--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

2回目の大晦日

2007-01-01 | 南極だより・生活
今朝、私の目の前に蜘蛛がスーッと下りてきたので手に乗せてしばらくは眺めていました。
朝蜘蛛は縁起がいいので、何かいいことがあるかも?
それでは渡井さんからの南極だよりです。
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2006年12月31日(日)晴れ 2回目の大晦日

2006年まるまる1年は念願の南極で観測活動を行うことができた。
これも公私、様々な面で支援していてくださる方々がいたからこそである。
感謝の言葉もない。

午前の氷上作業の後、午後からは各個人や部門毎の作業をしたり、あるいはゆったりとした時を過ごす隊員もいる。
自分も午前にやっと届いたシリンダーを使って、測定器の暖気運転を始め、今年の作業はおしまい。
夏作業で建築を行っていた48次隊も、しらせで年を越えるべく、午後からは仕事を休みにして全員基地を離れていった。

15時から防Aで餅つき。
鏡餅を作る。
夕食後は皆三々五々寛いだ。
昨年はしらせの中でちょっとしたパーティのようなものが開かれたが、このように落ち着いた雰囲気の年越しもいいものだ。
1年を過ごした故の落ち着きなのであろう。

日が変わる直前にはテレビ中継があったこともあって、年越し蕎麦が振舞われる。
非常階段にはドラム缶で作った除夜の鐘。
鐘をつくのはバタ角だ。
太陽は11月から沈まないので、年が変わった時の太陽が初日の出なのだろうか?


-----12月31日本日の作業など-----
・事務仕事
・シリンダ運び
・CH4計暖気運転開始
・餅つき
・暖房燃料使用・防火点検報告
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・年越し蕎麦
・テレビ朝日系列生中継

<日の出日の入>
日の出 なし  
日の入  なし  
<気象情報>
平均気温-1.0℃
最高気温2.7℃(1225) 最低気温-5.8℃(0413)
平均風速1.6m/s
最大平均風速2.7m/s風向S(0010) 最大瞬間風速4.3m/s風向SE(0153)
日照時間 22.0時間

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昭和基地では穏やかな雰囲気で新年を迎えられたということでしたが、その雰囲気は朝のテレビ放映からも伝わってきました。
写真で見たソフトクリームの機械が稼働しているのが生放送されたのは、もしかして南極観測50年の歴史の中でも初めてのことではないでしょうか?

さて、日本では西日本以北ではおおむね初日の出を見ることができたようです。
この時期、地軸の傾きの関係で、日本で最も早い日の出は北海道の根室ではなく関東地方です。
本州では犬吠埼が最も早く6時46分でした(今朝テレビ中継してました)。
でもたしかもっと早いのは小笠原で6時15分頃だった記憶があります(ネット難民につき調べられませんので間違えているかも)。
先にも書いたけれど、南極では白夜のため太陽が沈まないのですよね。
その場合、初日の出はいつになるのでしょうね?
どちらにしても、年が明けてすぐに太陽を見ることができるのは南極しかないのです。
北極においては、極夜のため、まだ当分初日の出はおあずけです。
昭和基地は日本より6時間遅れで新年を迎えますが、それでも小笠原より15分ほども早く新年の太陽を見ることができるのですよね。
初日の出を味わうとしたら、立ち位置から2.4度(冬至から10日近く経っているので0時の太陽はもっと低い位置にあるけれど)の高さに小高いところがあれば太陽が一瞬隠れるので、初日の出らしきものを楽しむことはできそうですよね。←無理やり

のんびり過ごせるのは今日までで、また明日から忙しい日々が始まります。
おそらくこの後は基地を離れるまでノンストップでしょう。私も正月ボケにならないようについていかなくちゃ。

そうそう、新年の昭和基地のテレビ放映を友人に頼んだのに、朝6時から10チャンネルでと言ったのがまずかったようで、10時から6チャンネルを録画してしまったのだそうです。
残念です。

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