Winning Ticket for All Vol.2

レース展望と回顧、馬券術について

6/12(水) 宮田さんのコラム

2024-06-12 | 馬券作戦
 
 今日はレース検討でなく、我が師・宮田比呂志さんの著書からコラムを引用します。
 
 9日(日)の函館スプリントSで①人気のアサカラキングが9着に敗れた理由を、何度かレース映像を見ながら考えたのですが、出がイマイチだったとか、馬場適性とか、理由はいろいろありそうです。しかし、勝ったサトノレーヴなどに比べると、何と言っても使い詰めの印象が強い。連勝街道を驀進して間にGⅡ阪急杯でウインマーベルに僅差の2着があるので、最終的に人気になるのは当然でしたが、去年の秋からすでに7戦目で、条件クラスにいるときは結構きついローテで走っていましたので、op昇級3戦目でそろそろ疲れが出ていると考えてもおかしくなかったかも知れません。直前の戦績は5・2・0・5でしたから、この点、宮田式バイオリズムを考えても、数値が「飽和」していて、もう一杯いっぱいでしたから。
 
 こういう人気馬がどんな実力馬であっても走らないことはよくあります。人間にとってはわずか0コンマの世界が、競走馬にとっては実は「わずか」ではなく、取り返しのつかないくらいの決定的な差になっているかも知れません。これは陸上とか水泳で、0コンマの世界を肌身で知っている人には「当たり前」の話だと思います。実力伯仲同士となれば、体調の差は如実に現れるでしょうし、逆に、ある日突然記録更新ということだってあるでしょう。競走馬も同じです。
 
 宮田さんの本を眺めていたら、同じことを書いているコラムがありました。以下に少し引用してみます。
 
 ……これまでも病気などで何度か(新聞の)予想コラムを休載したが、振り返ってみると再開直後はいつも成績がいい。……詳細は省くが、前回も万馬券5連発を成功させている。やはり勝負事には波があるし、いわく言いがたい微妙な部分をつかまえていくには身体だけでなく、頭脳も健康でなくてはいけないのだと休むたびに痛感する。
 こうしたことは何も人間だけに限ったことではないのではないか。毎週、私たちに愉楽と興奮をもたらしてくれるサラブレッドとて生き物である。まして「ガラスの脚」を持つ動物であるからには、当然休養が必要だろうと思われる。
 一流のオープン馬は寒い冬と暑い夏は休養に当て、体内風船を十分膨らませて春。秋のグレードレースに駒を進めてくる。これらオープン馬のローテーションが理想のものであるならば、それよりクラスの下の馬たちは理想とはいえない競走を強いられているとも考えられるわけである。もちろん、厩舎ではそれぞれの馬の体調や個性を把握して使ってくるのだろうが、出馬表を見ていると、下級条件には「ずいぶん詰めて使っているな」と思える馬が見受けられる。条件戦ではこうしたローテーションの問題も馬券検討の重要なファクターになってくる。
 条件戦によく見られるのだが、休みなく使われ、しかも2・3・4着ともうひと息の成績の馬が突然、武豊騎手に乗り替わってくることがある。「陣営がしびれを切らして勝負に出た」とファンは解釈して圧倒的な人気になったりするのだが、こうしたときは十分注意してかからねばならない。休みなく使われて、ピークを過ぎたところで武豊騎手に乗り替わったとしたら、いかなる天才騎手といえども勝利に導くのは至難の業だろうと想像できるからだ。
 一例を挙げると、(20)08年3月22日、阪神11レース・伊丹S、セイウンプレジャーは武豊騎手に乗り替わって1番人気になった。2走前、初夢Sは船曳文士騎手(懐かしい!)7着、前走は柴田善臣騎手で春望Sを2着して伊丹Sである。1番人気も当然のところだが、出馬表を見るとセイウンプレジャーは07年の9月以来、月1回のペースで使われており、前走は東京競馬場への輸送競馬となっている。2着だったとはいえ、今回それ以上の伸びしろがあるのか? 人気薄ならともかく1番人気の馬に疑問が生じた場合は、馬券の軸とはしないというスタンスが高配当馬券につながる――これが私の持論である。
 案の定、セイウンプレジャーは6着に敗れてしまい、レース後「スタートが悪くて後手後手に回ってしまった」と武豊騎手はコメントしているが、セイウンプレジャーがレースに集中できなかったところをみると、あるいはピークを過ぎていたのではないか……。
 ローテーションのきつい馬が一流騎手に乗り替わってきて人気になっているとき、私はそういう馬を「出がらし武」と称して馬券から外すようにしている。
 (宮田『「数運」をつかむ技術』、173-175頁)
 
 最後の「出がらし武」について補足すると、宮田さんは別の本では、その日のレースで3勝、4勝していた武騎手が、最終12Rで勝てないことをそのように称していたと記憶しているので、ちょっと意味が違ってきますが、今から16年も前の話ですので、その点は「割り引いて」考えないといけません。
 当時の武騎手の役回りを、今はルメール騎手と川田騎手が担っているとも言えますが、しかし、この二人、実際の話、条件戦でもop戦でもなかなか負けませんよねぇ。ルメール騎手は日曜の東京ではメイン11R、最終12Rと連勝でしたし、川田騎手も京都の9・10Rと連勝しました(11・12Rは珍しく騎乗してません)。現状「出がらし」どころか「出つづけ」ですので、これは二人が馬券から外れるレースはますます配当が大きくなってしまいます。次の日曜はマーメイドSで川田騎手は軽ハンデのエーデルブルーメに乗りますが、相応に人気になるでしょう。果たして上位に来られるか、それとも……。金曜に改めて検討してみます。
 
 ということで本日もお読みいただきありがとうございました。昨日は全国で真夏日続出で、畑の草刈りをしていて疲れましたが、まだ真夏の暑さではないので、何とか耐えられます。雨が降る前にがんばって綺麗にしときましょう。今日も一日無事でありますように。

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