光Ginjiの「後方ヨシ!」

素敵なライディングと輝く毎日を送る仲間に乾杯!

怖さの払拭?

2005年12月09日 01時33分44秒 | バイクあれこれ
こんにちは。光Ginji も本業がありまして、とあるソフトウエアの営業技術職ですので、たまにお客様訪問もあります。今日は日帰りで山形へ行ってまいりました。なんつうか、一泊させてくれよー。ネットから12時間も離れると、夜、Catch up するのに何時間もかかるんだから、って。
ようやく会社のメール 120 通に目を通し終わって、さて何書こう…。

みなさん。バイクに乗るのは楽しいですか?怖いですか?その答え、たぶん

「楽しいけど、まだ怖い。」

なんじゃないかと思います。たぶん、その比率の大小に差こそあれ、どちらのキモチも抱えてバイクに乗り続けているんじゃないでしょうか?これは老若男女を問わず、ライダーなら、誰しも両方もっているはず…。

初心者の方は「いろんな場面でバイクが怖い」けれど、バイクが気持ちよく楽しい側面をもっと知りたいから、根気よく練習を重ねますし、どれだけ経験を積み、楽しさを極めたようなライダーでも、「どう乗っても怖くない」という心臓に剛毛の生えた鬼神のようなライダーにはいまだお目にかかったことがありません。

僕が思うに、「怖い」というキモチ、実は長~くバイクに乗る上で、やはり大切なものなのではないでしょうかね。スクールに通い、練習を重ねることで怖いキモチは減少していきます。しかしそのぶん、たとえばスラロームでも急制動でも、ペースが上がれば、またあらたな恐怖心が湧き上がってきます。

僕は二俣川の講習で急制動のセクションを担当することもありますが、興味深いのは、スタート前の参加者のみなさんの表情です。最初はだいたい 40Km/h とかで開始しますが、初級の方や中級の方は、一様にスタート前は不安な瞳でぼくのスタートの合図を待っています。制動の瞬間も、息が止まりカラダはこわばり、声無き悲鳴が聞こえてまいります。

一方、上級などで同じようにやると、雰囲気が違ってきます。スタートを待っている間に瞳はランランと輝き、大胆不敵な口元の笑み、荒い鼻息のほうが聞こえてきます。「俺ぁ今日のタイヤはハイグリップだぜ。10cm でも 5cm でも短く止まってやる!」とばかりに猛ダッシュ。猪突猛進。制動の瞬間も、「とりゃーっ!」とか奇声を発しながら、紅蓮の炎をまとったがごとく、雄叫びとともに派手に停止してくれます。(そりゃオレか。)

でも、そんな上級でも、

「はい。今日は天気もいいし、まずは 120km/h からの制動をやりましょう。

などといわれたとすると、たとえいかに優しく言われた場合でもこれ、やっぱり誰しもビビリが入りますよね。そうなんです。それで普通だし、それでいいと思います。ビビルかわりに不敵な笑いを口元に浮かべ、勇猛果敢に挑戦するのは、それはそれで漢(おとこ)ではありますが、普通に考えれば、マージンを削った蛮勇の範疇に入るべきものでしょう。

「怖さ」とくにこれからの季節、公道ではいろいろな怖さが増えていきます。

早朝、思わぬ場所での道路凍結の怖さ、タイヤが冷えて、制動距離が伸びるか場合によってロックする怖さ。慣れないホリデードライバーの十分な安全確認なしでの急な車線変更に巻き込まれる怖さ。手がかじかんでうまく操作できない怖さ。意外とボーナスが少なくて、それをカーチャンに報告しなければならない怖さ…などなど。

その「怖さ」、いずれも忘れてはならない怖さです。その怖さを十分に知り、己が無理をしないで走れるペースと環境づくりに役立てることができるならその怖さはとても有意義なものになります。

怖さを完全に忘れることは無いし、その必要もありません。
その替わり、自分の中で「怖くて出来なかった」ことが練習の成果として、「楽しくできるようになる」のは努力した者に与えられるこの上ない褒章です。

だからみんな、継続して練習し、努力を忘れないんですよね。

己を知り、怖さを知り、そして楽しさも知る。そんな謙虚なライディングで楽しく年末を迎えたい年の瀬、今日このごろ、です Let's have a good ride!!



最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ますこ)
2005-12-09 08:42:09
某MLのオフ会の時にゲストで来て頂いた水谷勝さん(元全日本GP500チャンプ)が、「昔の現役のころも、今になっても、いつもバイクに乗るときには怖い。現役の頃ごくまれに怖くない日があったが、そんな日は必ず転倒した。」との趣旨の話を聞きました。比較にならない一般人の私も、いつも怖いのですが、その話を聞いて妙に安心した事を覚えています。
返信する
覚えてます! (光Ginji)
2005-12-09 09:01:25
ますこさん、そうでしたね。僕もその話、覚えています。ブログの記事を書いているときは直接は思い出さなかったけど、潜在意識に強く残っていた話ですね。あのとき、目の前のコースのストレートを300Km/h弱で飛んでいく水谷選手が『怖い』って、一体なんだろう?と仰天したものですが、含蓄あるお言葉でした。

「怖くない日は転倒する。」

ぼくら一般ライダーは交通事故やトラブルを起こさないためにも、恐怖心が発信するシグナルにはきちんと耳を傾けていかなければなりませんね。
返信する
人一倍??!! (m@TL×M)
2005-12-09 12:50:02
 こんにちは~。

何しろ、初めて教習所なるところで入所審査の引き起こしをした時から・・(400を起こせたのに、バイクがごつくて怖くて、小型にした位)、はたまた、一本橋はあの金属の板の質感が怖くて、アクセルが閉じてしまい、落ちる前にそもそも乗れなかった・・・

 そして、今も、怖いと思う気持ちはどうも人一倍で、、、なかなかアクセルは開きません。。

でも、スクールで夕方になってきた頃、慣れてきて自分ではおっかなさが減ってきていい感じ、とか思って乗ってるときに限ってイントラさんに止められます・・自分の意識とはウラハラに、危ない走りになってるんでしょうね~!!
返信する
うらはら… (光Ginji)
2005-12-09 13:10:43
スクールでもツーリングでも、

「自制心と恐怖心が麻痺」

する時間帯があり、それはたいてい、自分で

「お、乗れている」

と錯覚してしまう午後2時~夕刻なんですね。

これ、たしか交通事故の発生時間帯にもその傾向があらわれていたように記憶しています。

自分が15年前に瀕死の重傷事故に遭ったのも16:30でした。疲労もピーク、でも気分はハイエスト・ピークの状態でした。

怖いという思いはカラダからのサインなんですね。上手に付き合う必要があるようです。
返信する
Unknown (へっぽこ)
2005-12-09 22:11:26
怖さを知ることも大事なんですね。

怖い経験を動機付けにして、練習を頑張れるようになりたいものです…。

私にとってタイムリーな記事でした。ありがとうございました!
返信する
事故はやっぱり (ちろ)
2005-12-09 22:24:28
怖いです。私も初めてスクールに参加した日に「私は事故で脾臓をとりました。」とか「峠のカーブでふくらんで車と衝突しました。今日はリハビリです。」なんて話を聞いて、震え上がりましたよ。

「そんな事故に遭ってもまだ乗りたいの?」ってその時は理解できませんでしたけど、彼女達は”怖さ”を知り、より一層の努力と高い安全意識を持って、今日も走っているに違いありません。”怖さ”があるから上達できないけど、”怖さ”と共存していてもいいのかな....私も。
返信する
事故だけは絶対、避けたいですね! (光Ginji)
2005-12-10 00:02:48
へっぽこさん、ちろさんコンニチハ。

怖いキモチ、大切です。練習でも教習でも、「怖い」と思うより先の難しいことに対しては、無理をすれば当然、事故や怪我につながります。これ、自分を知る、って意味でとても大切なことです。

練習していて、「ああ、私、下手なんだ…」と思うことはどんなに経験者でもよくあります。そのときに、単にヘコむのではなく、「自分はここまでが限界だから、普通の公道では無理せずここまでに抑える運転をしよう」という自己発見につなげていくと良いと思います。

このコトバは、お世話になった大先輩であるヤマハの先輩指導員がおっしゃって、私はいたく感銘をうけました。

ほんとにそのとおりだと思います。

怖さと共存して、そこに確たる楽しさを見つけましょう
返信する
バイクを頑張らない。 (とみも)
2005-12-10 22:00:49
私が中型免許を取った教習所の偉い方から

卒検合格時に頂いたお言葉…。



『晴れて卒検合格された皆さんは、

これから公道に出て「バイクを頑張ろう!」と

思っているかも知れませんが、

決して頑張らないで下さい。

100%の力でバイクに乗らないで下さい。

100%の上はありません。

そんなギリギリの状態で乗るのではなく、

余裕を持って、80%の力で乗って下さい。

出来ないことまで「頑張って」やろうとしないで下さい。

出来ないことは出来なくて良いのです。』



「これからバイクを頑張るぞ!」と

鼻息荒く肩肘張っていた私にとって、

この言葉は衝撃でした。



この言葉を噛み締めつつ、

毎回HMSでレッスンを受けています。

「自分はここまでが限界だから、

普通の公道では無理せず

ここまでに抑える運転をしよう」という

防衛運転が出来るライダーになりたいです。



返信する
大賛成! (光Ginji)
2005-12-11 00:00:09
とみもさん、全くそのとおりです。

80%の力の「絶対値」が少しでも大きくなるように講習会やスクールで練習を重ねるのです。

バイクの操作に余裕ができて、ブレーキやバランス、コーナーリングに習熟してきたら、こんどは公道ではそのぶんの余裕を、安全確認と危険の早期発見と予測、そして思いやり、のほうへ回してやるのが大きな意義なんですよね。



「今、できないこと」は、HMSとかの閉じた場所で、楽しみながら思い切りチャレンジしているうちにいつかできるようになりますからね!
返信する