社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月12日(金)

2014年09月20日 21時54分38秒 | 2014年

  4時起床。4時半にホテルをチェックアウトし、タクシーに乗って空港へ向かう。空港に着いたのは4時45分。タクシーの運ちゃんがめちゃくちゃ飛ばしたため、あっという間に着いてしまった。しかし、おかげで早く着きすぎてしまい、まだ誰もいない。

  エアバガンというミャンマーの航空会社の便を利用し、バガンへ行く。バガンは、世界三大仏教遺跡群のひとつである。飛行機は当然のようにプロペラ機。ミャンマーの国内線は遅延や欠航のオンパレードと聞いていたが、定刻通り06時20分に出発してくれた。これで一安心である。ちなみに、乗客を飛行機まで運ぶバスは、日本の中古車両が使われていた。ミャンマーで走っている自動車は大半が日本製で(トヨタ車がダントツで多い)、バスも大半が日本の中古品である。塗装や内装もそのままなので、一目瞭然だ。

  楽しみにしていた機内食は、予想外に洒落たものだった。普通に美味しい。また、CAさんがこれぞというアジアンビューティーで、ついつい目で追ってしまった。彼女をナンパできるだけの英語力が欲しいと、心の底から思った。

  1時間ほどでバガンのニャウンウー空港に着き、タクシーに乗ってホテルへ向かう。その途中で、「シュエズィーゴォン・パヤー」に寄ってもらった。バガンを代表する仏塔のひとつで、これまた金色が美しい。朝日に照らされて光り輝いている。こればかりは、どれだけ眺めていても飽きない。

  そのままホテルに向かおうと思ったのだが、タクシーの運転手さんが「有名じゃないから普通の観光客は行かないんだけど、景色の良いパヤーがあるから」と、寄り道してくれた。バガンにはとてつもない数の仏塔や寺院があるので、全てを見て回ることはとても無理なのだが、現地の人のおすすめというのがいくつかあるようだ。実際、その仏塔の上からの景色は素晴らしく、周囲を一望することが出来た。この景色を見るだけでも、バガンへ、いやミャンマーへ来た甲斐がある。

  一度ホテルにチェックイン。今回は、ちょっと奮発をして、「Bagan Thande Hotel」というリゾートホテルを予約した。これが予想を超えて素晴らしいホテルだった。部屋は個別の建物だし、部屋も広く、何と目の前には大きな川が流れている。本来なら、数日泊まってまったりしたいところだ。

  ホテルで自転車を借り、散策に出かける。まずは、「ゴドーパリィン寺院」へ。中へ入ろうとしたところで、「こんにちは」と片言の日本語で話しかけられる。振り返ると、美少女が立っている。「こっちに良い写真の場所があります」と、通常とは違う入口へ案内される。このパターンは大体何かを売りつけられるので通常であれば断るのだが、美人に弱い私は思わず付いて行ってしまった。そして、彼女は一通り良い写真スポットを案内してくれた後(実際に良いスポットだった)、予想通り絵葉書を広げ始めた。絵葉書を指しながら、「ここが何々、ここが何々」と説明してくれる。そして、美人に弱い私は、これまた予想通り、その絵葉書を購入した。良い絵葉書だし、めちゃくちゃ安い値段なので何てことはないのだが、何かに負けた気がする。

  彼女と別れ、お寺の中に入る。中は神聖な空気で包まれているが、仏像の顔が何となくおかしくて、ちょっと和む。色々と写真を見てもらえばわかるが、ここに限らず、ミャンマーの仏像には変わった表情をしているものが多い。こういった表情は、いったいどのような感情や想いを表現しているのだろうか。

  続いては、「シュエグーヂー寺院」へ。先ほどに続き、ここでも入口でお土産屋さんの女の子に捕まる。別にスルーすればいいだけの話なのだが、見事に捕まってお寺を案内してもらう私。しかし、彼女の言うとおり、ここの上からの景色は素晴らしく、思わず「すげー」と声が出るほどだった。ちなみに、彼女が売っているのは現地の小物だったので、ここでもひとつ購入した。バガンの漆塗りの小物入れで、名刺保管に使えそうなものだ。それも全然安いからいいんだけど、やっぱり何かに負けた気がする。でも、かわいかったし、まあいっか。

  ちなみに、私がお土産売りの人から買ったものは、予め買うと決めていたなど自らの意志で購入した場合を除けば、上記の2か所だけである。それは、彼女たちがかわいかったからというのもあるが、その売り方が上手だったからである。1人目の彼女は写真スポットを細かく教えてくれたし、2人目の彼女は30分ほどかけて熱心に案内をしてくれた。ただ「これを買ってよ」というのではなく、きちんと相手のニーズを満たす努力をしているのだ。それ以外にもたくさんのお土産売りにアプローチをされたが、ただ商品を持って追いかけて来るだけで、彼女たちのように上手い人は現れなかった。彼女たちはルックスに甘えることなく、しっかりと売るための戦略を立て、それに基づいた努力をしているのである。

  自らの色ボケっぷりに少しばかり言い訳をしたところで、続いては「タビィニュ寺院」へ。バガンで最も高い寺院らしい。確かに、これまでと比べて力強さがある。おそらくそれは高さだけではなく、全体的に角ばった造りとなっていることもあるのだろう。

  自転車を走らせ、バガンを代表する寺院で、最も大きく美しいと言われている「アーナンダ寺院」へ。有名なだけあって、この寺院は本当に見どころが多かった。大きな仏像の存在感はもちろん、壁という壁に仏像が埋め込まれている様子が圧巻で、何とも言えない不思議な雰囲気を醸し出していた。現地の方々に混ざって仏像の前に正座をして目を瞑ると、本当に心が落ち着く。

  アーナンダ寺院の前にある屋台で休憩。さとうきびのジュースを飲む。沖縄でも飲んだことがあるのだが、その時のものより甘さが強く、しかし爽やかさも損なわれておらず、結局2杯も飲んでしまった。

  バガンの中でも、オールドバガンと呼ばれる地域は考古学保護区となっており、城壁で囲まれている。私のホテルはその中にあるので既に入っているのだが、せっかくなので再度自転車でタラバー門を通って中に入る。ここが、正式なオールドバガンの入口。

  川岸へ移動し、「ブー・パヤー」へ。円筒形のかわいらしい仏塔で、他の仏塔たちとは少し雰囲気が違う。川沿いということもあって、開放的な空気が流れている。ちなみに、この付近から船で観光することも出来るらしい。

  昼食は、道端のレストランで。家族経営のレストランで、まったりとした雰囲気が良い。メインでマトンカレーを頼んだら、とんでもない種類の副菜がついてきた。その中で、とうもろこしのようなものと、カリフラワーを卵で炒めたようなものが特に美味しかった。もちろん、マトンカレーも。更に、サービスで出してくれたバナナが、日本で食べるものとは少し違う味だった。小さな種も入っているし、甘さの種類が何となく違う。でも、美味しい。ちなみに、これだけ食べて、値段は3,000チャット(300円)。

  腹ごしらえも済んだところで、一度ホテルに戻って休憩。一番暑い時間帯は、避難するに限る。


お馬さんも休憩。

  昼寝をして、16時過ぎに活動再開。今度は地図を一切見ず、思いのままに自転車を漕ぐ。途中で見つけた仏塔で、私の他に誰も人がいなくて少し不安もあったのだが、中の空気が澄んでいて、とても気持ち良かった。

  何の気なしに自転車を漕いでいるとそれが当然のように思われてくるのだが、遺跡以外にも、普通に景色が雄大で気持ち良い。何にもない場所で立ち止まると、自分が日本からとても遠いところに来ていることを実感する。これぞ、非日常。

  日が暮れてきたところで、夕日見物の有名スポットである「シュエサンドー・パヤー」へ移動する。ここは塔の高いところまで上ることが出来て、そこからの景色が本当に絶景なのだ。日が沈む少し前から上ったので、まずは日中の景色を楽しむことが出来た。ここからの景色は特別過ぎて、現実に目の前に広がっている景色とは思えないほどである。ぼーっと眺めているだけで、幸せ。

  日没が近づくにつれて、どんどん人が増えてくる。そして、夕日に照らされる遺跡群の様子は、一瞬でも目を離すのがもったいないほど幻想的なものだった。また、ここでインドネシアから来たアレンという男の子と仲良くなったり、定年度にミャンマーへボランティアをしに来ているというOさんという日本の方と知り合い、色々と話をした。こういう出会いも良いものだ。これも夕日のおかげである。

  夕食は、ホテルへ戻る途中にあるレストランで。よくわからない現地のジュースを飲み、あっさりスープの麺と牛肉の炒め物を食べる。このミャンマー旅行で、唯一きちんとしたレストランでした食事である。素朴な味付けで美味しい。

  真っ暗な夜道を自転車で走り、ホテルへ戻る。街灯はあるが、ほとんど前が見えない。しかし、不思議と怖さはない。

  シャワーを浴びて汗を流し、バルコニーで真っ暗な川を眺めながら翌日の計画を立てる。その後、ベッドでゴロゴロして少し夜更かし。リゾート気分を満喫した。


9月11日(木)

2014年09月20日 19時41分43秒 | 2014年

  6時起床。シャワーを浴びて身支度を整え、7時前にホテルを出る。まずは、朝のヤンゴンの街を散策。


日本でいう公衆電話的な位置づけなのだろう。

  一通り歩き回ったあとで、道端の屋台でココナッツ味の甘いスープを朝食にする。昨日と同じお米の麺がサラサラで、ココナッツの甘さも相まってどんどん入っていく。しかも、甘いといっても甘ったるいわけではなく、さっぱりとした甘さだ。これは美味しい。食べている間にも、近所の住民が絶えずやって来て、テイクアウトしていく。人気店のようだ。これは大当たり。

  タクシーに乗り、ミャンマー最大の仏教聖地と呼ばれている「シュエガゴォン・パヤー」へ。このパヤーのスケールは、圧巻の一言である。巨大な金色の仏塔の存在感が半端ない。また、この時点で朝の9時前だというのに、多くの人が熱心にお祈りしていた。昨日も感じたことだが、この国に人々の仏教信仰は、本当に強固である。しかし、それは日本で一部見られるような各種宗教信者の少し怪しい陶酔という感じではなく、日常の一部となっている自然な感じがあった。

  ここでは、ミャンマーの伝統歴「八曜日」に従って礼拝する。人々の生年月日によって曜日が決まるのだが、私は金曜なので、北にある祭壇にお祈りすることになる。花やロウソク、お線香を供え、祭壇に祭られている仏像に水をかけてお参り。水は3回かけ、それぞれに健康や成功など意味があると親切な方が教えて下さったのだが、もう忘れてしまった。しかし、現地の風習にならって行動するというのは、不思議な体験であると同時に、何だか非常に神聖な行為であるように感じられた。


各曜日には象徴となる動物がいて、金曜はモグラ。

  再びタクシーに乗り、日本人墓地へ。第2次世界大戦の際にミャンマーで亡くなった日本人(約19万人と言われている)の鎮魂を祈って建てられたもので、現地の方々の管理のおかげで綺麗かつ穏やかな雰囲気が保たれている。「ビルマの竪琴」を読んだばかりなので、ここに来ないわけにはいかなかった。たくさん並んでいる墓碑をよく見ると、当時亡くなった方々だけでなく、最近亡くなった方のものもある。当時ミャンマーに派兵されていて戦争を生き延びた方々が、その後亡くなった後で、遺骨の一部をこちらに持ってきたようだ。彼らにとって、当時の体験や一緒に過ごした仲間の存在というのは、それほど大きなものなのだろう。


この写真は、タクシーの運ちゃんが知らない間に撮っていた。

  再びタクシーに乗り、ヤンゴン中央駅へ。本当は、せっかくなので電車に乗ってみたかったのだが、ダイヤがめちゃくちゃなので時間がよめないのと、私が乗ろうと思っていた路線はそもそも外国人旅行客の乗車を想定していないらしく、英語の案内すらなかったので、断念した。更に言えば、思っていた以上に客車のレベルが低い。座席が悪いとか、クーラーがないくらいは事前情報として持っていたが、車内の臭いがかなりきついのだ。これに何時間も乗るのには抵抗がある。そのため、駅や電車の様子を眺めるだけにしておいた。

  ちなみに、以下の3枚は座席の写真である。ランクが高い順に掲載するが、最高ランクのものでも…。

  列車が到着すると、一瞬だけ活気づく。

  歩いてダウンタウンを目指す。駅を出てすぐのところに、マンチェスター・ユナイテッドの3選手を起用した広告看板が出ていた。でも、香川選手はもういないんだよ。

  昼食は、ミャンマーのカレーを食べる。ミャンマーのカレーは辛くなく、カレーというよりも”油煮込み”という感じである。ただ、このように言葉で表現すると何だかあまり美味しくなさそうだが、めちゃくちゃ美味しい。確かに脂っこいのは間違いないが、ガツガツ食べられる。どう美味しいのか、どういう味なのか、うまく言葉で表現できないのが残念だ。ちなみに、今回私はマトンカレーとスパイシーチキンカレーの2種類を試した。どちらも美味しかったが、中でもマトンカレーは絶品だった。これをきっかけに、私は何かにつけてマトンカレーを食べるようになったくらいである(マトンカレーは3枚目の写真)。

  続いて、喫茶店に入ってみる。タイのアイスティーやベトナムのコーヒーがとにかく甘かったので、ある程度予想していたのだが、このコーヒーもびっくりするくらい甘かった。甘いのが大好きな私が甘いと感じるのだから、相当だろう。しかし、これも変な甘ったるさではなく、ミルクのようなまろやかな甘さである。


お茶は無料でついてくる。

  この時点で時刻は14時前。気温がグングン上がってきた上、雨も降ってきたので、一度ホテルへ避難して休憩。2時間ほど爆睡する。

  エネルギーを補給し、夕方から再度街を散策。ちょうど夕飯用の買い物の時間らしく、道の市場では様々な食料品が売られていた。数メートル歩けば、ほとんどのジャンルの食糧が手に入る。超活気のある路上寄せ集めスーパーといった感じだ。

  たまたま見つけた小さなお店で夕食。何を食べようか迷った結果、結局マトンカレーを注文する。せっかくだから色々と新しいものに挑戦すればいいのにと思いつつ、その誘惑に耐えられなかった。そして、やっぱり美味しかった。なんでこんなに美味しいんだろう。

  とある喫茶店の前のショーケースに綺麗なケーキが並んでいたので、さっそく入ってみる。普段は観光客が入るようなお店ではないようで、入った瞬間に店内のお客さん全員の視線を浴びた。しかし、だからといって居心地の悪さは全くなく、むしろ気を遣って席を用意してくれたり(満席だったので相席にしてくれた)、無料のお茶を回してくれたりした。ありがたし。ちなみに、ここのコーヒーは普通に苦いコーヒーだった。また、肝心のケーキだが、見た目は確かに綺麗なものの、味はいまいち。なぜか、甘さ控えめだった。


これは、食べたらその分お金を払うシステムのパン(?)たち。

  お腹をパンパンにして、夜の街の散策に戻る。夜になると至るところが野外食堂になっていて、賑やかだ。中には、サッカーのパブリップビューイングが行われている一角もあった。まだ全ての家庭にテレビがあるというわけではないのだろう。

  街の至るところにあって昨日から気になっていた種類の露店がある。葉っぱを並べてその上にいろんな粉をのせて巻き、売っているのだ。「葉っぱ」「粉」というイメージから、何となくやばいものなんじゃないかと思ったりもしたのだが、それにしては至るところで堂々と売っている。「やばい薬だったらどうしよう」などと思いつつも、せっかくなので一袋購入し、おじさんにどうやって味わうのか(そもそも味わうものなのか)を聞いたら、そのまま口に入れて噛む(吸う?)ものだという。言われるがままにやってみると、何だか甘いようなさわやかなような味がした。どうやら、ガムのようなものらしい。やばい薬じゃなくて良かったような、拍子抜けしたような。ちなみに、味は決して美味しいとは言えない。

  明日は朝が早いので、早めにホテルに戻って就寝。旅行にしては珍しく、健康的な生活である。


9月10日(水)

2014年09月20日 18時09分59秒 | 2014年

  今日から4泊6日で、ミャンマーへ旅行に行く。なぜミャンマーを選んだかというと特に理由はないのだが、休みが取れたタイミングで、たまたまミャンマーへの直行便が就航しているという話を耳にしたので、行ってみることにした。

  5時半起床。身支度を整え、荷物の最終確認をして、6時半過ぎに家を出る。

  大船駅07時09分発の特急成田エクスプレス11号に乗り、成田空港へ。

  成田11時00分発の全日空NH913便に乗り、ヤンゴンへ。フライト時間は約7時間。非常口の座席だったので足元が広く、機内もガラガラで隣も後ろも空席だったため、快適に時間を過ごすことが出来た。また、機内食のすき焼き風料理が機内食レベルを大きく上回っており、驚かされた。これがコンビニで売っていたら、間違いなく定期的に買うと思う。

  ヤンゴン国際空港には、現地時間の15時半頃に到着。とりあえず、空港で事前に用意してあった300$(米ドル)を現地通貨(チャット)に両替する。レートは、1$=978チャット。大体、1チャットが0.1円ということだ。そのため、結構な額を一気に両替すると、とんでもない厚さの札束を手にすることになる。何となく、お金持ちになった気持ち。

  空港からタクシーに乗り、とりあえずはダウンタウンにあるホテルへ向かう。所要時間は約1時間。料金は8,000チャット。やっぱり安い。

  ホテルにチェックイン。「Hotel Grand United 21st Downtown」というホテルで、料金は1泊6,000円強。ヤンゴンはホテルの値段だけは高騰しているので、この値段は中級クラスに当たる。事前情報では、このクラスだと部屋はあまり綺麗じゃないし、お湯もあまり出ないし、何なら茶色い水が出てきたりもすると聞いていた。しかし、このホテルは綺麗だし、お湯もしっかり出るし、水も(少なくとも見た目は)綺麗だ。しかも、ホテルのスタッフも皆さん親切で、何ならおせっかいなくらい。ちなみに、これは後からわかったことだが、このホテルに限らず、ミャンマーの人は基本的に友好的で、おせっかいなくらい親切である。

  ホテルに荷物を置き、さっそく散策に出かける。建物を出た瞬間に感じるのは、香り。そう、この独特の香りが好きで、旅行先を東南アジアにしたのだ。そして、これまた東南アジア感満載の活気溢れる街の風景。建物、車、道行く人々、お店や露店、そこで売っているもの。目に入ってくる全ての光景が新鮮で、ワクワクする。ちなみに、気温は思ったほど高くない。日本の真夏ぐらいか、それより涼しいくらいである。

  せっかくなので、街の中心にある「スーレー・パヤー」に行ってみる。「パヤー」というのは仏塔という意味で、寺院とは明確に異なるものである。お坊さんがいるわけではなく、在家の寄進によって成り立っており、彼らがその全ての運営を行っている。仏教施設でありながら、お坊さんが一切介在しないのである。仏塔の中に仏舎利などが納められており、その塔自体がお釈迦様の化身として礼拝の対象となっている。金色の仏塔は存在感抜群で、ついつい目を奪われてしまう。そして、その周囲では、老若男女、様々な人が祈りを捧げている。中には、高校生くらいの集団がお祈りをして、そのままその場所に居座っておしゃべりにいそしんでいたりする。それほど、人々にとって身近な場所なのだろう。

  ちなみに、私はこの付近で英語の達者な少年に声をかけられ、このパヤーを案内してあげると先導されたが、勝手に金箔を持ってきて貼らせてお金を要求されたりするので、これから行く人は気を付けたほうがいい。ただ、「お前が勝手に持ってきたんだからお前が自分で払え」と強く突っぱねることが出来れば、それほどしつこく付きまとってはこない。

  パヤーを後にする頃には、辺りはだいぶ暗くなっていた。そうなると、街の雰囲気も大きく様変わり。ディープな東南アジア感が更に増す。とりあえず、道端の露店で現地のタバコを買い、吸ってみる。本物の葉で巻かれたタバコで、私が普段タバコを吸わないからかもしれないが、かなり強烈だった。

 

  夕飯は、ホテルに戻る道に出ていた屋台で。何となく良い香りがしたのでふらーっと寄って行ったら、お店のおばさんがにっこり笑って席を進めてくれた。出て来たのは、麺物。これが有名なモヒンガーなのだろうか。見た目はかなり脂っこいし色も濃いが、味は案外あっさりしていて美味しい。しかも、値段は300チャット(30円)。

  続いては、揚げ物屋さんへ。並んでいるお肉をその場で揚げてくれる。せっかくなので、全種類をひとつずつ揚げてもらった。このお店のおじさんも笑顔が優しい。値段は3本で1,500チャット(150円)。さっきが安すぎて、何だかちょっと高く感じる。しかし、熱々で美味しい。まあ、何のお肉なのかはよくわからないが。

  夜の街を散策し、小さなスーパーに寄って現地のお菓子を買ってからホテルに戻る。何となく買ったアイスクリームが美味しかった。ちょっと変わった味のバニラアイスに、何かはよくわからないのだが歯ごたえのあるものが入っている。


先ほど購入したタバコ。1本1本がきちんと包装されている。

  それほど暑くないとはいうものの、やはり日本よりは暑いし湿度も高いので、体力面を考慮して早めに就寝。そのタイミングになって初めて気づいたのだが、この部屋には窓がなかった。まあ、別にいいんだけど。