333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

鏡の中を覗いてみれば

2009-06-15 01:30:04 | SP(Standard Program)
●案の定というか何というか起きたら16時。寝たのは3時なので…最近、何故にこうも休日がアッという間に過ぎていくのかわかりましたよ。起きてる時間が短いんですよ。そして、平日が何故にこうも長いのかもわかりました。

●で、ノソノソと起きだして笹塚へ。双数姉妹の新作『ユニゾニアー鏡の国のコロスー』を観てきたのですが…実は本日が千秋楽でして、ここで紹介しても、もう観ることができません。演劇ってそこが難しいところですよね。これが本だと今からでも買えるし、映画だと待っているとどこかで上映されることが多いんですが。とは言え…やぁ、見逃した方、残念でした。会場につくと舞台に大きなカーテンが設置されているだけで、何が起こるのかと思いきや、幕が開くと、カーテンが開き、その向こう側に手前とまったく同じ装置が。

●そして、登場人物もすべて2人がひとつの役を演じていて、ただしすべてが左右対称。つまり、鏡像を人力で演じるという壮絶な舞台でした。そこはある事件に関係した人間がリハビリのために入っている施設で、鏡の向こうもまた、当然のようにリハビリ施設なわけですが、人間が演じるので同じセリフ、同じ動きでも微妙に動きや言い回しがズレていき、やがて鏡の向こう側(こちら側)が少しだけ違うことを始め……これは間違いなく舞台でしかできない表現でしょう。これをカメラで撮影しても狙いは伝わらないだろうし、文字情報だけで表現するのも無理なわけで。

●こういうものを観ると「ああ、面倒でも舞台を観てよかった」と思いますね。映画と違って舞台は本当にハードルが高いんですよ。料金は高いし、ピンポイントで時間を拘束されるし、事前にチケットを買う手間はかかるし。さらにどれだけ面白くても見返すことができないし。しかし、アタリの舞台に出会った時の喜びが大きいのも確か。

●後、面白いのは舞台って観に行くと、とにかく大量のチラシを渡されるんですよ。今回なんか持つとズシリと重さを感じるほどの量のチラシが座席に置かれているわけです。すべてお芝居のチラシです。映画や音楽にもチラシはありますが、こんな枚数を渡されることはありません。ネットがここまで普及しても、演劇の世界の情報はやはりチラシが基本。開演までの間に眺めては情報収集するわけです。この感覚をネットを使ったサービスに置き換えることはたぶん無理でしょう。紙の束というシンプルなメディアには原始的な力がありますね。これがネットに置き換わったり、編集されてコンパクトにまとまっていてもダメなんです。それぞれの公演が勝手にチラシを作り、それが無造作にまとまって渡されるのではないと。演劇を観に行くといつも大量の紙の束を不思議に思いつつ、そのシンプルな力に感心します。

●日付変わって15日。毎年書いていますが、女優のミムラさん、お誕生日おめでとうございます。