ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

虫は何のために生きるのか

2009年11月29日 09時41分44秒 | 日々
こないだ観た映画「空気人形」には
吉野弘の詩「生命は」が引用されていて
非常に印象的だったんだけど


それで思い出したこと


むかし「ファーブル昆虫記」の宣伝を担当して
新聞広告にこんなコピーを使ったことがありました。

「虫には生きる意味がある。人間はどうだろう」


あの有名なスカラベ(フンコロガシ)は
動物の糞で球をつくり、そのなかで子供を育てる。
それによって土壌も豊かになる。
さて、人間は自然のために何か役に立っているだろうか
…というような
エコロジーに結びつけた広告だったのですが


翻訳者の先生に、その原稿案の了解をもらいにいったところ
こころよくOKしてくれたあと
にっこりしながらこう付け加えられました。

「ほんとうは、ファーブルの考えていたことはちょっと違うんだけどね」


つまり

スカラベが糞球をつくるのは
「地球にやさしく」なんて考えてるわけじゃなくて
ただ習性として行動しているだけで

そうやって
それぞれ勝手に生きている昆虫たちが
生態系のなかで見事に調和を保っている、
ファーブルはそのことに
驚いたり、感じ入ったりしてるんです。

「価値目的」的に生きるのは人間だけですよ、と。



誤解をおそれずあえて言うなら

「自然保護のため」とか「未来のため」とか
あるいは
「家族のため」とか「幸せになるため」とか

人間は生きる意味を求めるけど
それが正しいこととは限らないのかもしれない。


もちろん、
意味や目的を求めず「ただ生きる」ってことが
なかなかできないのが人間ってやつですが。

困ったもんだね。





十二人の怒れる男

2009年11月23日 01時20分14秒 | 演劇/演芸
やっぱ古典だし
なんか観ておかなきゃいけない気がして
観に行ったんだけど

観に行って正解でした。
蜷川幸雄演出「十二人の怒れる男」@シアターコクーン



時節柄(?)か、
主催者はどうやら裁判員制度にひっかけて
話題作りをしたいようですが


いみじくも
蜷川氏本人が劇場プログラムで書いている通り
この作品は『裁きの話』などではなく、

「『人間とはどういう存在なのか』を人が言葉と感情をぶつけ合いながら問い直す」
という物語なのだと思います。


だってこの話、最後までみたって
容疑者の無実が証明されるって話じゃないもん。

じゃあ何かっていうと

事件について、容疑者の少年について、
12人の陪審員が議論を交わすなかで
彼ら12人それぞれの
性格や信条、家庭や生活環境、ぬぐえない過去、
差別と偏見、迷いと信念、ずるさと誠実さ…というようなものが
次第に見えてくる、

というお話。



関係ないっちゃ関係ないが
ひとつ連想したのが

こないだNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
井上雄彦が言ってたこと


「物語を作ろうとは思っていない。
登場人物それぞれの人間をきちんと描けば
自然とストーリーができていく」

「自分を掘り下げていくと
そこに大きな空間が広がっている」

(うろ覚えなので細部は違うでしょうが、
たぶんそんな主旨のことを語ってた)



すべては人間。
つまり、きっと、そういうことなんだ。





新東京タワー

2009年11月22日 10時51分53秒 | 日々
マンションの管理人さんに
「スカイツリー、撮らないんですか? 早くしないと完成しちゃいますよ」と言われ

完成しちゃったらまずいわけでもなかろうと思いつつ
とりあえず屋上に上ってみる。



なるほど、遠方に建設中のバベルの塔的なものが。
こりゃべらぼうにでかいわ。


ちょっと思い出した。
私らが小学生のころに思い描いていた21世紀の東京ってのは
あんなのがぼこぼこ建ってるような街じゃなかったっけ。



あと40年か50年もしたら

スカイツリーの見える部屋で
母親と暮らした日々を綴った小説がベストセラーになったり

スカイツリー建設中の平成20年代の町並みをCGで再現して
そこに暮らす人々の暖かな交流を描く映画が大ヒットしたりするんだろうか。




♪君の目の前に川が流れる

2009年11月21日 10時52分41秒 | 音楽
起きたらまず
ステレオをつけて、何かCDをかけるのが
日課になってる。
いまはシャンソンのレオ・フェレ



11月のあたまくらいの
仕事がきっつきつで
自分史上最大級に追い込まれてたときは連日、
AKB48の「RIVER」だった。


「仕事術」の本とかより
アイドル歌謡1曲が必要なときってのが
あるんだなあ






空気人形

2009年11月16日 00時02分51秒 | 映画・アニメ・動画
映画「空気人形」観てきました。


また泣かされちまったよ、是枝監督に。
しかも
ARATAとペ・ドゥナが
バイトしてるビデオ店のウィンドウを両側から磨いてるっていう
なんてことはないシーンで
ぐすぐすっと。


スクリーンの景色がね、いちいち魔法がかかってるみたいに
東京ってこんなに美しい街だったんだって
気づかされる。

冒頭で板尾創路が
ゆりかもめ(だと思うんだけど)に乗ってる場面からして
外国映画かと思ったし、
コンビニにさえ情感がただよってる。

(これけっこううちの近所で撮ってるんだぜ)


こういう、美しくてエロティックで滑稽で残酷な物語
かつてフランス映画で
いっぱい観た気がする。


そう、風景は光にあふれていて、ラストの悲劇さえも鮮やかで。




むかしむかし、つきあっていた人が
悲しい結末の映画や小説を観たり読んだりするたびに
憤慨していた。

「どうして悲しいまま終わらせるんだろう。
お話のなかくらい幸せにしてあげればいいのに」って


その言葉はときどき思い出す。


その頃の自分は、なんて答えていいものかわからず
「それはあれだよ、作者の意図としてさ…」なんてことをもごもご言って
でも彼女は不服そうなままで。


この映画をみた今なら
ちょっとは上手くは答えられるかな。






そのひとの名はZUZU

2009年11月15日 22時17分47秒 | 音楽
わあ。見逃した。

正確に言うと、最後の15分しか観られなかった。
NHK BSでやってた
「BSエンターテインメント 歌伝説 安井かずみの世界 」
本日 11月15日(日)午後7:30~9:00

誰か録画していませんかあー。
ダビングさせてくださいませんかああああ。


私が最初に安井かずみさん作詞を意識したのは
中川勝彦(しょこたんパパですね)の「Please understand me」

バンドで歌謡曲をやったときも
和田アキ子の「古い日記」、西城秀樹の「激しい恋」
あとになって
あ、これ安井かずみさんだったんだ、と気づくことが多かった。

PYGの「自由に歩いて愛して」も好きだなあ。


このひと、リーディングのCDも出してるんだぜ。






はやとうり

2009年11月15日 09時07分15秒 | 日々
これがはやとうり。
後輩の家の農園でとれたもの。

もとはラテンアメリカの植物らしい。
知らない食べ物ってまだいっぱいあるな。


はやとうりは
皮むいてスライスして
チャンプルーにしていただきました。

くせのないあっさりした味。






X-girlといってもブランド名ではなく。

2009年11月07日 23時54分49秒 | 日々
これまた初音ミクさんで
思春期の甘酸っぱさと美メロがマッチした名曲、なのですが









なんなのでしょう、この巨大妄想。

私の場合、小学生のころから
「全身ちーっこくなって女の人の身体を探検してみたい」と妄想するような
ヘンタイよいこでしたので
ある意味
ど真ん中ストライクなのですが。


調べてみたらこんなのもあった。









こんなゴマキいたら
とりあえずポッケに入ってみたい。


さらに
同じような趣味嗜好の方々というのが
世界各国にいらっしゃるようで

こんなのを制作された御仁もいる。









ビルよりでかい女性がビキニで歩くのを観てみたい、という
単純かつ濃厚すぎる情熱が
たった24秒のCGアニメから伝わってくるようです。



そういえば
会田誠の作品で「巨大フジ隊員対キングギドラ」ってのも
あったなあ。

それをいうなら
ルイス・キャロル、いやさチャールズ・ドジソンだって
同好の士だったにちがいない。


これはかなり奥が深そうだぞ巨大少女、
ということでこちらのページがかなり参考になりました。




さてみなさま。

自分が超巨大になるか、超ミクロになるか
どっちか選ばなきゃいけないとしたら
どちら?




永代通りからセサミストリートへ

2009年11月06日 22時43分37秒 | テレビ
グーグルトップがここ数日
ビッグバードやクッキーモンスターやアーニーとバートになってる。

セサミストリート40周年だって。
なんだ、私が1歳のときに始まったってことか。


クッキーモンスターやビッグバードもいいけど
私のお気に入りはカウントでした。
ドラキュラみたいな風体で、数をかぞえるのが大好き。
(数える=countと伯爵=countとをかけてるのね)

伯爵が登場して
数をかぞえるたびに稲妻が走り、雷鳴がとどろくという、
まあただそれだけっちゃあそれだけのキャラクターなんですが。

英語がまったくわからんままテレビ観てたから
そういう単純なシーンのほうがよく覚えてるのね。



この年になっても
なにやら動物とも人間ともつかない者どもがうようよしてる世界ってのに
憧れみたいなものがあって

それはもう
間違いなくセサミストリートやムーミン谷のせいです。