宮田式馬券術のエッセンス⑥

［2020・21年宝塚記念を連覇した「グランプリ娘」クロノジェネシス　テレ東スポーツより（写真は日刊現代/アフロ）］

クロノジェネシス引退 繁殖馬へ C.ルメール騎手「素晴らしい母になれると思います」｜テレビ東京スポーツ：テレビ東京 (tv-tokyo.co.jp)

　木曜はシリーズで宮田比呂志さんの馬券術を紹介させてもらっています。前回から当日予想の話になりましたが、宮田さんの当日予想のポイントは【枠連法則】、【枠人気法則】、【枠の強弱】の3つに集約できます。前回は【枠連法則】：全8枠を147枠、258枠、36枠の3つに分類すると、日によって出目のパターンに147が強い日、258が強い日、といった傾向があるということでした。今日は、【枠人気法則】です。

 

枠人気の出し方 ――

　【枠人気法則】

　競馬の場合、人気というのは単勝の売上げに基づいていて、売上げが多い馬ほど払い戻しの倍率（オッズ）が低くなります。オッズのいちばん低い馬がそのレースの1番人気で、以下、順に18番人気となります。

　出走馬に人気順位があるように、枠にも人気順があるんです。馬の場合は単勝オッズを見ればわかりますが、枠人気は出ていないので自分で調べなくてはいけません。でも、そんなにむずかしいことではありませんよ。【枠人気法則】の前に、その出し方を知っておいてください。

　オッズプリンターを利用すると簡単です。調べたいレースの枠連のオッズを見て、まずオッズのいちばん低い人気の中心となっている枠をピックアップします。

　ほとんどの場合、単勝の1番人気の馬が入っている枠がそれに当たり、その枠が1人気枠となります。

　07年暮れの有馬記念を例にとって説明します。……（ここはデータが古いので、今年の日本ダービーの枠連人気を例に、同趣旨の説明に代えます）人気の中心は3枠に入ったソールオリエンスでした。3枠がらみの枠連オッズを見ます。

　１－３　　　３．９

　２－３　　４４．３

　３－４　　２９．６

　３－５　　２０．６

　３－６　　　５．６

　３－７　　　６．２

　３－８　　１４．９

　これを人気順に並べると、3枠から1枠・6枠・7枠・8枠・5枠・4枠・2枠となりますね。

　1人気枠＝3枠

　2人気枠＝1枠

　3人気枠＝6枠

　4人気枠＝7枠

　5人気枠＝8枠

　6人気枠＝5枠

　7人気枠＝4枠

　8人気枠＝2枠

　これが枠人気の出し方ですが、スポーツ紙の中にはコンピュータを使った馬番と枠番人気順位を掲載しているものもありますから、それを利用するのも手でしょう。こうしてその日の全レースの枠人気を出しておきます。午前中にチェックした場合、午後に多少の変動があったとしても気にする必要はありません。

「荒れる」レースの調整に ――

　出した枠人気を3つのグループに分けます。

（Ａ）1・2・3人気枠＝本命グループ

（Ｂ）4・5・6人気枠＝中穴グループ

（Ｃ）7・8人気枠　  ＝大穴グループ

【枠人気法則】とは、枠人気を用いて、その日はじけるグループを先取りしようというものです。

　ハイリターンを目指す私たちとしては、Ａグループはさておき、Ｂ・Ｃグループの動きがポイントになります。私のデータでは、Ｃグループが飛び出すのは1開催8日間の中で1日か多くても2日です。……（ちなみに、今東京開催で、一日にＣグループ＝7・8人気枠が4回出現した日は4/15、4/23、5/7の3回でした。すでに終わった京都開催では、5回出現した日が5/21に一度ありましたが、あとは3回以下でした）

　残りの6～7日はＡかＢグループで決まります。Ａグループだけの日の荒れるレースは、1・2・3人気枠に入ったノーマークの馬（ウラ人気馬）の大駆けによるものです。そして、多くはＡ同士、ＡとＢ、Ｂ同士の組み合わせとなるわけですが、3連単馬券の場合、穴党としてはこのＢグループの動向こそキーポイントになります。

　……前半にＢグループが動いている日は、後半もその傾向が続くというのがデータに表れています。10レースまでの枠人気の動きから数運シグナルを読み取り、メインと最終レースの攻めを軸の2頭から「数運」に合ったほうを選んで1頭軸にし、相手馬の変更や付け加えるなどの調整に用いるのが【枠人気法則】です。

　競馬ファンはしばしば「荒れる」という表現をしますが、【枠人気法則】をチェックすれば、「荒れる」要素の浅い・深いがはっきりするので、どのあたりの穴馬を狙うべきかが見えてきます。……

（宮田比呂志『「数運」をつかむ技術』　60－64頁）

＜続＞

　参考までにこの前の日曜6月18日の東京競馬と阪神競馬の10レースまでの3着以内馬の枠人気と11・12Ｒの結果を見ておきます。〇数字は着順です。

　＜東京＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜阪神＞

　・1人気枠　　8頭　　　　　　　　　　　　　　　　　・1人気枠　　9頭

　・2人気枠　　4頭　　　　　　　　　　　　　　　　　・2人気枠　　4頭

　・3人気枠　　5頭　　Ａ　本命枠　17頭　　　　　　　・3人気枠　　6頭　　Ａ　本命枠　19頭

　・4人気枠　　4頭　　　　　　　　　　　　　　　　　・4人気枠　　5頭

　・5人気枠　　3頭　　　　　　　　　　　　　　　　　・5人気枠　　2頭

　・6人気枠　　5頭　　Ｂ　中穴枠　12頭　　　　　　　・6人気枠　　3頭　　Ｂ　中穴枠　10頭

　・7人気枠　　0頭　　　　　　　　　　　　　　　　　・7人気枠　　1頭　　　　　　　　　　

　・8人気枠　　1頭　　Ｃ　大穴枠　  1頭　　　　　　　・8人気枠　　0頭　　Ｃ　大穴枠　  1頭　

 

〇11Ｒ：①1人気枠　②7人気枠　③2人気枠　　　　　　〇11Ｒ：①2人気枠　②1人気枠　③2人気枠

〇12Ｒ：①4人気枠　②1人気枠　③1人気枠　　　　　  〇12Ｒ：①4人気枠　②1人気枠　③7人気枠

　上で下線を引いた東京12Ｒについて、私的な回顧を書くと、この日、東京は本命枠の強い一日で、最終12Ｒの芝1400では、単勝1番人気のサトノヴィレが入った2枠が1人気枠になっていました。持ち時計から言って、この馬から入るのが妥当なレースでしたが、同枠にいたトモジャシーマ（単勝6番人気）も気になりました。今回ダート2戦から初の芝レースでしたが、デビュー戦は1200ダートの重で勝っていますし、前走は稍重5着でしたが、たまたま出遅れただけで、ダートに入るまでの芝部分の走りが悪いわけではないと思ったので、人気はそれほどありませんでしたが、1人気枠のウラ人気になっているし、けっこうやれるのでは、と判断し、この馬を軸に三連複馬券を買いました。結果、トモジャシーマは、先行して押し切ったスプレモフレーバー（4番人気）には追いつけませんでしたが、何とか2着に粘ってくれました。3着は人気のサトノヴィレで、ここは馬連の方が妙味がありましたが、それでも三連複で7,550円ついてくれてラッキーでした。メインをとっても最終レースで外すとがっくりしますが、ここは最後が獲れて、気分良く締めくくれました。今度の日曜もこうありたいですが……。

　本日もお読みいただきありがとうございました。今日も一日がんばっていきましょう。