わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

連句

2005年10月07日 | ことばあそび
こちらk-603。 連句をご存知でしょうか?
ここに 一冊の本があります。東 明雅 著 「夏の日」、30年も前に著者からいただいた大切な一冊です。この題は 芭蕉の 「冬の日」 から とられました。
連句には 型 があります。
今はその型は横において、次の句の連なりを味わってください。

 ヘアピース取れば若妻少女めき    玄一郎
  滝にかかりし円光の虹         明 雅

連句は詩のオーケストラです。
玄一郎 さんが 若妻の匂い立つようなありさまをうたいました。
そこへ、 明雅 先生が 滝にかかった虹の状景を付けました。
二つの句に関係なんてありません。一句一句はどうということはないのですが、二句が連なったときに絶妙なハーモニーが生まれます。
二句の行間にあるみずみずしい雰囲気を感じられたら、あなたはもうオーケストラの一員です。
では、あなたならこの後にどんな句を付けますか? たとえば、

 A デジカメの彼をのこらず削除する

 B 矢をつがえ ただ一点に空を切る

どちらをとりますか?
Aをとれば、若妻は夫と離婚沙汰にでもなるんだろうかと気になります。それとも、削除したのは昔の彼の画像?
Bをとれば、虹の光が矢に移り飛んで、緊迫した状況が次の句を誘います。

こうして連句は進んでいきます。
やってみると、おもしろいですよ。
いろいろな人がいると、余情がふくらんでとてもおもしろい。
きっと、病み付きになります。

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