ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

『禁じられた遊び』もしくは、恋は戦争に立ち向かう。

2013年01月05日 18時24分30秒 | 映画・アニメ・動画
去年秋くらいから
「午前十時の映画祭」で名画観るってのを
続けてるんですが

これは年末に観た一本。
『禁じられた遊び』これまた初見。

「ギター習う時にみんなが弾く曲でしょ?」ってのと
「子供が墓を荒らす映画なんでしょ?」という
漠然かつ適当にもほどがある予備知識だけで観に行ったんですが


1940年、フランス郊外。
ドイツ軍の爆撃で両親を亡くし、
死んだ犬を抱いて、ひとり逃げる少女ポーレットは
やがて農家の少年ミシェルと出会います。
ポーレットはミシェルの家に引き取られることに。

そのふたりの目を通して
戦争や死というものが描かれていきます。
反戦映画の傑作、
だけどそれだけじゃとても語りきれない。



たとえば、私が感じたのは
けっこう恋愛映画だな、ということ。

もちろん5歳のポーレットと
11歳のミシェルのやりとりは
恋愛というには幼すぎるんですけど

「お腹がすいた」というポーレットに
ミシェルがリンゴを差し出すと
「カフェオレがいい」とポーレット。
「贅沢だな」とミシェル。
このシーン、微笑ましくて好きです。

いつの時代も
女の子は小さい時からちゃんと女子なんでしょうね。


話ちょっと飛びますけど、
3歳の姪っ子がおりまして。
その子をみてると
パパに対して駆け引きしてるようなときがあるんですよ。
構って欲しいんだろうけど
わざと「パパはこないで」とか言って。
同い年の男の子はもっとアホというか単純だと思うんだけど。

閑話休題



ポーレットの愛犬に
お墓を作ってあげるミシェル。
さらに、犬がひとりぼっちじゃ可哀想というポーレットのために
ミシェルはいろんな墓を作ってあげる。
みみずやらひよこやら…
墓地から十字架を盗んでまで。

ここでは
子供たちの墓荒らしという「禁じられた遊び」が
大人たちの戦争というもっと大きな罪と
対比させられているのでしょう。


同じような対比は
ミシェルの隣に住む青年、フランシスの台詞にもあります。
兵役から脱走して家に帰って来たフランシス。
実は、ミシェルの姉と恋人同士なんですが
両家が犬猿の仲なので隠れて逢い引きしてるわけです。

そのフランシスが父親と口論になる場面。
父親「国のために役に立て!」
フランシス「国とは結婚できない!」
ここも好きだなあ。



結局、孤児院に送られることになるポーレット。
ラストシーンでは
修道女が目を離したすきに
ポーレットは人ごみのなかに消えていきます。
「ミッシェル!ミッシェル!…」と叫びながら。


ポーレットがこのあとどうなってしまうのか、
こういう余韻を残す終わり方の映画も
減ってしまった気がします。


二度三度、ぜひまた映画館で観たいな。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿