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(書評)    岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)

2024-07-14 21:47:41 | 評論

   (書評)

   岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改   訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)

(13)整数を分数に(p96~97)

無知は、恥ではない。

こざかしい智に走らないこと。技巧に走らないこと。また、そのさま。

(『日本国語大辞典』「む‐ち【無知・無智】」)

「智に働けば角が立つ」(N『草枕』)という、この文そのものが「こざかしい智」の表れだ。普通に知が働けば、角は立たない。角が立つのなら、「こざかしい智」だ。Nはそのことに気づかなかった。〈自分は普通のことも知らないようだ〉といった反省すらできなかった。文豪伝説の信者には普通の知が足りない。

偽ドラえもんにも足りない。

3÷1=3/1

(p96)

これを教えた後、偽ドラえもんは、「3=□/2」(p96)の解き方について、次のように語る。

「直す整数×直す分母=分子」にすればいいんだよ。

(p97)

またもや暗記だ。

3÷1=□÷2 または 3/1=□/2

〈÷〉と〈/〉の意味は同じ。

一般的には、

  a/b=c/d

(a/b)×bd=(c/d)×bd

ad=bc

こういう説明を、偽ドラえもんはやりたくないらしい。その理由は不明。

下手な解き方の場合、□に1から順に整数を入れてみる。この種の問題をいくつかやっているうちに見当が付くようになる。スマートな解き方を学ぶのは、その後だ。

 3:1=□:2

(内項同士掛けた数)=(外項同士掛けた数)

つまり、

1×□=3×2

というようなことも、丸暗記ではいけない。

偽ドラえもんは、後に、「a:bの比の値は、a÷bの商だ」(p238)と、やはり丸暗記させる。

分数、割り算、比例がきちんと理解できていなければ、中学以降の数学は理解できない。数学が理解できなければ、経済学や心理学や論理学なども理解できないらしいよ。

(13終)

GOTO 『夏目漱石を読むという虚栄』〔4311 「智(ち)に働けば角(かど)が立つ」〕夏目漱石を読むという虚栄 4310 - ヒルネボウ (goo.ne.jp)


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