優柔不断後の決定 その2

日々つらつら書き留めます。ネガティブでポジティブ。
決定力と、前向き思考を手に入れたい。

「リズム」「ゴールド・フィッシュ」共に森絵都

2010-02-16 23:43:03 | 小説
今週は東京に行っていまして。
その時間、片道およそ1時間45分なんですが、

行きと帰りで小説を2冊読みました。

森絵都
「リズム」
「ゴールド・フィッシュ」

「リズム」に至っては、森絵都のデビュー作です。

2部作ですね。
「リズム」は中学一年生のさゆきって女の子が主人公。
「ゴールド・フィッシュ」は中学三年生のさゆきが主人公。

2作ともに、泣くとか切ない、とかの話じゃないんです。
少女が大人になっていく物語。

非常に読みやすかったです。


もうね、やっぱり凄いですよ。
森絵都凄いです。各賞を取りまくっている理由がわかります。

青春時代の心模様を描くのが上手すぎる。
子どもから少しずつ大人になる、その微妙な心変わりがね、すごい。
本当もう、超リアル。

また文章が読みやすく、そして綺麗。


この作品を書いて、
そして「永遠の出口」が書けるんだなぁって納得です。


主人公のさゆきがいて、
憧れで大好きな従兄弟の男の子(お兄ちゃん)がいて、
幼なじみのいじめられっ子の男の子がいて。
気の強い、やったらやりきるお姉ちゃんもいて。

「リズム」では、
さゆきが少しずつ大人になっていくのはもちろんですが、
大人へのとまどい、
その過程で「変わるモノは何もない」と言う事を知っていく事、
そして、夢を追う従兄弟のお兄ちゃんとの別れがあります。


「ゴールド・フィッシュ」では、
さらに、高校受験を目の前に控えた思春期で。
夢を追って街を出て行った従兄弟のお兄ちゃんが夢半ばで帰ってくる事。
大人になると言う事のリアルさ。
翻弄されながらも生きていく事の大事さ


それが主軸となっています。


なかなか良かったです。
これは別々の作品ではなく、
1章と2章と考えて読むべきですね。


僕の好きな題材で、僕の好きな小説でした。

こういう、現実の壁にぶち当たって困りながらも、
それでも頑張る小説が好きです。
リアルに重たい壁ではなく、子どもの頃のくだらないと思えるような壁。

今でこそ馬鹿馬鹿しいと思えるけれど
その時はどうしようもなく大きいと思えた壁。

その時の壁って、後で見ればどうでもいい壁なのに、
その時はものすごく大きな壁ですもんね。

疾走感のある、爽快感のある小説も好きなんですが、

どちらかと言えば、

こういう暗い話からの明るい話も好きです。
ものすごく暗い話も好きですが(秒速5センチメートルとか)
山崎善生さんとかが大好きだって言ってる事がもうね。



でも、

晴れの日中に見える太陽よりも、
真っ暗闇の中で見える綺麗な月の方が綺麗で好きなんです。

ようはそういう事。

どうしようもない現実の中で、
その中で見える光が書いてあるある方が

リアルじゃないですか?