今日も気分はニニ・ロッソ

私J.Yasudaがニニ・ロッソの思い出など、思いつくままに語ります。
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ニニ・ロッソ(1)

2007年02月14日 06時06分50秒 | ニニへの回想
僕の音楽面での一番の財産はひょっとすると全盛期のニニの演奏を聴くことが出来たことかもしれません。

ご多聞に漏れず僕も彼をレコードで知りました。
そう「夜空のトランペット」です。
彼のレコードはどれもそれなりにヒットしたようですし、特に「夜空のトランペット」は世界的ヒットになりました。

しかし、レコードやCDの彼は本物ではありません。
コンサートの彼こそが本物のニニです。

全く別物と言ってもいいくらいです。
彼の演奏は常に即興的でした。
例えば、僕は全部で22回彼のコンサートに足を運び、22回以上「夜空のトランペット」を聞きましたがレコードそっくりだったこと は1度もありません。
音の選択も、歌い方も、装飾音も、常に変化し、彼の演奏は、いつでもとっておきのたった一度きりの演奏なのです。
アレンジもいつも新鮮で時には違う曲に聞こえるほどでした。

彼はその瞬間の気持を音に込め、その瞬間に自分の感じる歌を表現し続けました。
それはもはや、ムードミュージックとかイージーリスニングと言うにはあまりに激しく、特に1970年代の中ごろから1980年代中ごろの全盛期のニニの演奏は本当に鬼気迫るほどの美しさでした。
演奏会の後いつまでも耳に残るような、時に人の声のようなあの音が今も僕の頭の中で鳴り続けています。

僕は古いタイプのトランペット吹きなのかもしれません。

最近の奏者は、トランペットを「笛のように」演奏するのが主流のようです。

柔らかい音で軽やかに、超絶技巧を駆使した演奏は、それはそれですごいと思うし、そういう演奏を聴くのも大好きなのだけど、時々「トランペットってこういう楽器だったっけ?」
と思うことがあります。

全身を使って楽器を鳴らしきるような音、天に向かって登りつめていくような音が聞きたい。
そんな音楽が聞きたい。

そして出来れば僕もそんな演奏がしたい。
今日も気分はニニ・ロッソ

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