ドキュメント膵臓癌17～絶食解禁！

2/3(水曜日)
失禁騒ぎもなく目覚める。
レンドルミンは、半錠が適量であることが分かった。
1/29以来便通がない。

妻と三女来る。下半身をシャワーで洗う。
鏡に映った自分の姿を見て愕然とする。25年間鍛え続けてきた肉体が、哀れな老人の姿に変貌してしまっている。人間の肉体はわずか二週間で、こんなにも衰えるものなのか。
夕方体重測定。約4キロ減の56キロ。

正伝寺の和田住職来る。「覚悟」と言うことについて、暫く語り合う。

二週間ぶりに、絶食が解禁される旨知らされる。嬉しくもあり、不安でもある。

<絶食解禁メニュー>
三分粥、白身魚のほぐしたもの、菜っ葉のおしたし、
マッシュポテト、ジュース
主治医の指示通り、一口飲み込んでは様子を見ながら、恐る恐る食べる。白身魚とジュース以外は完食。味はしっかりと感じ取ることができた。
食後、特に変調なし。
レンドルミンを半錠飲んで就寝。

<安らかな終末について>
昨夜来、同室のU氏(大腸癌、腹腔鏡手術)とも、K氏(直腸癌切除)とも、それぞれの病歴や病状、さらには互いの人生について話す機会を得る。
同病相憐れむと言うか、共感するところが多い。
最も意見が一致したことは、痛みや苦しみのない、安らかな死を迎えたいと言うことであった。

<本日の俳句>
膨らんで落ちる点滴春立ちぬ
恋猫と恋もせぬまま老いし犬
少年の肩まで跳ねし春の泥