ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

臨済禅師の大口から「喝」が透けて見える

2020-12-02 15:11:38 | 寺社絵画

明治、大正、昭和と京都画壇で活躍した日本画家の都路華香(つじかこう)が臨済禅師を描いた画(写真は複製)である。見てのとおり、大きな口を開けて吠えている姿。「喝」という表題がついている。「喝」というのは、禅師が禅の神髄を端的に示した言葉といわれている。

先日、京都散策で雲龍院のあとに、訪れた建仁寺の書院に掛けられていたお軸に画である。            

その横に、臨済禅師の「喝」と題した解説パネルがあった。

それによると、喝は物事の意味を示さないが、四つの働きがある、と記されていた。

その四つとは、

・煩悩・妄想の迷いを断ち切る喝

・目覚めよ。と、ふるいたたす喝

・かかってこい。と、本気にさせる喝

・平常心是れ喝。と、大きな喝

これを読むと、一番目の煩悩・妄想は宗教的な観点から捉えた「喝」に思えるが、他の三つは社会性に富んだ「人間向上への足掛かり」の喝のように思える。教育、スポーツ、仕事などの場面で「己との闘い」に欠かせない働きをもつ言葉である。それを平易で直接的な言葉で表現されている。非常にわかりやすい「喝」だと思い、改めてお軸を見返した。

大きな口だな~、この口から「喝」という吹き出しが透けて見えてきた。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明智光秀のゆかりのお寺、比... | トップ | 雲龍院の美しさが見える »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

寺社絵画」カテゴリの最新記事