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1本8万8000円の日本酒「夢雀」は、30代の若者によって作られた

2016年10月24日 05時00分01秒 | 時事放談: 国内編

すばらしい!こういう若者が、日本の宝です。

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1本8万8千円 山口産の日本酒「夢雀」、狙うは海外
朝日新聞 2016年10月23日11時34分

 1本で税抜き8万8千円――。750ミリリットルの青い瓶に収められ、年代物の高級ワインにも劣らぬ価格で発売された山口産の日本酒が売れ行き好調だ。「夢雀(むじゃく)」と名付けられた酒は、山間地とコメづくりの再生にかける、山口県岩国市出身の松浦奈津子さん(35)の情熱の結晶だ。

 今月初旬、アラブ首長国連邦のドバイアルマーニ・ホテルの和食レストランで松浦さんら7人が夢雀を置いたテーブルを囲んだ。ホテルの飲食部門責任者が酒の入ったワイングラスを回転させて鼻に近づけた。一時置いて口に含むと、うなずいた。「フルーティーで香りが良い。飲ませたい人の顔が浮かんだ」。その場で6本が注文された。

 夢雀は、日本では8月下旬に250本限定で売り出され、ほぼ完売した。だが、松浦さんの狙いはあくまでも海外展開にある。

 自らが「山奥の田舎」と呼ぶ岩国市錦町(旧錦町)の農家に生まれた。豊かな自然に囲まれた大好きな郷里には、しかし、若者が求める仕事はなかった。

 大学卒業後は山口市でコミュニティー情報誌の記者に。29歳のとき、「大好きな田舎の風景を後世にも残したい」との思いが強まった。退職して古民家鑑定士1級を取得。市郊外の山間地、阿東徳佐地区で、築200年以上の古民家を田舎暮らしが体験できる宿「田楽庵(でんがくあん)」に再生した。

 地区は県内有数の米どころ。「とことん、この地域の再生に尽くしたい」とコメ作りにも携わった。稲作を手伝った農家のおじいさんたちは「わしらの代で、おしまいじゃろう」と後継者不足を嘆いた。

 若者が就きたい農業にと、オシャレなもんぺ姿で化学肥料ゼロ、自然乾燥の稲作で育てたブランド米「田楽米」を完成させた。書家がパッケージのロゴを描いた桐箱(きりばこ)入りの米は2015年、東京・日本橋の「高島屋」の店頭に並べられ、2キロ4800円(税抜き)の値が付けられた。

 田楽米を使ったスイーツを作るとこれも好評で、大阪にも販路が広まった。「加工品を多様化すれば、さらにコメの生産拡大につながる」。そう考えていた松浦さんに、日本酒を海外に発信する団体「ミス日本酒」の理事、大西美香さんの言葉が次の展開へのヒントになった。「海外では日本酒は安価なイメージが強く、格式の高いパーティーでは扱ってもらえない

 日本一の高級酒を造り、海外で売り出そう。目標を定めた松浦さんは、郷里の老舗酒蔵、堀江酒場に話を持ちかけた。杜氏(とうじ)の堀江計全(かずまさ)さん(39)は、話に乗った。国内市場が頭打ちになり、新しい日本酒での海外展開を模索していた。「ライバルはワイン。挑戦を続けなければ日本酒の未来は暗い」との思いが、松浦さんのアイデアと合致した。

 だが、松浦さんはとんでもない難題を投げてきた。酒米に「イセヒカリ」という品種を使うというのだ。

 1989年に伊勢神宮(三重県伊勢市)の神田で台風通過後に2株だけ立って残っていたコシヒカリの突然変異種。食用米では普及が進んでおらず、酒米に適しているかどうかも評価が定まっていなかった。

 堀江さんは「イセヒカリだけはやめましょうや」と言い張ったが、松浦さんは譲らなかった。実家で父が苦心して育てていた品種だったからだ。「イセヒカリにも光を当ててやりたい」

 松浦さんに折れる形で、堀江さんはイセヒカリを精米にかけた。50%以下なら「大吟醸」が名乗れるところを18%まで磨き込むと、低いほど酒米に向いているとされるたんぱく質の含有率は3・6%。酒米の王様「山田錦」の3・5%と遜色ない数値になった。

 今年の年初から堀江酒場で3カ月かけて醸造。生酛(きもと)造りとよばれる伝統的な製法で仕込んだ酒は、香り高くスーッとのどを通る極上の純米大吟醸になった。

 「夢雀」の名前は、堀江酒場の看板酒「金雀(きんすずめ)」と、松浦さんたちの願いにちなんだ。値段は米が「八十八の手間をかけて収穫される」ことなどから決めた

 松浦さんはベンチャー商社「Archis(アーキス)」を立ち上げ、販路開拓を続けている。国内では「誕生祝いの記念に皆で飲んでみたい」「パーティーに使いたい」と各地から引き合いがきた。香港の最高級ホテル「マンダリンオリエンタル香港」での取り扱いも決まっているという。今年の生産は1千本だったが、来年は3千本、再来年は5千本に増産する計画だ。

 「日本酒の飛躍も、農業の再生もどちらも私たちの願い」。松浦さんたちの夢が力強く羽ばたき始めた。(加茂謙吾)

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貧乏英語塾長にはとても手が出ない夢雀ですが、夢が雀のように自由に飛んでいるさまを感じて、このお酒にロマンを感じます。

35歳のプロデューサーと39歳の杜氏。年寄りの発想ではできない行動です。ぜひとも、日本酒界の革命児といえます。

松浦さんと堀江さんのさらなるご成功を祈念します。


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