和歌(やまとうた)は、人の心を種として、万(よろず)の事(こと)の葉とぞなれりける。世の中にある人、事・業(わざ)しげものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひだせるなり。花に咲く鶯(うぐいす)、水に住むかづの声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男(おとこ)女のなかもやはらげ、猛(たけ)き武士(もののふ)の心をもなぐむるは歌なり。 「古今和歌集」仮名序 紀貫之
五感を通して感じる「美しい」という心の働き、感性のはたらきを、言葉という知性の働きで濾過することにより、感性をさらに豊かな、細やかにする言葉にはそういう力もあるのです。
「あなたが花になる美しい日本語」丹生谷真美著 主婦と生活社
美しい言葉、深い教養。
この本からは、この方のオーラを感じる。