『冬のソナタ』を読む
「いつもその場所へ」(p145~172)
3 小さな明かり
ユジンは、ミンスの答えを聞かずにヨンヒ役を下りる。同時に、戻るべき〈自分の物語〉を失い、迷子になる。
*
<どれくらい泣いたのだろうか。ユジンを照らす小さな明かりがあった。誰なのかはわからないが、間違いなく自分に向かって近づいて来た。
(上p163)>
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チュンサンは、ミンスを演じることで素直になれた。だから、勘が働いて、迷子のユジンに遭遇できた。
サンヒョクは勘が鈍い。彼は素直ではない。彼が探しているのは、ユジンではなかった。彼が探しているのは、ずっと前から迷子の彼自身を探し出してくれるヨンヒだ。
(終)