2日目
岡田美術館の喜多川歌麿の深川の雪を観に出掛けます。
長いこと行方が分からずにいて66年ぶりに見つかったという
肉筆画の大公開があるという特集をTVでみてからずっと
行ってみたいと思っていたのが実現できることになりました。
たまたま箱根行きが決まっていたので我が儘を言ってコースに入れてもらうことにしたのです。
何しろ入館料が2800円とお高いものですからチョット躊躇しました。
高いなりの価値はきっとあるはずと期待を込めます。
宿舎がある強羅から施設めぐりバスで小涌園まで10分足らずで到着。
混雑を予想して早めに着きました。9時開館で10時ごろ着きましたが
予想が空振り、空いています。団体客が到着してないせいもあります。
箱根ホテル小涌園、ユネッサン森の湯の真ん前にあります。
ここから先は写真が撮れません。入場券を買って入ると物々しい係りのチェックがあります。
カメラ、携帯一切駄目、私のバックの中のアリナミンが引っかかりました。空港の検査みたいです。
疲労回復のために用意していたのですがその場で飲んでOK。
なんとも物々しいセキュリティーです。
5階建になっており各階に作品が展示されています。
先ずは目的の深川の雪を観に行きます。
人の頭越しに見るかもと思っていましたが広い室内暗い照明の中ゆっくりと見ることができました。
その画の大きさに圧倒されます。縦199センチ、横341センチのなか一杯に総勢27名の人物が
生き生きと描かれています。遊女たちの物腰、着物の柄の細かさ、歌麿晩年の作と言われていますが
それを感じさせない力強さが伝わってきます。本物を観たの実感が湧いてきました。
もっと見ていたいの思いを持ちながら各階を回ります。
その他はおまけかと思っていたのですがとんでもない、絵画、陶磁器、工芸、彫刻などそれ一つ一つでも美術館を張れるほどの
作品の数々です。美術には疎い私でも知っている作者の作品がこれでもかこれでもかと展示されています。
なんでも鑑定団だったら何と価値づけるのでしょうか?(下世話の言い方ですね。)
広いフロアを丁寧に回ると知らないうちに足がパンパンになってきます。さりげなくベンチが置いてあり休みながら
全館みてまわりました。丁寧に見たら半日以上は掛かるといわれています。私たちはそうもしていられないので
曳かれながらも後にしました。
出口のところに大きなスペースをとった足湯の設備がありました。
これにも納得。疲れた足をこれで癒してくださいということですね。残念ながらお腹が空いてきているのでこれは
パスです。食事をとる設備がないことが不満かな?これだけの満足感を貰ったのですから入館料の不満は消えていました。
新たに私設美術館のオーナーの岡田和生の生き方に興味が湧いてきます。
パチンコ王、スロットマシンで財をなしたということですが、どれほどの財産があるのでしょう。小市民の我々には
予想もつかない話です。
昼食を済ませて最後の楽しみ旧街道を通って甘酒茶屋に寄ろうというのです。
元箱根から乗る時に運転手さんが相当揺れますから気をつけるようにのアドバイスをもらいます。
なるほど急カーブの連続です。バス停の名に猿も滑るほどというさるすべり坂とあります。笑ってしまいます。
甘酒茶屋は途中下車します。
当時を物語るような建物と昔から引き継いでいる素朴な力餅、甘酒を薄暗い土間でいただきます。
私も夫とかつてドライブで寄った店です。箱根は2人とも好きでよく来た昔を懐かしく思い出します。
さあこれで後は帰るだけです。
年に何回か声を掛け合って出かける仲間です。
ツツジとシャクナゲを愛でて名画に感動して内容盛り沢山な楽しい旅でした。
富士山は残念ながら見られなかったけれど一つぐらい悔しさはまっ良いかです。
気心合う仲間に感謝。