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白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

LG杯、開幕!

2018年05月28日 23時33分52秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
昨日の記事で「やさしく語る 碁の大局観」の誤植等の情報を募集しましたが、早速色々と見付かっているようです。
嬉しいやら悲しいやら・・・(笑)。
なお、売れ行きはかなり好調と聞いています!

また、明日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしています。
本へのサインなども、お気軽にお申し付けください。
ちなみに、今回用意した言葉は「大局観」です。
そのままですね(笑)。
でも、たまにはこういうのも良いでしょう。


さて、本日はLG杯本戦が開幕しました。
日本からは4名が出場し、一力遼八段と芝野虎丸七段が2回戦に進出しています。
井山九段と伊田八段は残念でした。
特に伊田八段は、途中形勢が良いのかと思って見ていたのですが・・・。

それでは、芝野虎丸七段と唐韋星九段(中国)の対局をご紹介しましょう。
唐九段は25歳、世界戦で複数の優勝経験があるトッププロです。



1図(テーマ図)
芝野七段の黒番、白△とノゾキを打たれた場面です。
黒Aとつなげば、白Bと頭を出して競り合いに持ち込もうとしていますが・・・。





2図(実戦)
黒△と反撃したのは、いかにも芝野七段らしい鋭い手だったと思います。
少し前に黒×と白×を交換した意味が分からなかったのですが、こうなってようやく理解できました。





3図(変化図)
白1なら、黒2と出る狙いが生じるということだったのですね。
なるほど・・・。





4図(実戦)
結果、黒△に回って白×を閉じ込める形になっては黒成功でしょう。
この後も難しい戦いが続きましたが、芝野七段独特の力強い打ち回しで乗り切りましたね。


芝野七段は先日、日中竜星戦で世界最強クラスの柯潔九段を破りましたが・・・。
海外を中心に、柯潔九段が不調だったという論調をよく見かけました。
「そうじゃない、芝野七段が強いんだ!」と思っていたのですが、今回の勝利を見て安心しました。

そして、芝野七段は2回戦で朴廷桓九段(韓国)と対戦します。
朴九段も世界最強の一角と目される棋士です。
くじ運が悪いとも言えますが、個人的には喜んでいます。
芝野七段の力が、どこまで通用するでしょうか?
非常に楽しみな1局です。

なお、LG杯2回戦は明後日、30日に行われます。
1回戦同様、幽玄の間で中継されますので、ぜひご覧ください!