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水は、科学と宗教の両視点で。 【高野山シリーズⅠ】

2020-05-24 17:10:12 | 文化想造塾「神社仏閣」

先日、比叡山延暦寺を紹介したが、その “比叡山” と “高野山” はいつも宗教事象として対比の的になる。理解するには困難かもしれないが、周辺の情報を知ることだけでも響くものがある。

昨年、高野山大学主催の講演会を聴きに行った。テーマが「宇宙の摂理への想い」で、サブに「科学と宗教の視点から」となっていた。理解するには難しすぎる題目と思っていたが、実際は一般でも分かりやすいものだった。

ふたりの講演者で、まず国立研究開発法人の産業技術総合研究所の高橋正好先生の「泡」の話だった。水の中に散在する泡を極小にすればするほどその泡のもつ力が大きくなるというものだった。マイクロバブルよりももっと小さいナノバブルになれば、その泡の力は絶大になるという。その作り方からその力をもつ泡の活かし方までを分かりやすく解説された。

続いて、仏教界の重鎮として名高い、高野山金剛峰寺前座主で高野山真言宗前管長の「松長有慶大僧正」が演壇に立たれた。第一声が「先ほどの高橋先生はスライドを駆使されてお話されたが、私はなんにもありません」という微笑ましいツカミで始まった。
日本の仏教では、水は「単なる物ではなく生命ある物」という捉え方をしている。奈良東大寺の「お水取り」もそう。とくに真言密教の六大には「地・水・火・風・空・識」があり、その中の一つに「水」がある。その「水」の特長が、まず「清涼感」、「変幻自在に変わる力」、「洗浄力」そして「生育力」であると講話された。

高橋先生と松長大僧正の話からしても、日本人はしぜんに「水」を大切にしているような気がする。それ以上に不思議な力をもつ存在として認めている。物質としての物と精神性の高い世界の中でなくてはならない物として存在している。
身近にある「水」が、これからの地球に社会に人間に、さらなる具体的な貢献が見えてくるような気がした。

これから機会があるごとに、高野山を紹介したいが、情報がまだまだ不足しているので、いまの騒動が完全に落ち着いたら、また高野山に昇ってみようと思っている。


写真は、高野山大学通信教育課程パンフより転載。(2011年 ナムギャル僧院の僧侶が製作した砂マンダラ)

 


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