試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形モハ3556[3556F] 3次車 朱帯色 床板一体化,上野寄TNカプラーSPカバー一部切除:車体不等沈下対策

2017-07-10 21:29:45 | 京成線:3500形
牛歩。

TOMYTEC製京成3500形モハ3556朱帯色(3556F)の第二次整備に取り掛かった。
3556Fでは初のM2車入場を迎えた。
車体側の整備が重要項目だが車体不等沈下対策を施す下廻りも見附を左右する要因となる。


京成3500形モハ3556 3次車 朱帯色(3556F)。

第一次整備でM2車は貫通扉と台枠が支障しなくなった改善点を確認できた。
それでもTNカプラーSPへ交換すると貫通扉下部とTNカプラーSPカバーが当たり運転台側がやや浮き上がる。
この車体不等沈下は最小限に食い留めたい。
そこで3592F現行色(3592F-1,3592F-2)で採用したTNカプラーSPカバーの一部切除を行う。
どの程度まで改善できるかは車体固有の歪みに影響を受ける。
よって完全解消は当初から考えていない。


入工中のモハ3556。

TOMYTEC製TT-04Rは新規投入品でモハ3553用を含めるとお釣り無しとなる。
今後TOMYTEC製品を増備する際は再度入手しなければならない。
3556Fでは準備不足が目立ったため頭に入れておく。
第一次整備時に取り付けた上野寄のTNカプラーSPは新品だった。
一方成田寄は白濁の出始めた保管品を起用し部品回転と見附向上の両立を図っている。
作業は先ず上野寄TNカプラーSPのカバー切除準備から開始した。
3592F-1,3592F-2の様にアバウトな切り出しではなくある程度の精度を追求し粗雑感を拭う。


罫書き線を設けたTNカプラーSPカバー(上野寄)。

TNカプラーSPカバーの切除部分は運転台側台枠の切り欠き部に合致させる。
台枠の切り欠きに沿いニードルで罫書きカバー切除部の目安とした。
罫書き線は掻き取りを行い易くするため比較的深目にニードルを入れている。
カバー表面が少々傷付いてもこの箇所自体はカットされる。
そのため少しでもナイフが捌きやすくなるよう溝を深くしている。
台枠からTNカプラーSPを取り外すと分かり易い罫書き線が彫られていた。
この状態であれば部分切除は容易だろう。


カバー部分切除のため分解されたTNカプラーSP。

ところが肝心な事を忘れていた。
TNカプラーSPのカバーはジャンパ連結器モールドを有する。
これにより罫書き線側からの作業ではジャンパ連結器が邪魔をし平面での作業が行えない。
更に切除部裏側にはリブが通してあり一気に切り落とす方式は採れなくなった。
ここで平刃の使用は諦めた。
止むを得ずクラフトナイフに持ち替え徐々に罫書き部を深くする作戦に切り替えている。


計算外だったカバー裏側のリブ。

不安定な姿勢のまま開削を進めたためカバー切除部は大幅に歪んでしまった。
本来よりも奥側まで削り取る結果になり罫書いた意味が余り無くなっている。
唯一の収穫は枕木方向の幅を守れた点だった。
これで運転台側台枠切り欠き部とは合致すると思う。
削り過ぎた箇所は台枠に隠れるため目立たないはずである。
カバーを細工したTNカプラーSPを組み立て台枠へ嵌め直した。




綻びを誤魔化してくれた台枠。

台枠切り欠き部とTNカプラーSPカバー切除部は大凡同じ幅で粗雑感は余り出ていないと思う。
この幅を確保できれば物理的に貫通扉とは支障しないだろう。
予想通り削り過ぎたカバーは台枠の影に隠れ作業失敗の痕跡は殆ど伺えない。
取り敢えず最低限の措置は施せた。
ただこの工程はモハ3553でもう一度行う必要がある。
カバー部分切除方法を考え直さなければ再び同じ失敗を繰り返す可能性が高い。
どうにか平刃で細工出来るやり方を捻り出したいところである。
TNカプラーSPへの加工を終え床板整備に入った。




マッキーで塗り潰した湯口痕。

モハ3556は床下機器部品裏側湯口痕の白濁部が未措置のままだった。
湯口痕の白濁はM1車では見当たらずM2車特有らしい。
先行してモハ3553では白濁部をマッキーで塗り潰した。
部品はモハ3556と同じC-2000形空気圧縮機を含む箇所だけだった。
この場所は床下機器配置都合で海側からも目に入ってしまう。
モハ3553で湯口痕塗り潰し効果が得られたためモハ3556もこれに倣っている。
なおこの白濁は3556F共通の問題か個体差かは判らない。


接着剤痕の無い台枠底面。

床下機器部品固定はモハ3554から採り入れた嵌合爪部に流し込み接着剤を投入する方式とした。
台枠内側から施工したため台枠底面部への接着剤流出は全く生じていない。
これまで竣工したTOMYTEC製車両は床下機器部品固定による台枠底面の接着剤痕が目立っていた。
モハ3554用に続きモハ3556用台枠も製品状態に近い姿を保てている。
床下機器撤去までも難しくさせる従来方式の廃止は大きな分岐点になると思う。
作業進行が極端に遅れている3556Fの第二次整備だが工程の再考にはちょうど良かったかもしれない。


溶着した座席部品と台枠。

台枠にウエイトを落とし込み座席部品との一体化に移行した。
M1車とは座席部品の形状が異なるため上野寄と成田寄で別々の溶着方式になった。
成田寄はM1車同様にダミーカプラー取付孔からの流し込み接着剤投入とした。
運転台モールドのある上野寄は従来方式とも言えるダミーカプラー取付孔成形部周囲に塗布している。
ダミーカプラー取付孔成形部は筒状に立ち上がっており座席部品と接する箇所を中心に溶着した。
施行実績は従来方式の方が多く不安度合いは成田寄が上回っている。
今のところ3592F-1,3592F-2は剥離する事無く現在に至っているため問題無いと思いたい。
なお台枠固着確認後に成田寄へTNカプラーSPを装着し床板周りは一通りの細工を終えた。




金属車輪化したFS-089,FS-389。

下廻りで残る工程は金属車輪化となった。
モハ3555で捻出されたFS-389非動力台車は保管品へ直行した。
よってTOMYTEC製3500形M2車では初のFS-389非動力台車流用車になっている。
FS-089は第一次整備時にカプラーマウントを撤去していた。
一方FS-389非動力台車は完成線留置用のためアーノルトカプラーを存置した。
先にモハ3555がTNカプラーSP化されたため第二次整備でカプラーマウント切除を行いユニットでの留置を可能にした。
金属車輪は輪心をマッキーで黒色化し台車枠へ取り付ける自身ではお馴染みの手法を採っている。
最後に締結ピンの角度を広げ床板に装着した。


整備を終えたモハ3556用床板一式。

締結ピンの角度変更は台車の遊びが大き目に感じられたため試行したものである。
一定の効果はある模様で角度変更前より台車が安定したように感じられる。
決して強度の高い部品ではなく台車に組み込んだ状態のまま出来る範囲で上部の爪間隔を広げた。
これでも走行時に蛇行動が現れる様ならばグリーンマックス製締結ピンへの交換を考えている。

整備を終了した床板を車体へ仮組しTNカプラーSPカバー部分切除の具合を確認した。
床板は貫通扉に支障せず渡り板に連結器が近付いている。
側面窓セル組付けに不備が無ければある程度車体不等沈下を防げるだろう。
その前に行う前面窓セル運行番号表示器印刷除去がモハ3556の命運を握る。

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