先日オークションで落札したTR-9000Gに「おまけ」として安定化電源の不動品が付いてきました。
定格出力電圧 13.8V
定格出力電流 3.6A
最大出力電流 4.2A
不動品ながら外観は大変きれいで中の埃もほとんどなしでした。このままジャンクはもったいないので修理に着手しました。故障と言っても若干出力電圧が高いことと時々出力が無くなる程度でたいした障害ではなさそうです。
1.出力時々断
これは簡単なことでした。単純に出力端子の裏側のラグを締め付けているナットが緩んでいただけ。
締め直して解決・・・・。
2.出力電圧が高い
出力電圧が15.3Vくらいになっていたのでこのままは無線機がかわいそうなので13.8Vに半固定VRを調整して完了。
ところがこの半固定VRはリアパネルに実装されていてすぐに手を触れれば回ってしまいます。調整後白のラッカーで固定しました。
3.出力電圧特性
試験に使える負荷抵抗を持っていないのでTR-9000Gをつないで特性を確認しました。
無負荷 出力電流 0A 出力電圧 13.85V
受信時 出力電流 0.4A 出力電圧 13.83V
送信時 出力電流 2.7A 出力電圧 13.75V
送信時の電圧低下が0.1Vで十分実用になります。
4.出力リップル
これは若干問題ありでした。
送信時リップルが40mVp-pあります。少々大きい気がします。実用上は特に電源ハムが混入することはありませんでしたが、ちょっと気になるので・・・
まず平滑回路の電解コンデンサーを新品に交換。
オリジナルで使われていた電解コンデンサーは両端にリード線が出ている古いタイプでしたが、手持ちは片側から2本のリード線が出ている立型です。
プリント基板に穴をあけてレジストを剥がして半田付けしました。
同時にスペースがあったのでもう1個2200μF/25Vのコンデンサーを並列に取り付けました。
元々実装されていたものが4700μFでしたが、これで合計6900μFに増加しました。
リップルは送信時30mVp-pくらいに減少しました。
ところが上の波形の通り高周波の「回り込み?」か「発振?」かがあります。
出力端子に150pFのコンデンサーを取り付け、マイナス側を最短で筐体に落としたら消えました。
↓ 送信時2.7A時の出力リップル
↓ 受信時0.4A時の出力リップル
リップルは30mVp-pで少々多い気はしますが、この電源の製造時の規格が分からないので何とも言えません。この電源の実力かもしれません。
送信にも受信にも電源ハムの混入は確認できないので問題はなさそうです。
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