僕の事ではありません。
僕は相変わらず不健康な生活はしていますが、今のところまだ体は大丈夫なようです。
前期型のYAMAHA YTR-634(ヨウコ)の事です。
前期型YTR-634(ヨウコ)は今手元にある楽器の中でも特にお気に入りの一本で、常に別格扱いです。
何しろニニ・ロッソが長期にわたって愛用し続けた楽器ですから、ニニのファンである僕としては思い入れもひとしおなのですが、ここしばらく本番の演奏で使用することはありませんでした。
前期型のYTR-634は1974年にディスコンになっており、さすがに40年以上もの時を経たこの楽器はあちこちガタが来ていて、特定の音がヒットしにくくなっていたり、鳴りにくい音があったり、心なしか息の通りも悪く感じたり・・、外見的にはかなり慎重に扱ってきたにもかかわらず、ラッカーの剥がれ、錆び、小さなえくぼ状の凹みがあったり、ハンダが外れていたり、という状態でした。
取りあえず外見はともかくとしても、ここ一番という本番の演奏で使用することの不安を拭いきれずにいました。
入院前のYTR-634(ヨウコ)
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で、どうするか・・もはや個別の対処療法的メンテナンスでは、いい状態に戻すのは難しいと判断し、思い切ってフルオーバーホールを依頼することにしました。
完全な分解、清掃、調整、修理、再組立て、磨き、ラッカーがけ・・全てです。
が、決心はかなり前にできていたものの、それを何処に(誰に)お願いするか?
オーバーホールをすれば多かれ少なかれ音は変わります。
それは覚悟の上です。
が、「変わる」イコール「悪くなる」ではありません。
今より良くなる可能性だって充分にあります。
要はやってみないと誰にもわからないわけで、担当してくださる職人さんの腕次第で、結果は大きく左右されるものです。
一流の技術をお持ちで、できれば所有している人の思いを察しながら作業してくださるような優しい人柄の職人さんがいる工房・・そんな都合の良い工房がなかなか有る訳ないとずっと思っていたので、ずっと手付かずのままだったのですが・・ありました。
作曲や音楽作成全般をマルチにこなし、プロのトランペット奏者としてもご活躍中で、楽器に対する造詣も非常に深い方とたまたま知り合うことができ、その方とお付き合いの深い素晴らしい工房をご紹介いただきました。
その工房の仕事ぶりはFACEBOOKに公開されていますが、まさに息をのむほど見事なものです。
工房をご紹介いただき、電話で打ち合わせの後、僕が気が付く範囲の楽器の状況と希望を紙に書いて楽器と一緒に送付し、作業をお願いしました。
かくして、僕のYTR-634(ヨウコ)は名医のところへ入院ということになりました。
そして
ついにYTR634のオーバーホールが完了し、僕の手元にヨウコは戻ってきました。
戻ったヨウコを見てビックリ!、外見も、楽器内部までもピカピカで、まるでたった今楽器屋で買ってきたばかりの新品のようです。
これより綺麗なYTR-634を持っている人がいたら、お目にかかりたいというくらい実に美しく仕上がっています。
錆び、小さなエクボ状の凹み、ハンダのはずれは完全に完璧に修復されています。
ラッカーも隅々まできちんとかかっています。
それと今回、前期型には無く、初期のYTR-634には装備されていた、3番菅のストッパーネジを取り付けて頂きました。これもきれいに、見事に装着されています。
治療中、そして退院したヨウコ
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そして肝心の音は・・
バルブの小さなパーツを交換するだけで音が変わると言われている位ですから、全面的に楽器をいじれば当然に音は変わります。
このYTR-634の音も変わりました。
どう変わったか?、前より、はるかに良くなりました。見違えるようです。
やや薄れていた音の輝きが戻り、柔らかい倍音の中にスーッと1本輝きの芯が通ったような、おそらく634本来の音に戻ったのだと思います。
吹きやすさも格別で、息の通りがよく、大音量でも息に楽器が負けることなく、良く響きます。
完璧です。
見事と言うほかありません。
楽器も工房もまさに巡り合わせです。
良い楽器に巡り合うのも、素晴らしい工房に巡り合うのも、また紹介者に巡り合うのも、まさに「縁」です。
僕が今回、この縁に恵まれたことを今心から喜んでいます。
またきっとヨウコは美しい声で歌ってくれます。近々何か音源をアップしたいと思います。
当分、週末の音出しが楽しみな日々が続きそうです。
また、ヨウコでニニ・ロッソ
僕は相変わらず不健康な生活はしていますが、今のところまだ体は大丈夫なようです。
前期型のYAMAHA YTR-634(ヨウコ)の事です。
前期型YTR-634(ヨウコ)は今手元にある楽器の中でも特にお気に入りの一本で、常に別格扱いです。
何しろニニ・ロッソが長期にわたって愛用し続けた楽器ですから、ニニのファンである僕としては思い入れもひとしおなのですが、ここしばらく本番の演奏で使用することはありませんでした。
前期型のYTR-634は1974年にディスコンになっており、さすがに40年以上もの時を経たこの楽器はあちこちガタが来ていて、特定の音がヒットしにくくなっていたり、鳴りにくい音があったり、心なしか息の通りも悪く感じたり・・、外見的にはかなり慎重に扱ってきたにもかかわらず、ラッカーの剥がれ、錆び、小さなえくぼ状の凹みがあったり、ハンダが外れていたり、という状態でした。
取りあえず外見はともかくとしても、ここ一番という本番の演奏で使用することの不安を拭いきれずにいました。
入院前のYTR-634(ヨウコ)
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で、どうするか・・もはや個別の対処療法的メンテナンスでは、いい状態に戻すのは難しいと判断し、思い切ってフルオーバーホールを依頼することにしました。
完全な分解、清掃、調整、修理、再組立て、磨き、ラッカーがけ・・全てです。
が、決心はかなり前にできていたものの、それを何処に(誰に)お願いするか?
オーバーホールをすれば多かれ少なかれ音は変わります。
それは覚悟の上です。
が、「変わる」イコール「悪くなる」ではありません。
今より良くなる可能性だって充分にあります。
要はやってみないと誰にもわからないわけで、担当してくださる職人さんの腕次第で、結果は大きく左右されるものです。
一流の技術をお持ちで、できれば所有している人の思いを察しながら作業してくださるような優しい人柄の職人さんがいる工房・・そんな都合の良い工房がなかなか有る訳ないとずっと思っていたので、ずっと手付かずのままだったのですが・・ありました。
作曲や音楽作成全般をマルチにこなし、プロのトランペット奏者としてもご活躍中で、楽器に対する造詣も非常に深い方とたまたま知り合うことができ、その方とお付き合いの深い素晴らしい工房をご紹介いただきました。
その工房の仕事ぶりはFACEBOOKに公開されていますが、まさに息をのむほど見事なものです。
工房をご紹介いただき、電話で打ち合わせの後、僕が気が付く範囲の楽器の状況と希望を紙に書いて楽器と一緒に送付し、作業をお願いしました。
かくして、僕のYTR-634(ヨウコ)は名医のところへ入院ということになりました。
そして
ついにYTR634のオーバーホールが完了し、僕の手元にヨウコは戻ってきました。
戻ったヨウコを見てビックリ!、外見も、楽器内部までもピカピカで、まるでたった今楽器屋で買ってきたばかりの新品のようです。
これより綺麗なYTR-634を持っている人がいたら、お目にかかりたいというくらい実に美しく仕上がっています。
錆び、小さなエクボ状の凹み、ハンダのはずれは完全に完璧に修復されています。
ラッカーも隅々まできちんとかかっています。
それと今回、前期型には無く、初期のYTR-634には装備されていた、3番菅のストッパーネジを取り付けて頂きました。これもきれいに、見事に装着されています。
治療中、そして退院したヨウコ
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そして肝心の音は・・
バルブの小さなパーツを交換するだけで音が変わると言われている位ですから、全面的に楽器をいじれば当然に音は変わります。
このYTR-634の音も変わりました。
どう変わったか?、前より、はるかに良くなりました。見違えるようです。
やや薄れていた音の輝きが戻り、柔らかい倍音の中にスーッと1本輝きの芯が通ったような、おそらく634本来の音に戻ったのだと思います。
吹きやすさも格別で、息の通りがよく、大音量でも息に楽器が負けることなく、良く響きます。
完璧です。
見事と言うほかありません。
楽器も工房もまさに巡り合わせです。
良い楽器に巡り合うのも、素晴らしい工房に巡り合うのも、また紹介者に巡り合うのも、まさに「縁」です。
僕が今回、この縁に恵まれたことを今心から喜んでいます。
またきっとヨウコは美しい声で歌ってくれます。近々何か音源をアップしたいと思います。
当分、週末の音出しが楽しみな日々が続きそうです。
また、ヨウコでニニ・ロッソ
みごとヨウコさんが、復活されて良かったですぅ、、、
ピストンの摩耗も修復されたのでしょうか?それは、メッキしたっていうことでしょうか?興味あります。
次回の演奏、楽しみにしておりますぅ、、、
名人様の工房での一期一会
早く、音が聞きたいです、、
シリアルYTR634シリアル番号 06346 はYAMAHA が1970年に06000ナンバーで製作スタートされた物ですよ、1970年の346本目の製作です、
又、三番管ストッパーがシリアル03000で最初期の物を流用かと思いますが、、いいですねえ、、、、
感動しました
ピストンは、使用に問題がない状態になっています。
モネルメタルが使われているピストンは一般に我々が考える程、摩耗しないもので、職人さんの専用器具によるラッピング、すり合わせで大抵は回復するようです。
それ以外は、すべてのハンダを外し、分解、清掃、金属の歪の調整、凹だし、あらゆる調整をしていただいています。もし仮に、この楽器の新品を入手したとしても、今のヨウコの方が、実際の使用上はまで考慮すると上かもしれません。
シリアルNo.06346ですからそういうことになりますね。
元々シリアルはBach以外はあまり気にしたことはありませんでしたが・・
ストッパーはオリジナルパーツはもうメーカーにも在庫は無いので入手不可能です。今回はYTR-800の新品パーツを利用しています。
演奏上、ネジがある方が僕は好きですし、便利です。