試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3342[3344F-1] 現行色 暫定4両通番編成仕様 動力ユニット整備(モーターストッパー追設)

2017-07-27 21:41:31 | 京成線:3300形
終盤。

マイクロエース製京成3300形の動力ユニット整備はあと3編成を残すだけになった。
入場したのは3344F現行色暫定4両通番編成仕様(3344F-1)である。
組み替えにより製品の3344F現行色とは成田寄ユニットの車両番号が異なる点が特徴になっている。


京成3300形3344F 現行色 暫定4両通番編成。
3344F-1:[3344]-[3343]-[3342]-[3341]。

3344F-1は3320F暫定8両貫通編成仕様(3320F-2)と作業を平行しながら組成した。
先ずモハ3334+モハ3333(3344F現行色)を3320F-2へ異動させた。
その代わりにモハ3342+モハ3341(3320F現行色)が3344F-1へ組み込まれている。
上野寄,成田寄ユニットでLOT差があるが台車はFS-329Dで揃う。
LOT間で成形色の異なるクーラーキセはモハ3334(3320F-2)と相互交換し現行LOTに合わせた。
そのためモハ3342は現行LOT並の外観を持つ。


モハ3342 現行色 暫定4両通番編成仕様(3344F-1:現行LOTクーラーキセ化)。


モハ3334現行色暫定8両貫通編成仕様(3320F-2:旧LOTクーラーキセ化)。


モハ3342現行色6両編成後期仕様(3320F-1:原形)。

3320F現行色6両編成後期仕様(3320F-1)にも同一車両番号のモハ3342が組成されている。
モハ3342(3320F-1)は製品仕様を保っており1stLOTクーラーキセが識別点でM1車同士でも混同はしない。
外観だけは現行LOTに近いモハ3342だが動力ユニットはFS-329Dが所要だったため1stLOTに該当する。
種車の3320F現行色は中古製品で回着し未整備のまま竣工させた。
挙動は上野方面行だけ段付加速が激しく[高砂]幕の3344F-1には相応しくない状況だった。
千葉方面行は穏やかに加速しいまいち原因が判らない。
一時期は動力ユニットを反転させ走行させる対策まで採った。
モハ3342の動力ユニット整備では双方向とも滑らかな加速に戻せるか試行する。


入工中のモハ3342。

動力ユニットを分解すると三度モーターストッパーの無い個体に出会した。
モハ3315現行色中期仕様(3316F-3),モハ3346復活赤電色(3324F)に続く3両目でメーカーエラーとは考え難くなった。
何れも3300形1stLOT動力ユニットである。
3200形を含め3300形1stLOT製品以外でこの様な仕様は見られない。
3356F復活青電色(3356F)も1stLOTで3300形最後の動力ユニット整備は不安が待ち構える。


状態の良かった導電板(研磨済)。

導電板は高経年車とは思えないほど綺麗な状態を保っていた。
前オーナーさんはメンテナンスをしっかり行われていたと思われる。
そのためラプロス#4000で磨く時間はこれまでの入場車より大幅に削減された。
研磨による汚れは殆ど生じずクリーナーでの拭き上げも労さずに終えられている。


錆の浮くモーター外殻と変形した海側端子。

一方モーター周りへ目を移すと惨状が露わになった。
錆が生じたモーター外殻を見るのは初でこれには驚いた。
交換も考えたが駆動音が快調だったためひとまずマッキーで塗り潰し様子を見る。
異音を発していればモーター更新を行ったと思う。
モーター軸は油脂が付着し変色していた。
銀色が金色に変わるほどで爪楊枝で纏めた後に綿棒で除去している。


組み込まれた20m級動力ユニット用モーターストッパー。

モーターストッパーが無かったせいか海側のモーター端子が大きく変形していた。
これに加えモーターが台枠内で前後する。
モーターが固定されていないため動力伝達が上手く機能しなかった可能性が高い。
モハ3342にはモーターストッパーが必要不可欠と判断した。
折り良く動力ユニット部品捻出用のジャンク車両を抑えたばかりで早速転用した。
モーターストッパーは20m級動力ユニット用だったがモハ3346で無事嵌め込めた前例がある。
このお陰で不安無くモーターストッパーを挿入出来た。


純正グリスが殆ど残っていなかったFS-329D動力台車。

FS-329D動力台車は上野寄,成田寄共に状態が良かった。
変色した純正グリスはギア谷の極一部に見られるだけである。
但し加速状態が悪く分解清掃を選択した。
動軸車輪踏面は津川洋行製ホイールクリーナーで仕上げる。
そのため集電板を念入りに清掃した。
ギア類は歯ブラシで純正グリスの残滓を払っている。


各部の清掃を終えたFS-329D動力台車(上野寄)。

前オーナーさんは純正グリス除去も施していたらしい。
普段なら主ギアを撤去して行うギアボックス清掃は不要だった。
ただ主ギアの回転がやや重く感じられたため微量のクリーナーを落としている。
同時にギア類の清掃も進め純正グリス残滓は取り除かれた。


純正ギアを存置し清掃したギアボックス(成田寄)。

成田寄FS-329D動力台車も状況は同じだった。
純正グリス残滓の付着度合いも変わらず清掃は捗った。
集電板清掃のため分解した以外は殆ど手間が掛からなかったと言っていい。
走行ランクBの中古製品だったがこの整備状態であれば文句は無い。


集電板,動軸ギア清掃を行ったFS-329D動力台車(成田寄)。

集電板は経年相当の曇りがあった。
これもクリーナーを浸けたクロスで拭き上げると一瞬にして元に戻っている。
FS-329D動力台車はあっと言う間に組立工程に入った。
なおスパイラルギア周りは金属部分を歯ブラシで磨いた以外手を加えていない。


軽度の清掃で済んだFS-329D動力台車。

後は動力ユニットを組み立て津川洋行製ホイールクリーナーで踏面清掃を施すだけになる。
追設したモーターストッパーは絶縁シート,ユニットカバーに干渉しなかった。
モーターの前後動も抑えられ駆動試験に期待が懸かる。
動力ユニット関連の部品は18m級,20m級である程度共通化が図られているらしい。
今後はある程度のマイクロエース製ジャンク動力車を確保する方向である。


整備が完了した動力ユニット。

踏面清掃は上野寄,成田寄台車毎に低速かつ双方向へ回転させている。
モハ3342は上野方面行の加速に難があったがホイールクリーナーによる清掃では解消された。
最後はレール上での駆動試験である。
両台車からの集電と自重の負荷で正常に戻るか見守った。
先に上野方面行へ向かわせた。
すると起動電流が低くなり加速も滑らかになってくれた。
元々加速に問題の無かった千葉方面行も起動電流が下がっている。


無事竣工したモハ3342。

入場前の段付加速が解消されモハ3342が竣工した。
これで動力ユニットを反転させる必要は無くなる。
主因は未装着だったモーターストッパーにあると思われる。
加えて絶縁テープが未貼付のモーターで起動時の台枠内移動を招く原因になっていたらしい。
これらが上野方面行だけを段付加速にさせていたと考えている。

3344F-1は不具合が廃され再出場した。
3344F暫定4両通番編成の千葉線運用実績があったかは掴めていない。
プロトタイプは僅か3日間である。
但し3300形現行色4両編成としては後期仕様に相当するため数少ない[高砂]を存分に活かしたい。

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