このTS-780は落札したオークションの説明に「144MHzのLOWパワーが出ない」と記載がありました。
確認してみるとその通りで、HIGHではちゃんと10W以上のパワーが出るにもかかわらずLOWにすると出力0です。
430MHzではHIGH/LOW共にそれなりに出力があるので144MHz側の出力制限回路であることは明らかです。
TS-780のLOWの時の出力低減はパワーモジュールの前段回路の電源電圧(DB)を下げることとTXユニットのIF増幅部のFETのソース電圧をコントロールすることで実現しています。
430MHzで正常に動いていますから144/430MHz共通のTXユニット部に不良は無さそうです。LOWの時のパワーモジュールのDB電圧はちゃんとコントロールされていましたが、TXユニットのIF増幅部のFETのソース電圧をコントロールする出力が変化しません。この回路は144MHz側も430FINALユニット内に実装されています。
よくよく見ていると430FINALユニットの14T(144MHz送信時9V)の配線が明らかにイモ半田です。
線を手で引っ張ってみたら外れてしまいました。貫通端子(貫通コンデンサー)側はまったく半田が付いた様子は有りません。
↑ 線を引っ張る前の状態
↑ 線を引っ張ったらこんな感じでした
線の端末処理をし直して貫通コンデンサーにちゃんと半田付けして430FINALユニットのVR4を回してみると見事に復旧しました。144MHzのLOWもHIGHもちゃんとパワーが出るようになりました。
前オーナーが触った様子もないので製造時からの不良です。新しいうちは線がからげてありますから異常は無いでしょうが古くなると表面が酸化して接触不良になります。
こういうメーカーの製造不良を発見して直したときは「ヤッター」という快感があります。
書いてみるとやったことは半田付けを直しただけ。でも半日費やしました。
メーカーに修理に出すとケースを開ければ10,000円は納得します。
でもこの故障でもメーカーに修理に出せば有償でしょうね。元はと言えば製造ミスなんですけど・・・・・。
修理報告書には「半田付け劣化のため修正」とでも書くでしょうね。
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