むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

無年金という非情

2009年03月18日 02時46分52秒 | Weblog
司法は最後まで無情だった……。

年金未加入だった学生時代に病気や事故で障害を負った人たちへの障害年金支給を巡る裁判で、最高裁は17日、原告の訴えを棄却した。
全国で争われた一連の裁判が終結し、弱者は切り捨てられたままだ。
◆毎日新聞
http://mainichi.jp/select/today/news/20090318k0000m040070000c.html


全国で繰り広げられた闘いの先頭に立ってきた原静子さん=兵庫県尼崎市=とは、阪神大震災の取材のころからの付き合いになる。
10年前、原さんたちが大阪地裁に提訴する動きを知り、朝刊1面に記事を書いた。数少ない自分の特ダネだった。
その記事がきっかけとなり、新聞各紙やテレビがようやく関心を向け、「無年金障害者問題」が全国ネタに定着した。
制度の谷間に陥り、苦しんでいる人たちがたくさんいることもわかってきた。


40年前、教師になる予定だった原さんは、大学卒業直前に交通事故で車いす生活に。
わずか4カ月後には就職先で共済や厚生年金に自動的に入るため、障害年金が毎月支給されたはずだった。
学生で年金に未加入だった原さんは、就職をあきらめたうえに障害年金も受けられなかった。
当時は年金の周知も不十分でほとんどが未加入。誰もが無年金になる可能性があった。
事故に遭う時期のちょっとした違いだけで、その後の長い人生に大きな差が出てしまう理不尽……。


「障害を負っても、生きていてよかったと言える社会にしたい」
長い闘いの末にたどりついた最高裁の判断は、障害者の自立を全く考えない何とも冷たいものだった。
昼から未明まで勤務があり、私は判決には立ち会えなかったが、深夜、原さんから無念のメールが深夜届いた。
まだ、返事は返せていない。



派遣など非正規雇用が進み、「無年金」になる可能性のある人たちが莫大に増えている。
病気や障害を負った上に、社会から突き放されてしまう。
その絶望感は、どれだけ深いだろう。


◆無年金障害者の会~みんなのしあわせ
http://www7.plala.or.jp/munenkin/