--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

ライフロープ講習

2006-03-10 | 南極だより・講習訓練
本当によく寝ました。
5時過ぎに一度起きたのだけれど、また寝ました。
たぶん8時間は寝たと思います。
おかげですっきり!
では、張り切って渡井さんからの南極だよりをお届けします。
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2006年3月9日(木) 晴れ ライフロープ講習

昭和基地ではブリザードのような非常時でも迷わず各棟間を移動できるよう、主要な建物間にライフロープを渡してある。
ブリザードなどで視程が悪い時などは基本的には外出制限がかかるのだが、もしもの場合に備えてあるのだ。

今回は新兵器が加わった。
カラビナと4mほどのザイルである。
ライフロープを手探りで辿ればつけるのだが、ライフロープの下などにドリフトがついている場合はそうもいかない。
そこでザイルを「8の字結び」で結びつけたカラビナをライフロープに掛け、もう一端は「もやい結び」で体に結びつけるのだ。
こうすることによってライフロープから離れて歩くことができる。
現在、夜間はオーロラ観測のため灯火管制が敷かれており、吹雪で視程が悪いときなど真っ暗な中を移動するのは少々どきどきする。

今回は「南京結び」をついでに復習し、FA森さんアレンジの南京結び、通称「森結び」も教えてもらうことができた。
これは荷を支える手を離すことなく結べるので大いに役立ちそうだ。
橇の荷物のラッシングは現在ラッシングベルトが主流なのだが、ラッシングベルトはそこいらじゅうにあるわけではない。
一方、ロープであれば比較的そこいらに転がっているので、「南京結び」あるいは「森結び」を覚えておくのが云わば必要なのだ。
ロープの途中に輪を作る結び方も、2種類(1つは8の字結び)教えてもらってよい勉強になった。


-----本日の作業-----
・論文書き
・ライフロープ講習
・オーロラ撮影

<日の出日の入>
日の出   5:31 
日の入   19:31
<気象情報3月8日>
平均気温-2.0℃
最高気温-0.9℃(1512) 最低気温-3.2℃(0103)
平均風速16.2m/s
最大平均風速18.8m/s風向ENE(2020) 最大瞬間風速24.4m/s風向ENE(1938)
日照時間 0.0時間

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昭和基地の建物は離れて建てられています。
私ははじめ、こんなに離したらブリザードの時に困るのではないかと思ったのですが、火災の延焼を防ぐため(他にも理由があるかも)に、離して建てているのだと聞きました。
つまり、南極においてはブリザードの怖さもさることながら、火災の怖さはそれを上回るのだということなのですよね。
ということで、建物間の移動は仕方がないということなのでしょう。
全く一つの建物だったら運動不足になってしまいそうなので、ちょっとは良さもあるような気もします。
ライフロープについては今まで渡井さんの南極だよりでお伝えしてきましたが、実際にそれを伝って歩く講習をしたということなのですね?
森さん式新兵器を従来のものと比較してみました。
見たことがないので、想像して描いてみたのですが、こんな感じでしょうか?

確かにこれなら風が強くて立てないくらいでも、這ってでもたどり着けそうな気がしてきました。
場合によってはものを持って移動することも可能?

南極では作業でロープを使うことが多いのですね。
私もロープワークの本を買ってあるのですが、絵で見てやってみるのはけっこう難しく、しかも普段の生活であまり使わないので、忘れてしまいちっとも必要なときに役に立ちません。
ロープワークは実際に教えてもらい、使って体にしみこませないとダメですねー。
みんなロープワークの達人になって帰ってくるのでしょうか?
帰ってきたら渡井さんに「森結び」を教えてもらおう。
荷物を支えながら結べるなんて新聞をまとめるときにも使えそうですよね。

※南極にウサギは生息していません

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