまざまな表情を見せてくれます。掴みどころのない男役が窪田にしかできない、と思わせる好演です。
眞島秀和、小籔千豊、真木よう子、清野菜名、柄本明がそれぞれ持ち味を生かして競演しています。(☆)
タバコは、なし。無煙です。