Winning Ticket for All Vol.2

レース展望と回顧、馬券術について

宮田式馬券術のエッセンス⑦

2023-06-29 | 馬券作戦

[国内GⅠにはついに手が届かなかったが、引退レースで国際GⅠ香港バーズを制したステイゴールド=2001年 web Sportivaより]

【競馬】追悼ステイゴールド。ドラマの続きは産駒に託して|競馬|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (shueisha.co.jp)

 宮田比呂志さんの馬券術を紹介させてもらって今日で7回目ですが、いくら勉強のためとはいっても、自分の著作でもないものを勝手に引用させていただいているわけで、そろそろ終わりにしないといけないと思っています。

 ここ数回は、当日予想のポイントの話になっていますが、宮田さんは【枠連法則】、【枠人気法則】、【枠の強弱】の3つを挙げています。前回は【枠人気法則】:馬の人気ではなく枠番の人気順をもとに、本命サイドのレースになるか、中穴・大穴(波乱)のレースになるかを予測するというものでした。今日は、3つめの【枠の強弱】です。

奇数の場合はまだ動く ――

 【枠の強弱】

 中央競馬の馬番は抽選によって決められており、各馬番が決定してのち1枠から8枠までの枠番が切られます。人気があろうがなかろうが無作為に決定されるわけですから、理論上では各枠は均等に出てもいいのですが、そうはならないんですね。

 日によって頻繁に出る枠もあれば、ちっとも出ない枠もある。(枠番連勝の)枠の出現傾向を10レースまでの動きから数運を先取りして、メインと最終レースに活用しようというのが【枠の強弱】です。

 <強目枠> 頻繁に出る枠を強目枠といい、4回がボーダーラインです。これ以上出る突出枠は、東京・中山・京都・阪神の中央競馬場では上限6回、その他のローカル競馬場では上限9回出るというのが私のデータです。その確率は46%となっています。

 08年1月19日の京都競馬場では8枠が8回も出て驚かされましたが、これは特異なケースですわ。どんなデータでも必ず突出した数字が現れますが、それは例外と捉えたほうがいいようです。基礎データはあくまで積み重ねの平均値をものさしにすべきで、でないとブレが生じて武器として用をなさなくなるからです。

 <弱目枠> まったく出ないか、出ても1回という枠を弱目枠という。10レースまでの枠の出現回数を調べ、弱目枠が3つあった場合、11レースか12レースではその3つの弱目枠のどれかが出ます。その確率は43%ですから、覚えておくべきです。

 この他、……均等な出現をしているのに、取り残されたようにまったく出ない枠があった場合も、そのあと出る確率が高いので、出るまで追いかけるのも有効な手段です。

 出現回数の数字では、回数が偶数の場合はおさまっており、奇数の場合はまだこれから動くエネルギーを持っている、とみるべきです。私の長年の統計では、そう表れています。2・4・6よりか、1・3・5の回数の枠に注意を払うべきでしょう。

……以下、本文のデータが古いので、4日前の6/25(日)の阪神競馬場の場合でみてみます。10レース終了までの枠の回数はこうなっていました。

 1枠   0回

 2枠   2回

 3枠   0回

 4枠   3回

 5枠   3回

 6枠   3回

 7枠   3回

 8枠   6回

 強め枠の8枠はすでに6回と偶数になったことでおさまったと見ていいわけで、狙い枠を奇数回の4・5・6・7枠から見立てるか、あるいは、0回の1枠と3枠のどちらかを選ぶという手もあります。実際、11Rがどうなったかというと、枠連3-3(1番人気-10番人気)で決まり、0回だった3枠がぞろ目で出現しました。

 もうひとつ、その前日6/24(土)の東京競馬場の場合をみると、同じく10レース終了までの枠の回数は以下のとおりです。

 1枠   0回

 2枠   1回

 3枠   3回

 4枠   4回

 5枠   1回

 6枠   5回

 7枠   3回

 8枠   3回

 注目すべきは強め枠5回の6枠と弱目枠0回の1枠です。6枠の6回目に期待したいところですが、6枠は枠人気では7番人気の大穴枠で、枠連法則でいえば、3枠に単勝1.9倍の人気馬ドゥラドーレスがいるので、36枠から狙うとすれば、3枠も3回ですので、こちらを軸にする方が妥当なメンバー構成です。他方、出現0回の1枠の方は枠人気で5番人気の中穴枠ですから、6枠の6回目にこだわるのだったら、こちらの出目を警戒するべきところでしょう。実際、11Rがどうなったかというと、3枠のドゥラドーレスが1着、2着は1枠のリフレーミングの逃げ残りで、枠連は1-3で決着しました。ちなみに、6枠の6回目は、1つあとの12レース(枠連6-6)で出現しました。

10レースまでに熱くならない ――

 10レースまでの【枠連法則】【枠人気法則】【枠の強弱】を調べて流れから数運を読み取り、メイン、最終の11・12レースに活かすのが宮田宇宙流です。

 ただし、3つの方法論の一つだけにこだわってはいけません。ゆったりとした気持ちで高見から見ているつもりで、その日、もっとも特徴的なものはどれかを見極めて、方法論を柔軟に選択していくことをぜひ身につけてください。

 そのためには10レースまでに馬券で熱くなってしまったり、直前になって枠人気や枠の出現回数をあわててチェックしたりするようでは、とても冷静に「数運」を読むことはできません。私たちが狙う2レースの資金は別途にしておき、それまで「今日はどんな数運が発信されるのだろう?」と流れを探る程度に控えて、静かなところに場所を移し3つの法則を検討するといった態度で臨んでほしいものです。

(宮田比呂志『「数運」をつかむ技術』 64-70頁)

<続 ※次回了

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