--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

スケート

2006-03-20 | 南極だより・生活
桜のつぼみもはちきれんばかりに膨らんで、一気に花が開きそうです。
「しらせ」は明日の朝、シドニーに入港する予定だそうです。
昭和基地も昼と夜がほぼ同じ長さになり、ついこの前までの明るい夜が信じられないくらいです。
あっという間に季節が巡っていきますね。
では、秋の南極から、渡井さんの便りです。
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2006年3月19日(日) 晴れ スケート

一週ぶりの休日日課。
久しぶりの晴であるが特段行事は予定されていない。

先週の第一ダムでのカーリング大会の時以来、ひそかに企んでいたことがある。
スケートだ。
おあつらえ向きに表面は強風にならされつるつるで、風波によってできる凸凹も場所を選べばそれほどない。
レクリエーション置き場には何足かの古びたスケート靴が置いてある。
アイスホッケータイプだ。
サイズが思ったほどなくて一番大きいものでも26.5だったがそれを借りた。

実に20年ぶりくらいのスケートだろうか?
小学校の頃はスケート教室なる行事があって年に2回ほど行っていた。
近くの遊園地にも大小3つのスケートリンクがあった。

最初はとまどって歩くのもおっかなびっくりだったが、5分ほどでどうにか滑れるようにはなった。
が、昔できた足を交差させて曲がるカーブの曲がり方もできない。
すっかり感を忘れてしまっていたのだった。
ブレードにまっすぐ乗れず、足首をひねらないと乗れないのは残念ながら変わらずだった。

かれこれ2時間ほどはやっていただろうか?
靴がきゅうくつだったため纏足状態でしんどかったが、天然のリンクで滑ることができたのが嬉しかった。
それになによりここは南極のリンクなのだ。


-----本日の作業など-----
・液体窒素製造
・精製装置真空引き
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・スケート
・基地内散歩
・オーロラ観察

<日の出日の入>
日の出  6:14
日の入  18:43
<気象情報3月19日>
平均気温-7.7℃
最高気温-5.6℃(1218) 最低気温-13.1℃(2358)
平均風速5.3m/s
最大平均風速12.9m/s風向ENE(0040) 最大瞬間風速15.5m/s風向ENE(0032)
日照時間 6.6時間

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これはうらやましいなぁ!
私なら絶対にスケート靴を持っていくところでした。
実は学生の時にフリーでちょっとだけアイスホッケーをやっていたのです。
そのときの靴があるのですよね。
あのころはリンクがたくさんあったので、後楽園、神宮、東伏見、シチズンにしょっちゅう通い、試合もよく見に行きました。
南極でスケートなんてうらやましい以外なにものでもないな、うん。
ブレードにまっすぐ乗れないのはいくつか原因があると思うけれど、ほとんどが靴によるものが大きいです。
足首をしっかりシールドして靴を履くこと、それからエッジはどうだったかな?
アウトエッジが高すぎるとどうしても足首が曲がってしまうので、グラインダーがあればインエッジを少し高めにするといいかもしれません。
そうすればたいていは真っ直ぐに乗れると思うのですけれど。
しかしてん足はよろしくないですね。足痛いもん。
この後南極に行かれる方は26.5cmまでしかないそうですから、それ以上の靴を持ち込んでみてくださいねー。
でもね、また滑ってみてください。
たぶんすぐにうまくなって、コーナーでスピードを上げて滑れるようになります。

疑問:
使われたリンクは自然が勝手に整備をしてくれる?
でも、水分がないとエッジで削れたのはなめらかにならないような気がするのです。
北国の学校の校庭にリンクを作るように水をまいてあげないといけないのかな?
でも、撒くほどの水はないですよね?
整備しながら大事に使ってくださいね、次のカーリング大会のために!

そういえば「今日は久しぶりにオーロラを見ることができたよ。風もなくて快適だった」とメールには書いてありました。
風はないといっても-13℃ですけど?
すでに私とは感覚が違っているらしい。

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