生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

再診料をめぐる医師会の主張への疑問

2010-02-06 17:13:01 | 日記

 中医協において、再診料をめぐる議論が決着をみていません。現行の再診料は、病院が600円、診療所が710円となっています。一物二価のおかしな仕組みになっています。厚労省は今回の診療報酬改訂時に、再診料を両者の中間あたりの650円辺りに決着させ、おかしな仕組みを解消させると共に500億円程度の財源を捻出したいようです。
 これに対して、医師会が猛反発しています。
開業医の収入が年間で600億円程度減少するため、今でも経営が苦しいのに、さらに経営を悪化させるとの主張です。
 確かに開業医の収入は減りますが、現状の開業医の儲けを見れば、経営が破綻するようなレベルの話ではないし、今後急増する医療費のことを考えれば、「3方1両損」も納得していただかなくてはなりません。
 医師会の反論のなかで、「損益分岐点」が高くいつ経営危機に陥ってもおかしくない状態だ といったことが書かれていますが、とんでもない反論材料だと 私はびっくりしています。
 それは、医療法人のデータだということです。開業医が医療法人を開設し、開業医はその法人から給料をもらう経営形態が増えていますが、法人に限定したデータを使って反論しているのです。医療法人とは言っても実質個人経営と同じです。法人としての利益の大半は経営者である院長の給与として支払われ、法人としての利益を残すケースは稀です。よって、法人の診療所の損益分岐点が高いのは当たり前のことなのです。
 法人からいくらの給与が支払われているのか、その額をもって反論するべきではないかと考えます。
 医師会も業界団体でもあり、業界の利益を守る使命があるのでしょうが、余りにもお粗末且つ恣意的なデータ使用(どこかの会計関連グループのデータのようですが)は慎まれたほうが良いと思います。
 医師会の主張については、以下URLをご参照ください。

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20100106_2.pdf