ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
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月夜の笑まい 詩 L

2024-07-05 00:25:35 | 

  月夜の笑まい

   詩 L

夕暮れの市場で見え隠れした

因果

指先で手まさぐると

そいつは男の肩になった

ので

あたしときたらばしめやかに

優しい小動物に戻ってやった

うしろめたいような風が頬をさすり

猫が一匹 月のお山に駈けていった

月はひたすら冴え冴えて

淫らな笑まいを降りそそぐ

 

めくるめく渦中に

また行ってしまった 小手先の淫蕩

かすかな痛みは遠のく汽笛でごまかした

 

兩切り煙草を口にくわえて

黄泉の国まで行こうなら

あたしの口紅は

いつだって赤い

(終)


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