散日拾遺

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海の向こうの懲りない面々

2014-09-26 07:58:14 | 日記
2014年9月25日(木)
 アメリカが、またやっている。

 敵Aを倒すために、Aと対立するBにテコ入れする。
 首尾良くAを倒したときにはBが巨大化しており、今度はこれを敵としてCをテコ入れする。あるいは倒したAにテコ入れして復活させる。
 彼の国の「外交」は、この式の連続で、歴史的な連鎖の最初のAとBが日本と中国であったことを以前に書いた。
 それで当方の失敗や落ち度を正当化するつもりはないが、このやり方自体は実に拙劣かつ迷惑なもので、特に中東では次々に大きな悲劇を育ててきたこと疑いない。

 しかるに、

 イスラム国を打倒するため、これと対立する勢力に武器供与を推進する云々とオバマ大統領。これと全く同じ発想でフセインのイラクを育て、後に同じ相手を悪魔と見なして退治に大汗かいたのだ。またやるんですかと思いながら出かけ、帰って夕のニュースを見たら。
 大統領の国連での演説を、英・仏や日本はもちろん歓迎。いっぽう、ロシアや中国がこれに批判的なのも当然の流れとして、中国の軍事評論家の主張に少々注目。イスラム国の勢力伸長の背景を作ったのは他ならぬアメリカではないか、自分が蒔いた種は他人を巻き込まず、自分の責任で刈っていただきたい、というのである。
 
 たぶん、その通りなのだ。
 アメリカ主導の国際社会における中国の野党的役割が、珍しくも頼もしく見える一瞬であるが、おかげで話はかえってややこしくなる。頼もしい野党というよりは、乱暴者のゴリラ君なんだからね、実際。
 それはともかく、僕らが現実にどういう選択をするにしても、アメリカのやり方の危うさはよく知っておく必要がある。イスラム国が鎮静した後(それ自体、そう簡単にいくとも思えないが)、アメリカの手で強化された勢力が間違いなく次のトラブルメーカーになるだろう。際限のないマッチポンプの連鎖の背後で、笑いが止まらないのは軍需産業ばかりという悪魔の図式である。

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