--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

防火訓練

2006-02-23 | 南極だより・講習訓練
先日の越冬成立式の記事に余計な疑問として付記していた一九広場のことを渡井さんが教えてくれました。
一九広場は19広場とも書き、”いちきゅうひろば”と読みます。
というのは19次隊がこの広場を作ったからなんですね。

なるほど、そういえば9次隊で作った居住棟は元第9居住棟という名前で第二夏宿に使われていたっけ。
11倉庫とか47倉庫も作った次隊から名前がついているのかな?
その次隊の成果が名前で残っていくって、歴史が見えていいなぁと思いました。
他にはどんなところに名前がついているのかな?

それでは渡井さんからの南極だよりです。
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2006年2月22日(水) 曇り時々晴れ 防火訓練

47次初めての防災訓練を行った。
できれば越冬交代後直ぐに行わなければいけない性質のものだが、最近、通常業務がある程度軌道に乗り、周りの状況を落ち着いて把握できるようになったので、ようやく行うことができたのである。
これも南極の特殊性であろう。

防火訓練はとりあえずのたたき台、すなわち筋書きを用意して、それに基づいて行われた。
ただ、あくまでたたき台。
訓練自体からして試行錯誤だ。

ただ、これが良い。
何をしたらいち早く人員確認ができ、火災を消し止めることができるのか、自分達で考えるからである。

システム的には前次隊の方法をそのまま引き継げば、あれこれ調整することもなく楽チンだ。
ところがこれをしないのである。
得てして引継ぎというのは物事の本質を見ずに、引継ぎ事項だけに焦点があっている場合が多い。
考えることを放棄しがちなのである。
観測隊を取り巻く状況はハード$ソフト面とも年々状況が変化していっているので、それにフレキシブルに対応できるように独自に考えるということは有効だ。
もちろん良いところは残す。

訓練は毎月1回行われる。


-----本日の作業-----
・アーカイブエアサンプリング装置立ち上げ
・防火訓練
・もやし初収穫

<日の出日の入>
日の出  4:32
日の入  20:35
<気象情報>
平均気温-5.0℃
最高気温-3.3℃(0733) 最低気温-7.1℃(2257)
平均風速8.6m/s
最大平均風速15.5m/s風向E(0950) 最大瞬間風速20.3m/s風向E(0940)
日照時間 8.2時間

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南極に行く前にも確か2度くらい防火訓練をしていましたね。
消火器を使ったり、消防署に行って行ったこともあったように思います。
南極は乾燥しているので火事には注意をしていたのでしょうけれど、1次隊でカブースが火事になったときにその怖さを実際に体験し、その後最新の注意を払ってきたのだと思われます。

私達は普通、自宅でも仕事先でも初期消火のあとは消防隊に消火を任せて逃げ出すことに専念します。
でも、昭和基地ではもちろん人の安全が一番ですが、完全消火をするのも越冬隊36名なのですよね。
人も違えば火事もどんな出かたをするか分からない。
一人一人が自分のするべきことを考えて動くためには、常に頭を使って動く訓練をしておくことが必要であるということなのですね。
1ヶ月に1回も訓練すると、かなりいろいろな場面に対応できるようになっていそうです。
もちろん、そういう事態が起こらない、いや起こさないことが大切なのだと思うのですが。

送られてきた写真にはホワイトボードに分担が書いてありました。
その中に「破壊班」という役があるのです。
いったい何を破壊するというのですかっ??
防火訓練は(来月とか再来月とか)きっと続報があると思いますので、しばらく何を破壊するのか想像して楽しむことにします。

おまけ

#もやしの初収穫

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