高知ファンクラブ

“高知をもっと元気にする”ボランティア集団、「高知ファンクラブ」のブログです。

連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ(その3)

2011-09-07 | 2011年2月~の記事

連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ

 (その3 生き物にはそれぞれに生きる場所がある ②カマキリの生きる場所へ)

 

       高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第16巻第1号)より転載〕

 

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生命の尊さと生命のつながりを学ぶ 

 

 すくすくの森には多くの生命の営みがあります。その生命の営みに囲まれて子どもたちは一日を過ごします。草花を摘み、虫や小さな生き物を追いかけ、捕まえて遊びます。その行為が相手の生命を奪っているとか、そこに暮らす動植物の生命の営みに影響を及ぼすなどとはその時は気づきません。 

しかし、虫や小さな生き物に対する親しみが増すに連れて、彼らにも家族がいるに違いないと考えるようになったり、なぜ草花はそこに咲くのだろうと考えるようになります。そして先生と一緒に「どうしてかな」と考えたり、絵本や図鑑をひもときます。そのなかで、自然の中にあるものは、それぞれに役割があり、つながりあって生きているということがわかるようになります。 

すると子どもたちは、段々、むやみに花を摘んだり、虫を捕まえて乱暴に扱ったりしなくなります。以下では、子どもたちが実際に生命とかかわる中で、何を感じ、何を学んでいくのかについて述べていきたいと思います。 

 

2 生き物にはそれぞれに生きる場所がある 

 

  

 

 マキリの生きる場所へ

 

 沈の時間が数十秒流れました。(後で担任は、その数十秒がとても長いように感じたと言っていました。)そしてその沈黙を破るようにF二くんが、「そうしよう」と言い、続いてみんなが頷いて「そうしよう」ということになりました。

そう決まると、出来るだけ早くしないとカマキリは全滅すると言い出しました。「今日、行かんといかん」(今日、いかないとだめだ)とF二くん。「そうで!!」そうしないとどんどんカマキリがおらんなる、どうにかしてくれと言わんばかりに訴えだした子どもたちに担任は、「ちょっと園長先生に相談してくるから、待っていてください」と言って職員室にやってきました。

 

担任は子どもたちに部屋で待つように言ったのですが、担任の後には、子どもたちが連なっていて事の行方を心配そうに見つめていました。私は時計を見て、その時間があるかどうか担任に聞きました。担任はしばらく考えて、今からお山に行って、カマキリを返して帰ってきたとしたら、昼食時間は30分だが、それで食べ終えて帰る支度が出来るのかどうかと子どもたちに確かめました。

 

全員が顔を見合せ、いつも昼食に時間のかかる何人かに多くの目が注がれました。注目された子どもたちは「僕大丈夫で」「私もはやく食べる」「頑張る」等と答えました。「じゃ、みんなで園長先生にお願いしてください」と担任に促されて、まるで調子を合わせるかのように「園長先生お願いします」と子どもたち。

 

「わかりました。今から森にいるバスのおじちゃんにお願いして用意が出来たら呼びますから、お部屋で待っていてください」と答えると、子どもたちは「ヤッター!!」と喜びの声を上げ、近くの友だちと「よかったね」と言い合いながら保育室へ帰っていきました。

 

 それから、飼育箱を誰が持つかで騒動が起こりましたが、すったもんだ言っているうちに、やっぱりカマキリの卵を見つけて、毎日みんなにカマキリのことを教えてくれたK季とR太が持っていくことになりました。バスの用意もできて、みんなで意気揚々とバスに乗り込み、森へと向かいました。

 

 

 

森に着いて、カマキリの卵を見つけた場所に行き、一人ひとり、そっとカマキリを手のひらに乗せて、別れを惜しむようにカマキリを草原に返していきました。「元気でね。」「大きくなってね。」「また会おうね。」などと言う子どもたちの声に、担任も私も目頭が熱くなってことを今でも覚えています。

 

 このエピソードは、保育者を通じてクラス便りやつき組の子どもたちから、他のクラスや先生に口々に伝えられていきました。そして、「カマキリはね、森でしか生きていけんがで。」から年を経ていくうちに、「虫はね、森でしか生きていけんが。」になって行きました。それ以来、誰かが虫を捕まえて持って帰ろうとするのを見ると、別の誰かが「持って帰られんがで。」と言うようになりました。先生も、折に触れて子どもたちにそのエピソードを語り聞かせるようになっていました。

 

 先生から子どもたちへ、子どもたちから子どもたちへと伝えられていくこのエピソードを、なぜか子どもたちはすんなりと受け入れて「虫はね・・・。」と言われると、素直に虫をもとの草原に戻してバスに乗り込みます。虫には、虫の生きる場所があり、生きていく術があることを知っていく子どもたちは、友だちの関係の中でも、相手の立場に立って物事を考えるようになっていくのではないかと思っています。

 

 

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HN:ちるどれん  

かしこくて、たくましい子どもに育てる(高知市・若草幼稚園の実践) 

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高知大学から23年度秋の公開講座・・・メタンハイドレートについての講座

2011-09-07 | 2011年2月~の記事
 高知大学から23年度秋の公開講座のご案内をいただきました。
その中に、メタンハイドレートについての講座が開催されます。
 
友人知人に声をおかけください。
 
 
講座名<高知県の河川から土佐沖への物資流入とメタンハイドレートの形成>
  
・日時:23年度11月2日(水) 13時30分~15時まで
 
・講師:村山 雅史さん(高知大学の先生)
 
・場所:総合あんしんセンター(高知市民病院跡にできた建物)
 
・申し込み・受講料:不要・無料
 
・主催:高知大学国際・地域連携センター
     電話・088-844-8454
 
 
他にも・・・メタンに関係ありそうな講座は?
 
講座名<土佐湾の海底地形・地質とコアから読み取る環境変動>
 
・日時:23年10月26日(水) 13時30分~15時
 
・講師:池原 実さん(高知大学の先生)
 
・場所:総合あんしんセンター
 
・申し込み・受講料:不要・無料
 
・主催:高知大学国際・地域連携センター
    電話・088-844-8454
 
 
 
根木勢介  携帯:090-2825-2069
      PC:negi-600@me.pikara.ne.jp
 

男も(女も)持つぞ!!マイバッグキャンペーン2011参加者募集中です。

2011-09-07 | 2011年2月~の記事

 

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 高知県地球温暖化防止県民会議県民部会では、マイバッグ持参での買い物によるレジ袋の削減で温室効果ガス(CO2)の排出抑制を目指し、平成21年度から2年間実施した「男も(女も)持つぞ!!マイバッグキャンペーン」を今年度も開催します。
【申込・参加資格】
参加は県内の団体および事業所(部課等のグループ単位でもかまいません)※要事前申込

【取組内容】
 10月1日~11月30日の期間中に量販店・コンビニエンスストアー店頭で買い物をした際にレジ袋を断った回数をカウントしていただき、期間終了後に断った回数をグループで集計して事務局に提出していただきます。

 

【表彰】
 集計結果は高知県地球温暖化防止県民会議県民部会ホームページで公表させていただくとともに、成績優秀な団体につきましては、高知県地球温暖化防止県民会議総会で表彰させていただきます。(例年、総CO2削減量1位、一人当たりCO2削減量1位の団体を表彰させていただいていま
す。)
【問合せ・申込み先】
高知県地球温暖化防止県民会議県民部会事務局 (特定非営利活動法人環境の杜こうち)
TEL:088-802-2201 FAX:088-802-2205 email:center@ecolabo-kochi.jp
※キャンペーンの要綱・申込用紙等は事務局ホームページ
http://npo-kankyonomori.com/kenminkaigi/green.html をご覧ください。
 マイバッグチラシ(最終).pdf


□□□□ 第5回地域文化のデジタルアーカイブ講座案内 □□□□

2011-09-07 | 高知県地域づくり支援課

 地域の文化(風景や人々の記憶も含めての文化)がどんどん失われていっている事に、

これで良いのだろうか...と思い、始めた「地域文化のデジタルアーカイブ講座」、今回で第5回目となります。

 311日の東日本大震災による町や暮らし、歴史史料等の崩壊、消失。日常のそして住民による記録の重要性が改めて言われています。
 大震災の津波により、地域の街並みの写真や貴重な古文書が失われてしまいましたが、デジタルデータやアーカイブ化がなされていた事で、これらの記録を保持できたといった報告もあるそうです。

 

地域文化の記録は、地域の財産です。

 

 この様な社会的背景も踏まえて、

911日に「第5回地域文化デジタルアーカイブ講座」を開催いたします。

是非とも、多くの方にご参加頂きたいので、ご案内をさせて下さい。

お知り合いの方で、興味がありそうな方がいらしたら、お誘い下さい。

 

〔開催日・場所〕
2011911日(日)

高知県立図書館3階 大会議室

〔プログラム〕
13
00     受付開始
13
30     開会挨拶 
13
351340 講座の趣旨説明
13
401510 地域文化アーカイブズと歴史学~現代を記録し、

                歴史資料として残すために
        講師:藤田雅子(土佐山内家宝物資料館 学芸員)
15
101525 休憩
15
251625 ワークショップ
        残しておきたい高知の暮らし、風景そして記憶...
        講師:大野加惠
残しておきたい暮らし、風景等の写真ファイルのご提供を

  お願い します。
 申込者に詳細はご連絡致します。
1625 閉会挨拶 竹村昭彦(土佐学協会理事長)

詳細なご案内&申込書は下記をクリックしてご覧下さい。
http://www.rigulife.co.jp/DA_club/201109-DA.pdf

〔お申込〕
入力フォーム
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dE81R2p1dGNPMHRULVdJMVRYemNCdVE6MQ

 

または、申込書に記載してある方法(FAX)でお願いします。

 

 

HN高知県地域づくり支援課