自分が当たり前にやっていることが相手を驚かせてしまったり、相手が当たり前にやっていることが自分にとって驚かされたりすることってよくある。
今日の話はそんな驚かされたお話。
私のバイト先のお店は開店前に清掃業者の方が5、6人来て、お店の掃除をしている。
その清掃業者は4、50代くらいのパートのおばちゃん達でほとんどを占めた会社で、おばちゃん達の掃除が終わると掃除がちゃんとできているかのチェックをする。そして、チェックしてできていないところはきれいになるまでやってもらってからおばちゃん達は家に帰れるのだ。そのチェックは私のようなバイトや従業員がするのだが、今日のチェックは私がしていた。
私が細かくチェックをしていたところ、トイレの便器の中にとれていない汚れを見つけた。私はおばちゃんに失礼のないようにやんわりと教えた。
「トイレの便器の中に汚れみたいのがあったんですけど、もしかしたら擦ってもとれない汚れ(キズ)かもしれないんで見てもらってもいいですか。」
「あらっ!ごめんなさい。」
とおばちゃんはいいながら便座に両手をつけてしゃがみ、便器の中を覗き込んだ。
「どこら辺かしら?」
便器を覗きながら言うおばちゃんに少々引きつつも、水が溜まって少しみえにくい汚れの部分(常に水が溜まった底に近い部分。)を指さして教えた。
「ここなんですけど、もともととれない汚れとかだったら全然問題ないんで(指摘して)すいません。」
「あっ!ほんとだ。ごめんなさい。あたしあんまり目がよくないから気付かなくてごめんなさい。」
「…。」
「だから彼女は便器すれすれに顔を近付けていたのか…。」
私は少し胸が痛くなって彼女をフォローしようとした。
「でもこの汚れ見えにくいですよね~。とれない汚れにも見えたので違ったら申し訳ないと思ってたんですよ。」
フォローする私におばちゃんはこう言った。
「いや、これはキズとかじゃなくてね…。」
そういいながらおばちゃんはなんと便器の中に手を突っ込みこういった。
「手でこうやればほら、簡単にとれるでしょ。」
彼女はまるでテレビショッピングでの商品紹介のようにお手本を見せる感じで、そのう〇こを直接手で擦り落した。
「!!!」
私はあまりの衝撃に一瞬、身動きができなかった。だって身内だったらまだしも、誰のものなのかわからないものを素手で触るってまさに『すごい』の一言である。彼女は少しも汚いとは思っていないようにみえた。
「でも、掃除の後はちゃんと石鹸でしっかり手を洗うんだろうなぁ。」
私はそう思いながら彼女を見ていた。ところが、彼女は石鹸どころか便器の水に浸けた片手だけを軽くパパッと水に濡らしただけであった。
「すごい!まるで何事もなかったかのような手の洗い方だ。」
ここまでくるといき過ぎである。
「掃除のチェックはできても彼女の手のチェックまではできなかった…。」
私は心のモヤモヤも洗い流せないまま彼女を見送るのであった。
今日の話はそんな驚かされたお話。
私のバイト先のお店は開店前に清掃業者の方が5、6人来て、お店の掃除をしている。
その清掃業者は4、50代くらいのパートのおばちゃん達でほとんどを占めた会社で、おばちゃん達の掃除が終わると掃除がちゃんとできているかのチェックをする。そして、チェックしてできていないところはきれいになるまでやってもらってからおばちゃん達は家に帰れるのだ。そのチェックは私のようなバイトや従業員がするのだが、今日のチェックは私がしていた。
私が細かくチェックをしていたところ、トイレの便器の中にとれていない汚れを見つけた。私はおばちゃんに失礼のないようにやんわりと教えた。
「トイレの便器の中に汚れみたいのがあったんですけど、もしかしたら擦ってもとれない汚れ(キズ)かもしれないんで見てもらってもいいですか。」
「あらっ!ごめんなさい。」
とおばちゃんはいいながら便座に両手をつけてしゃがみ、便器の中を覗き込んだ。
「どこら辺かしら?」
便器を覗きながら言うおばちゃんに少々引きつつも、水が溜まって少しみえにくい汚れの部分(常に水が溜まった底に近い部分。)を指さして教えた。
「ここなんですけど、もともととれない汚れとかだったら全然問題ないんで(指摘して)すいません。」
「あっ!ほんとだ。ごめんなさい。あたしあんまり目がよくないから気付かなくてごめんなさい。」
「…。」
「だから彼女は便器すれすれに顔を近付けていたのか…。」
私は少し胸が痛くなって彼女をフォローしようとした。
「でもこの汚れ見えにくいですよね~。とれない汚れにも見えたので違ったら申し訳ないと思ってたんですよ。」
フォローする私におばちゃんはこう言った。
「いや、これはキズとかじゃなくてね…。」
そういいながらおばちゃんはなんと便器の中に手を突っ込みこういった。
「手でこうやればほら、簡単にとれるでしょ。」
彼女はまるでテレビショッピングでの商品紹介のようにお手本を見せる感じで、そのう〇こを直接手で擦り落した。
「!!!」
私はあまりの衝撃に一瞬、身動きができなかった。だって身内だったらまだしも、誰のものなのかわからないものを素手で触るってまさに『すごい』の一言である。彼女は少しも汚いとは思っていないようにみえた。
「でも、掃除の後はちゃんと石鹸でしっかり手を洗うんだろうなぁ。」
私はそう思いながら彼女を見ていた。ところが、彼女は石鹸どころか便器の水に浸けた片手だけを軽くパパッと水に濡らしただけであった。
「すごい!まるで何事もなかったかのような手の洗い方だ。」
ここまでくるといき過ぎである。
「掃除のチェックはできても彼女の手のチェックまではできなかった…。」
私は心のモヤモヤも洗い流せないまま彼女を見送るのであった。