いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
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片想い

2016-09-24 23:27:28 | 日記
Male Model TOKYO 4: YUKI SORCI
より画像を転載させて頂きました。


その男がふと顔を上げると、まっすぐに続く路地が目に入った。夜遅くジムからの帰り道だった。真っ暗で静まり返った道は月に照らされ荘厳な印象を与えていた。よく知る道が静かな空間となって永遠に続いているかのようだ。歩きながら、「好きだ。」と彼の顔を思い浮かべた。

彼氏がいる男性とちょっとした縁で知り合った。出会い系ではない。そして、いつしか好きになっていた。自分は決してそんな人間ではない。そう思うと、理性が保てた。しかし好きだという気持ちに偽りはない。

仕事中に、ふと彼を思う。今、どこかの会社で仕事をしているはずだ。どこなのだろう。女性社員に人気があったりするのだろうか。「バカみたいだな。」その男は少し笑って自分の業務に集中した。

「自分の想いを彼に伝えるワケにはいかない」

彼氏がいる男を好きになって数日が経った。飽きてくるだろうという予感は外れ、ずっと好きなままだった。世の中には人妻好きの男がいるが、自分はそれと同じなのだろうか。他人のモノだから欲しいのか。そんな自問自答をしながら送る毎日は苦しかった。彼が好きだ。だけど、その想いを押し通すことはできない。なぜなら相手に彼氏がいるからだ。

そもそも彼は自分を好きなワケではないではないか。彼が自分の事を好きならまだしも、話にならない関係だ。早く忘れよう。最善の方法は分かっているのに実行することは困難だった。

何をしていても彼の事で頭がいっぱいになってしまう。自分は頭がおかしくなってしまったのだろうか。その男が日々の中で痛感したのは、恋することはこんなにもつらいという事だ。

「楽しいのは恋愛中、苦しいのは恋。」

あなたに会えてよかったと思えるほど心に余裕がないのが恋。好きで、会いたくて、苦しいのが恋。こんなにもつらいのであれば出会わなければよかったと思えるのも恋。

男が顔を上げると、もう自宅の前だった。ドアの鍵を開けながら思う。それでも恋ができてよかったと。


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