--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

職場見学

2006-03-19 | 南極だより・講習訓練
今日は一日強い風が吹いていて、花粉がたくさん飛んだと思います。
こんなに花粉が飛んでいると、大きな大気循環の中でいつか一粒くらい南極にたどり着くものがあるのではないか?と思ってしまいます。
それでは、渡井さんからの南極だよりです。
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2006年3月18日(土) 曇り 職場見学

観測隊では相互理解を深めるため、互いの仕事場を訪れる職場見学が実施される。
今日は西部地区の気象棟、地学棟、電離層棟の見学だ。
見学は隊員を3つの班9人に分けて順繰りに回っていく。
所要時間はそれぞれおおよそ1時間。

地学棟では千田さんが測位や地震、重力、潮汐、地磁気といった地物(地球物理)関係、
三浦さんが今回掘削を予定している海底コアサンプリングの背景と説明などを行ってくれた。
電離層では安藤さんがRIOメータやオーロラレーダー、電離層垂直観測、FM/CWレーダー観測の説明、さらにはアンテナの説明をしていただいた。
気象棟では地上気象観測や、高層気象、地上日射・放射観測、オゾン観測などを説明していただいた。
聞きたいことは山ほどあるのだが、これからおいおい詳しく聞いていこうかなと思ってます。


#気象棟の中のようです

#ゾンデを見つけました。牛乳パックみたいだけど中身はどうなっているのかな?


-----本日の作業など-----
・Linux
・職場訪問(地学棟、電離層棟、気象棟)
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・「日刊昭和」46号発行
・HVS充填
・クルクルバー

<日の出日の入>
日の出  6:10
日の入  18:47  
<気象情報3月18日>
平均気温-4.5℃
最高気温-3.6℃(1338) 最低気温-5.9℃(2400)
平均風速11.4m/s
最大平均風速17.8m/s風向ENE(0210) 最大瞬間風速22.6m/s風向ENE(0204)
日照時間 0.1時間

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昭和基地が日本にある研究機関と大きく違うのは、いろいろな分野の専門家が一堂に会しているところにあると思います。
私はこの間、記事を書くたびに渡井さんにいろいろ質問をしてきたのだけれど、それぞれの分野があって分からないことが多いらしく「○○さんに聞いてみるね」と言われることがたびたびありました。
考えてみれば、渡井さんはずっと大気の観測をしてきたわけで、急にオーロラや地質のことを聞かれたって困るのですよね。
それをすぐに聞いてみることができるというのが、昭和基地の環境なのだと思います。
でも、疑問に思ったことを聞くことはできるけれど、普段まとまって話を聞くことはなかなかないようにも思います。
この見学会は仕事や観測を理解する上できっと大いに役立つのでしょう。
それぞれ1時間ずつとのこと、説明するのに時間が足りなかったのではないでしょうか?
個人的には、一つ一つの観測について興味を持って調べることはあっても、その棟(分野)ごとにどこを目指して観測をしているのかをまとまって知る機会はあまりないので、どんな説明があったのか大変興味があるのですが、そのうち教えてくれるでしょうか?
はじめは内容が書いてなくて、何にも分からないと思ったのですが、ここに書いてある内容だけを見ても興味深いことはたくさんありました。
一つの対象物をいくつかの分野で観測しているのが分かるからです。
先日行われた地磁気の観測は宙空だったけれど地学も地磁気を調べていたり、オーロラの観測は電離層も宙空も行っているし、気象で行われているオゾン観測は気水圏でも欠かせないものだったりします。
そういう関係もこれから見えてきたら面白いだろうと思います。

私がもしも昭和基地にいたとしたら、職場見学でもないときにそれぞれの仕事場に入り浸って、しかもしつこく質問して大迷惑になることろだったと思ってしまいました。

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