試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3519[3520F-3] 更新車 現行仕様 動力ユニット整備,TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装施工

2016-12-13 21:03:51 | 京成線:3500形
確変。

マイクロエース製京成3500形3520F更新車中期仕様(3520F)の第二次整備は動力車の3519が入場した。
3518(3520F-3)に続きPT-43形パンタグラフをTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへ換装し現行仕様へ改める。
動力ユニットは導電板磨きとギアボックス清掃を行い予め劣化予防策を採る。


京成3500形3519 更新車 中期仕様(3520F)。

先にシングルアーム式パンタグラフ化を行う。
その後動力ユニット整備へ移行し組立時にはある程度固着されるよう時間稼ぎをする。
単独で行えるパンタグラフ交換だが側面行先表示器基準幕化が含まれるため完全分解した。


入工中の3519。

3519は狭幅貫通路側に貫通扉を持つ。
妻面窓セルを撤去したところ貫通扉も脱落した。
接着剤痕は見られずセルに抑えられる構造らしい。
組立時に妻面窓セルをしっかり固定しないと貫通扉はがたつくと思われる。


溶着痕の無い貫通扉。

エラーと呼ぶべきか迷うが山側の側面窓セルが分割されていた。
既にS字形成形品の一部が失われその欠片も見当たらなかった。
どうやら製造過程で折損させたらしい。
3600形では先頭車の側面窓セル処理に個体差があった。
また3200形でも当初からS字形成形部の無い個体が存在した。
3500形でも同様の例があるのかもしれない。
しかも流し込み接着剤が投入されていたのは片側だけでもう一方は嵌合だけで済まされていた。
これでも窓セルにがたつきが生じないのは従来製品より嵌合爪が深いためだと思う。


分割されていた山側側面窓セル。

幸いにして側面行先表示器部側には接着剤が使用されていなかった。
やや取り出しにくい側面窓セルだが山側に限っては楽に行えた。
海側は無瑕疵で3519と同じ方式により撤去している。
同時にPT-43形パンタグラフも車内から押し出して取り外した。
1脚だけ溶着されていた3518とは異なり接着剤痕さえ無かった。
ここも個体差があるのだろう。


半分だけ側面窓セルが残る側面(山側)。

部品撤去を終えた所でTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフの加工に着手した。
3518では試行錯誤した分だけ遠回りになったが3519では必要な箇所を細工するだけで済む。
パンタグラフへの細工そのものは3518から変更していない。
車端側取付脚撤去,車体中央寄取付脚径変更,マイクロエース製避雷器取付が主な工程である。
中央寄取付脚径変更は現物合わせで行った。
車体取付孔が脚に対して内側にある。
内股化を防ぐよう取付脚の外側を削って対処した。


完成した京成3500形用TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ。

取付もゴム系接着剤,流し込み接着剤の併用である。
ゴム系接着剤は粘度の高い古いものを使用し固着時間短縮を図った。
車端寄パンタグラフ台上部のみに盛るにはちょうど良い粘度ではみ出す心配も要らなかった。
車体中央寄取付脚は微量の流し込み接着剤を投入してから20秒程度押さえつけた。
パンタグラフ上昇時の支点でありここの固定は念入りに行っている。


TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへ換装された3519。

車端寄のパンタグラフ台枠が浮かなくなった事を確認してから窓セルを戻す。
なお固着待ちの間に側面行先表示器基準幕化を行い整備時間の短縮を図った。
分割されていた山側側面窓セルは嵌合だけではやや心許ない。
戸袋吹寄部にゴム系接着剤を塗布し固定した。
妻面窓セルも同様に固定したが貫通扉の兼ね合いで幕板側にも接着剤を塗布している。
何れも微量で今後の分解には支障しない。


基準幕化された側面行先表示器。

シングルアーム式パンタグラフ化を優先した都合で動力ユニット整備は最終工程になった。
マイクロエース製動力ユニットは3600形から大幅な品質改善が図られたように思う。
しかしこれまでの経緯から余り期待せずに分解している。
ところが予想外な結果が待っていた。


分解した動力ユニット。

導電板は光り輝き台車周りのグリス漏れも無い。
とにかく導電板の状態に驚いた。
全く酸化が見られずクリーナーで拭き上げるだけで済んでいる。
これまで整備したマイクロエース製動力ユニットでは最良の状態と言えよう。


グリスの少なかったFS-389動力台車(上野寄)。

FS-389動力台車もグリス投入量が激減していた。
お陰で清掃の手間が減っている。
いくら少なくなったグリスとは言え品質までは信用できない。
結局台車は分解が必要になった。
ギア類は全て清掃し別途タミヤ製グリスを添加した。


整備を終えたFS-389動力台車(上野寄)。

台車分解時に気付いたがギアボックスのプラスチックの硬度が変更されたらしい。
従来より嵌合が固くなりロアフレームとの分離はプラスチックドライバーを使用した。
ギアボックス自体の剛性も高まったように思える。
更にロアフレームを撤去してもギア類が脱落しない嵌合精度へ変わっていた。


全部品が勝手に脱落しなかったギアボックス(成田寄)。

モーターはチタンカラーに変更されたがコイルまで改められたかは判らない。
駆動は低速からスムーズに立ち上がりこれまでの芳しくないイメージを覆している。
但し3600形では外れも引いており油断は出来ない。
この品質を保ってくれると良いのだが。
なお台車清掃時に成田寄連結器をKATOカプラー化した。


全整備工程を終えた3519。

動力ユニットと車体の嵌合には不安があった。
2分割された側面窓セルを取り外した影響が出る可能性がある。
接着した窓セル側から動力ユニットを慎重に挿入した。
結果は全く問題無かった。
ただ今後の動力ユニット整備を考えると動力車は3518に変更した方が良いかもしれない。




3519現行仕様(3520F-3:側面行先表示器基準幕化,TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装)。

3518の次に3519を入場させたのは正解だったらしい。
TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへの加工は思ったより時間を要さなかった。
現行仕様のアピールポイントであるシングルアーム式パンタグラフ化は欠かせない要素だった。
これを無難に切り抜けられたのは大きいと思う。




3520+3519 (3520F-3:PT-7131形パンタグラフ換装車)。

KATOカプラー化も済ませ3520F-3は全車からアーノルトカプラーが消え去った。
微妙に連結面間隔が広がるもののマイクロエース製京成1000形を考えれば納得できる。
プラ板式で間隔短縮を行えるがそこまでしなくても良いだろう。




3519+3518 (KATOカプラー化)。

3519竣工で3520Fの第二次整備は3520を残すだけになった。
基本的に3517の工程と変わらない。
側面窓セルの流し込み接着剤投入位置が妙な箇所でなければ苦戦しないと思う。
3520F現行仕様出場が目前に迫ったが気を引き締めて3520の整備に入りたい。

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