優柔不断後の決定 その2

日々つらつら書き留めます。ネガティブでポジティブ。
決定力と、前向き思考を手に入れたい。

「押し入れのちよ:萩原浩」

2009-07-12 20:27:37 | 小説
はいどうも。
今日はずっと家でぐだぐだして、小説読んで
髪切ってきました。

そして、ハルヒの2期のOP見て
疾走感にやられた俺。乙。ええ曲や。
みくるちゃんの走り方が異様に可愛い件。

まだ4話だから見ないけどー


んで、読んだ小説。


「押し入れのちよ:萩原浩」


最近は萩原浩さんも好きです。
割と社会人のブラックユーモアが効いてたり
社会に対する考え方とか、その中で生きてる人が魅力的。


ちよちゃんが幽霊で、それを中心に話があると思って買った
この小説。
ばりばりの短編小説でした。

でも後悔はない。


なんでしょうかね。

人が恐怖する事を題材に、合計9つの話がありました。
幽霊とか殺人とか。

叙述トリック使われてたり、
普通におわ、そういう事か!!って思わされたり。
なかなか面白い小説でした。

9つも話があるんですが、
本当に怖いというかオドロオドロしい話が4つ位で、
面白いお話が5つ程でした。

表題作の押し入れのちよは、
3万3千の激安アパートに引っ越した主人公が
明治生まれのお化けのちよちゃんに出会うって話。

主人公は大手デパートの外商部で働いていて超エリートだったのに、
新しい課長にひょんな事で嫌われて。
リストラ同然に会社を辞めて。

その理由がまた、しょうもない理由なのに
そんな事で嫌われるというのもおそらく現実世界でもあるでしょうね。
そこがまた萩原さんの作品らしい。

しまいには彼女からも連絡が来なくなって。携帯かけたら繋がらなくて。

安いアパートに引っ越して。

したら、

押し入れから出てくるんですよね、ちよちゃん。
昔の日本人形みたいな、おかっぱで和服を着たちよちゃん。14歳。

普通はめっちゃ怖いと思うんですが、

このちよちゃんが可愛くて可愛くて。
ビーフジャーキーを食べて喜んでる姿とか
カルピス飲んで笑ってる姿とか。

そのくせ実は可哀想な過去があったりとか。

この世知辛い世の中を、「気にしない」で乗り切る女の子に
元気をもらえました。


そんな話。

ちなみに最初の話の
「お母様のロシアのスープ」で最後にめっちゃ驚いて、
「コール」で優しさに泣きそうになって
「老猫」で現代の猫又的な怖さを知り、
「殺意のレシピ」で結局こいつら仲いいじゃんって笑って
「介護の鬼」ではお年寄りは大切に。
「予期せぬ来訪者」ではおっさんに笑うも偶然の怖さに驚いて
「木下闇」ではうわぁ・・・えげつねぇってなって。
「しんちゃんの自転車」では心が温かくなりました。

そんな小説でした。

解説にも書いてありましたが、
昔の幼女の「神隠し」ってのは、
きっとこういう理由もあったんじゃないかと思いました。

そしてげんなりする俺。

でも面白かったです。

短編集はさっくり読めるのがいいんですね。