経営者のための聖書講座

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No.156 ネヘミヤ(7):危機管理

2008-11-26 22:34:03 | エズラ、ネヘミヤ、エステル
反対者の妨害、従業員の不満、顧客のクレーム・・・、
リーダーは様々なプレッシャーと戦わねばならぬときがある。
対応にまごつくと指導者としての評価を落としかねない。

ネヘミヤの再建工事は順調に進み、城壁は半分の高さまで完成した。
しかし、ここでプロジェクトはトラブルに見舞われる。

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サンバラトとトビヤ、それにアラブ人、アンモン人、アシュドドの市民は、
エルサレムの城壁の再建が進み、破損の修復が始まったと聞いて、大いに怒った。
彼らは皆で共謀してエルサレムに攻め上り、混乱に陥れようとした。
わたしたちはわたしたちの神に祈り、
昼夜彼らに対し、彼らから身を守るために警戒した。

しかし、ユダもこう言うのだった。
「もっこを担ぐ力は弱り 土くれの山はまだ大きい。
 城壁の再建など わたしたちにはできません。」
わたしたちの敵はこう言っていた。
「気づかれず、見つからないように侵入し、
 彼らを打ち殺して、工事をやめさせよう。」
彼らの近くに住むユダの人々がやって来て、十度もわたしたちに、
「あなたたちが戻ると、あらゆるところからわたしたちは攻められます」
と言った。

そこでわたしは城壁外の低い所、むき出しになった所に、
各家族の戦闘員を、剣と槍と弓を持たせて配置した。
わたしは見回して立ち、貴族や役人やその他の戦闘員に言った。
「敵を恐れるな。偉大にして畏るべき主の御名を唱えて、
 兄弟のため、息子のため、娘のため、妻のため、家のために戦え。」

わたしたちが気づき、神がその計略を破られたことを敵が知ったので、
わたしたちは皆、城壁に戻り、それぞれ自分の作業に就いた。

  ネヘミヤ記4:1-9
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サンバラトとトビヤ。ネヘミヤの城壁再建に批判的な例の反対者らだ。
彼らは再建工事が進むのを見て大いに怒った。
彼らは武力攻撃により混乱を引き起こし、工事を中止させようとした。

その噂が影響したのだろうか、工事に従事する者たちが弱音を吐きだした。
「もっこを担ぐ力は弱り 土くれの山はまだ大きい」、
「わたしたちにはできません」。

近所の住民たちも、それに呼応したかのように工事に対する不満を訴え出した。
住民の抗議行動は十度に及んだ。

プロジェクトはいきなり窮地に陥った。
ネヘミヤは敵、労働者、住民の三方から同時に責められていた。
ピンチである。

どうするネヘミヤ?

ネヘミヤは神に祈り、素早く対応した。

まず彼が取り組んだのは、労働者と住民の安全を確保だった。
外敵の侵入に備え、武器を携えた戦闘員たちを要所に配置することにした。

その後、彼は指導的立場にある者たちを招集した。
彼らを励まし、奮起を促した。
誰のために戦うのか目的を再確認させた。

城壁の空気が一気に引き締まった。
状況の変化を嗅ぎ取った外敵は攻撃を控えざるを得なくなった。

作業に従事する者らはそれぞれの持ち場に戻った。
疲れを感じ始めていた労働者が再奮起したようだ。

ネヘミヤの迅速で的確な危機管理により、再建工事は中止を免れた。


ピンチをチャンスに変えるのも優れたリーダーの資質の一つなのだ。