あしあと

愛悠館動物慰霊センター12年の歩み。趣味のマラソン、俳句のことや愛犬花ちゃんのこと。好きな小説や映画の話し。

ドキュメント膵臓癌40~闘病

2011-02-27 15:25:30 | Weblog
2/27(日曜日)
間もなく、長く苦しかった入院生活が終わろうとしている。
つまりは闘いの緒戦を、なんとか凌ぎ切ったというところであろうか。
九年前、前立腺癌の告知を受けた際には、それほど大きな衝撃を受けなかったことを記憶している。
告知後一年間続けたホルモン療法の副作用には些か悩まされたが、術前の諸検査からも大きなストレスを受けるようなことは無く、淡々と手術の日を迎えた。
手術直後、ガスが出るまでの二三日は強い痛みに悲鳴をあげたが、その後はみるみるうちに回復し、術後十三日目に退院、更に二日後には仕事に復帰することができた。
従って、「癌と闘った」とか、「闘病生活を送った」という実感はまるで無かった。
しかし、今回はまるで違う。
告知から今日までの凡そ二ヶ月間、それはまさに病魔との闘いであった。
昨年末に膵臓癌の疑いありと告げられ、妻と二人して言葉もなく抱き合った、あの時の絶望感。
入院を待つ間も、次々行われる検査のストレス。
手術直後のICUで、声も出せず、身動きもできない状態で必死に耐えた、痛みと渇きと不安。
三週間に及ぶ絶食で体重が激減し、枯れ木のようになってしまった自分自身の姿を、鏡の中に見た時の大きな衝撃。
ようやく絶食を解かれてほっとする間もなく、十二指腸潰瘍を発症、さらには退院が決まりかけたその矢先、腰椎骨折で身動きできなくなり、一週間の絶対安静を強いられるなど、まるで伏兵のように次々と襲って来る合併症の恐怖。
改めて振り返ってみれば、実に手強い敵であり、苦しい闘いの連続であった。
そして、心身共にずたずたになってようやく、支え続けてくれた家族の元へ帰ることができる。
ゆっくりと静養に努め、いずれまた襲って来る敵に備えて、体力と気力を回復しなければならない。

ドキュメント膵臓癌39~腰部MRI検査

2011-02-26 07:56:14 | Weblog
2/25(金曜日)
午前中、急遽MRI検査を受ける。
MRIとはMagnatic Resonance Imageの略で、訳すと磁気共鳴画像と言うらしいが、そのメカニズムについては難解過ぎてさっぱり解らない。
耳栓をして検査台に横たわり、狭いドームの中に押し込まれる。
ガガガ、ビー、ガンガンガンなど、人間が嫌いなありとあらゆる音を、20分余りに亘って浴びせかけられる。
あと30分も続けられたら、恐らく気が狂うに違いない。
結果は退院後になる。
3/1の移転を控えて、院内が慌ただしい。

ウオーキング20周。便通なし。

ドキュメント膵臓癌38~コルセット装着!

2011-02-25 06:33:46 | Weblog
2/24(木曜日)
待望のコルセットが到着。医師の許可も出たので早速装着する。
ベッドに腰掛けてから、ゆっくりと立ち上がる。少し立ち眩みがした。
そして、恐る恐る歩いてみる。実に一週間ぶりである。まるで雲の上を歩いているような感じで、平衡感覚もかなり鈍っている。
ロビーまで行って、部屋に戻る。消灯までの間、休憩を取りながら10周歩き、ようやく感覚が戻った。
行き交う看護師らに、"よかったね~"と、声をかけられる。
3/1(火曜日)に新館へ移転するため、看護師長から部屋割りのことや移転の要領などについて説明を受ける。
しかしその直後主治医から、一旦退院して腰のMRI検査は外来で受けてもらっても良いということを伝えられ、妻とも相談して月内に退院することに決定した。
一抹の不安もあるが、長く苦しかった入院生活に終止符を打ち、やっと家族のもとに帰れるかと思うと、次第に喜びが込み上げてくる。

ドキュメント膵臓癌37~大放出!

2011-02-23 09:11:20 | Weblog
2/22(火曜日)
2:00頃、鎮痛剤を服用。
5:30頃目を覚ます。
8:00過ぎにやっと朝食がくる。
お腹がぐるぐる鳴り出したので、BIO、スティックパン、バナナとみかんのカクテル、アップルジュースを大急ぎで摂り、便器での排便に初挑戦。
新聞紙を敷いて、便器を差し込む。
尾骶骨の痛みをこらえつつ、更に尿器を便器の上に重ねるように手で支え持つ。こんな体勢ではとてもできないと思っていたが、なんとか用を足す。
モンキーバナナ大の便を三本排泄。色も健康的な黄土色で、改めてBIO効果を認識する。看護師に後始末をしてもらいながら、羞恥心というものは、いざとなればいとも簡単に捨て切れるものだと、妙なことに感心する。
昼食前に二度目の排便。やや軟便、量は朝よりも多い。
ろくに食べてもないのに、よく出るものだと思う。
16:00過ぎ、コルセットの採寸。明後日には装着できるらしい。
\51,448(内30%負担)
夕食前に三度目の排便。ほとほと疲れてしまった。
今日は鎮痛剤を、規定通りにきっちりと飲む。

ドキュメント膵臓癌36~安息

2011-02-22 07:35:33 | Weblog
2/21(月曜日)
2:00頃痛みで目が覚め、鎮痛剤を服用。7:00頃まで熟睡する。
スティックパン一本と野菜ジュースを半パック摂る。
やはり、痛みが無くなると、気分も晴れてくる。
10:00過ぎ、鎮痛剤を服用。
看護師に全身を蒸しタオルで拭いてもらい、下着を着替える。
昼食はピンポン球大のお握りを一個と、鮭の塩焼きを少し食す。
食欲も次第に出てきた気がする。
14:00過ぎ、妻来る。
持参した巻き寿司二個と、蜆汁、それにりんご少々食べる。
ドライシャンプーをし、買ってきてもらったシェーバーで髭を剃り、心身共にすっきりとする。
夕食も、お握り一個と野菜を少し食べる。
鎮痛剤服用。
21:00下剤を服用して就寝。

ドキュメント膵臓癌35~耐える

2011-02-21 10:29:33 | Weblog
2/20(日曜日)
朝から殆ど痛みはなく、寝返りも自由にできるようになったので、鎮痛剤の服用を止めてみる。
このまま痛みがなくなっていくのかと思いきや、午後からじわじわと痛みが強くなり、夜には限界点に達した。
痛みが強くなるに従って、精神的にも落ち込み始め、暗澹たる気持ちになる。
食欲は全く無く、便通もない。
大河ドラマ「江」を見終わって、痛みを堪えつつ眠りに付く。

ドキュメント膵臓癌34~長期戦の覚悟

2011-02-20 04:21:38 | Weblog
2/19(土曜日)
昨日は正に、悪夢のような一日であったが、病状や対処方法、治療方法などが明確になってくるに従い、長期戦を闘う覚悟も次第に整い、精神的には随分と楽になったような気がする。
昨日処方された鎮痛剤は、服用して15分~20分で効き始め、動かない限り4~5時間は痛みを忘れていられる。
一日四回服用するので、一日の大方の時間を激しい痛みに悩まされることなく過ごすことができる。
ただ、せっかくドレンが外れたにもかかわらず、食事には全く手が出ない。
ドリンクタイプのカロリーメイトを一缶、カゴメの野菜ジュースを一パック、それにBIOに蜂蜜を加えたもの一個を、かろうじて食べることができた。
排尿も、導尿に頼らず自力でできるようになった。
体を拭いて、下着を替えることもできたので、痛みの出ないあいだに眠りにつくことにする。
<今日の俳句>
指丸め花芽の大きさ語る妻
画像添え電子メールの梅だより
一年生用意万端名は陽奈子

ドキュメント膵臓癌33~THE LONGEST DAY

2011-02-19 09:07:08 | Weblog
2/18(金曜日)
朝食を終え薬を飲もうとした時にくしゃみが出て、その途端、腰に激痛が走りベッドに倒れ込んだ。そしてそのまま、身動き一つできなくなってしまった。
必死でナースコールを押して、痛み止めの点滴と主治医への連絡を依頼。
8:40点滴開始。効果なし。
11:30 更に座薬を注入。効果なし。
午後からCT検査を受ける。
ベッドからストレッチャー、ストレッチャーから検査台、終わればまた検査台からストレッチャーへ、そしてストレッチャーからベッドへと移される度に、脂汗が出るほどの激痛に見舞われる。
身動きが取れないため、夕方導尿(ペニスに細い管を挿入して便器に採尿すること)をする。尿意がないのに500mlも出る。
主治医来室。検査結果と今後の治療方針について懇切な説明を受ける。
■腰椎に骨折の疑いがあるため、週明けにMRI検査を行い、その結果を診て治療方法を決定する。
■痛みについては新たに薬を処方し、効果がないようであれば、更にレベルをあげていく。
■火曜日に技工士が来て採寸し、コルセットを作る。
■食事が十分に摂れなくなるので、点滴で補うようにする。

兎も角、当分は絶対安静を強いられることとなる。
マラソンで言えば、ゴール寸前まで来て、また20km地点へ引き戻されたようなものである。
萎えそうになる気持ちをもう一度奮い立たせて、目の前の壁を一つずつ乗り越えて行くしかない。

<今日の俳句>
春曙笑みを絶やさぬナースたち
冴え返る頭擡げし合併症
渡り廊下わつと抱きつく春の風

ドキュメント膵臓癌32~ドレン外れる!

2011-02-18 12:18:52 | Weblog
2/17(木曜日)
3:00過ぎまで熟睡のあと、うとうと。6:30起床。
髭剃りだけして、顔は蒸しタオルで拭いて済ませる。
ウォーキング5周。
朝食は手を付けず、ワッフルとBIOだけたべる。
10:00、腹腔内に挿入されていた二本のドレンが外される。
残るは点滴一本のみとなり、かなり身軽になる。
これで痛みや不快感が無くなり、食欲が出てくることを切に祈る。
13:00過ぎ、便通あり。相当頑張ってようやく、親指大の便が二本出る。黄土色。
午後、ウォーキング5周×2。
ひたすらベッドに横たわる。

夕食は粥半分、采少々。
9:00就寝。

<今日の俳句>
春の土踏む心地して長廊下
春光を溜めて点滴落ちにけり
手術痕指でまさぐる春の闇

ドキュメント膵臓癌31~二重苦

2011-02-17 07:17:18 | Weblog
2/16(水曜日)
3:30頃まで熟睡。その後は腹痛と腰痛の二重苦で、うつらうつらして6:30頃起床。
必死の思いで洗顔を済ます。
朝食は全く手を付けず。
昨日は全く歩かなかったが、腰に響かないように気をつけながら、10周歩く。
11:00妻と三女、ワッフルとBIO、鰹ぶしを持って来てくれる。
三日ぶりにシャンプーとシャワーをしてもらう。爽快!
腰部レントゲンを撮る。

昼食の粥に鰹節をかけて、なんとか半分ほど食べる。
どういう訳か時折、ふと痛みが消える時がある。その時は、本当に幸福感に満たされる。

レントゲン検査の結果、脊椎や椎間板には異常は見られないとのこと。一安心である。
便通なし。
夕食も全く手が付けられず、ひたすら安静に努め、21:30就寝。

<今日の俳句>
憂い一つ喜び一つ春うらら
帰りゆく妻の背中や春の宵
春愁や皮膚の余りし脹脛