トミーさんの井戸掘り勉強塾

[マチャアキJAPAN、2011ネパール、2012ザンジバル、2015カンボジア][2013/Dash島]テレビ出演

井戸掘りの 「イドセン」

井戸掘り30年、個人職人の井戸屋さんです。 時代と共に井戸掘りの機械は随分変わりました。 小さな機械で井戸を掘る昔ながらの井戸屋はほとんど姿を消しました。 このブログより、井戸掘りの理屈を皆さんに提供していきたいと思います。 「自分で井戸が掘りたい」「井戸について知りたい」など、井戸についてご質問のメッセージを頂ければ詳しくお答えいたします。 個人職人の井戸屋さん「イドセン」http://www.idosen.sakura.ne.jp/idosen/

井戸掘り業者の選び方

2016年12月26日 | 日記
久々の書き込みになります

今日は、井戸掘り業者の選び方のタイトルで簡単に書かせていただきます。

以前にも書き込んだと思いますが、

最近、井戸の不具合についてのお問い合わせが増えています。

井戸は、古くなれば不具合が出てくるのは当然なんですが、

どうやら業者の不具合というか何というか・・・?

つまり、掘ってもらった業者がない!!!

確かに時代とともに井戸業者は減り、井戸職人も高齢化で廃業された方も多いです。

正直、私のように地道に一般家庭の井戸を掘る業者も減りました。

だから、私のところに井戸の修理などの依頼も増えてるのが実態です。

ところが、井戸の修理に呆れてしまうことが多くなっています。

それは、井戸の修理もできない井戸。

つまり、井戸の機能を果たせない、井戸とは言えない井戸が多く見受けられます。

もう、ズバリ!言います。

井戸を依頼するときは、井戸掘りの機械を所有する井戸屋さんに頼んでください。

大きな井戸(工業用)などは建設業者が窓口となって一括で行うことも多いですが、

一般の家庭用井戸は近隣の井戸業者さんで頼むべきと思います。

はっきり言って、中途半端に井戸を掘るような者。

不適切な言い方ですが、井戸屋とは言えない業者を集め

総合的に飛躍している企業のような見出しで展開する業者があとを絶たないようです。

私のところにも「当社に加盟しませんか?」という電話が時々かかってきますが、

すべてお断りしています。

なぜなら、井戸のノウハウも知らない者に、なぜ井戸のプロが雇われなきゃならないの?

「うちに加盟すれば顧客が増えますよ」

ああ、そうでしょうね。そんな立派なホームページ作れば素晴らしく見えますね。

でもね・・・

中間マジーン取って、本当にお客さんに格安で井戸を提供できるの?

もし本当に格安にできるなら、その下請け業者はいったいいくらで井戸を掘るの?

だから井戸とは言えない井戸になるんじゃない?

と、いうことが私は言いたいわけです。

井戸は一度掘ったら何十年も使うものです。

この先、何十年も代々受け継がれていくような井戸職人の業者が一番良いでしょう。

見出しではなく中身と実績です。

みなさんの地域にも井戸屋さんはありますよ。

自社で井戸掘り機を所有し長年の実績のある業者。

その業者さんに直接依頼することこそ、安心と言えるのではないでしょうか。

では( ̄^ ̄)ゞ




小型井戸掘り機の購入に注意してください

2016年06月16日 | 日記
このことをブログに書くか悩んでいましたが、

今回、思い切って書かせていただきました。

写真は以前、私が紹介した自作の井戸掘り機です。



これは動画として、youtubeにもアップされています。

結構、興味のある方も多く、海外の人も多く見ています。

この機械を商品化していますか?とか、

複数台の購入を考えているのですが?とか、

問い合わせが寄せられています。

しかしながら、この機械は販売目的に作ったわけではありません。

私が時々井戸掘りに使用しているのは事実ですが、

これは、井戸掘り機としての商品では無いからです。

この機械は、水道管やガス管のネジ切り機を改造して作ったものなのです。

私がyoutubeに動画をアップして以降、同じような機械が販売されたり

「井戸を掘ります」と、同じような機械で井戸掘りの商売をしている人もいるようです。

「私のまねをした」と言えば、その人たちに怒りを与えてしまうかもしれませんが、

怒る、怒られる、ではなく、井戸掘り機では無いということは事実なのです。

所詮、100v500wのモーターで回すネジ切り機です。

そのギヤーの構造は井戸掘り機としてはおもちゃに等しいです。

確かに、粘土や砂層なら30mでも40mでも掘り進めれますが、

白鉄管をロッドとして継ぎ足し、

ホームセンターで売ってるようなエンジン式の小型スクリューポンプで、

ましてφ100mmとかφ150mmの平板の三角ビットで、

どうやって、そんな太いパイプが入る穴が出来上がるの?

そんな穴が出来上がってるかと言えば疑問です。

この太さの穴を30mも40mも掘るって本職のボーリング屋さんでも、

正規のボーリングマシンで掘削しても大変な作業なのですよ。

ただ平ビットが深く入っただけで、掘った口径の穴は自立せず、

ケーシングパイプが入れられる穴にはなってないと思います。

つまり、掘りやすく、崩れにくい地層であれば運良く掘れるということでしょうか?





この写真は、私が自作した2台目の機械です。

幅60cmの小型のキャタピラで自走します。

そして、手動ではなく油圧式で昇降します。

もちろん、ベントナイトなどの濃い泥水を送る高圧ポンプも付いています。

この機械もyoutubeにアップしようと思いましたが、

巷に同じような機械が出回るおそれがあると思い、アップするのをやめました。

写真も、申し訳ないですが真似されたくない部分を塗り潰しています。

今現在はさらに改造し、回転部分のネジ切り機は使用していません。

写真もアップしませんが友人の機械屋で頑丈なギヤーケースを組み付け、

立派な井戸掘り機として完成しています。

ネジ切り機を取り外した理由は、ネジ切り機は所詮ネジ切り機です。

2~3現場でギヤーが飛んで使い物になりません。

その都度、中古の同じネジ切り機を買っては何度も取り替えていました。

そんな訳で、今はすっかり姿形が変わった井戸掘り機に進化しました・・・笑

まあ、そんな訳でいろいろ書きましたが、

なぜ、今回この記事を書いたかというと・・・

トミーさんの井戸掘り勉強塾も結構閲覧数が多く、

アクセス数100万に手が届くくらいになっています。

それだけ多くの人が見てくれているから、本当に多くの相談も寄せられます。

「簡易的な機械を買ったけど、いま何メートル掘ってどうのこうの・・・」

つまり、上手くいかない!

はっきり言って、掘れない!

こんな問い合わせが毎月何件も来るんですよね。

自分で井戸が掘りたいというのも、ある意味冒険でしようが、

あまりにも高額なおもちゃはお勧めできませんね。

無駄なお金は使わず地道にコツコツと掘ったほうが面白いと思います。


ちなみに、

私が自作した小型井戸掘り機は、

住宅密集地の狭い敷地で、かつ比較的地層の掘りやすい現場で、

せいぜいφ50mm程度のパイプを入れる浅井戸(10m~15m程度)のみです。

依頼されたお客様の敷地が狭いとか、搬入する通路が狭いとか、

どうしても本式のボーリングマシンが入れられないところに限り、

仕方なく無理無理この機械で井戸を掘っているだけです。

ですから、使用頻度は年間に2~3現場くらいですね。

つまり、井戸を掘ってお金をいただく以上、

あまりお粗末な機械とは言えない機械は持っていけない!

と、言うことなのです。



では(o・・o)/









古井戸を安全な井戸に再生しました

2016年02月19日 | 日記
今回は、古井戸再生の一例をお見せいたします。

お客様から古い井戸を安全なかたちで再生できないかと連絡を受けました。

現場に行ってみると、かなり古い井戸で土管の井戸枠がありました。



井戸枠は、なんと大きな石の上に乗っかっている状態で、

その石の下の井戸の壁はむきだした状態でえぐれています。

正直、井戸の周りのコンクリートにもヒビが入り、立っている事さえ危険です。



とりあえず、恐る恐る井戸枠を外してみました。

この大きな石が辛うじて井戸枠を支えていたんですね。



井戸の壁はかなり崩壊しており、直径70cmの井戸枠に対し井戸そのものは

樽型のような状態に崩れ、大きいところでは直径1.5m位になっています。

井戸の深さは約5mで水深は底から60cm程水が溜まっています。

今は冬の時期で最も水位が下がっています。

井戸の壁を見ると、底から2.5mのところまで水が上がったとみられる跡があります。

降水量の多い夏場は豊富に水が溜まる井戸と判断できました。


そこで、今回はこの危険な井戸を安全に再生することを目的としました。

まず井戸内に100mmの塩ビ管を立て込みます。

塩ビ管の底から1mは水が通るように穴がたくさん開けられています。



写真のように、塩ビ管が倒れないようにロープで固定します。

そして塩ビ管がズレないように井戸底にある程度打ち込みます。

ここまで出来たら、洗った砂利で埋めていきます。



最初にうちは、塩ビ管が曲げられないように少しずつ根気よくスコップで埋めていきます

塩ビ管のブレが少なくなってきたらダンプで直接入れてもOKです。

ただ、この現場は少し狭かったので軽トラのダンプで0.5㎥ずつ運びました。

0.5㎥と言っても砂利の重量は900kgもあるので軽トラでは完全に積載オーバーですね(^^;



さあ、地面から1mのところまで埋まってきました。

ここで一旦ランマーで振動を与えて突き固めます。

ただ埋めるだけでは必ず埋めた土砂が下がってしまうので念入りに突き固めます。

突き固めが終わったら、最後は山砂または通常の土砂で埋めます。

ここまで埋めた土砂は合計で7㎥ですので大型ダンプ1台分より多いですね。

思ったより多く入りました(^_^;)




はい、写真のように40mmの内管も入れてこんな形に出来上がりました。

さあ、いよいよ手押しポンプの登場です。




はい、出来上がりました(*^^)v

水を汲み上げると汚れた水がしばらく出ます。

5分、10分と時間を追うごとにだんだん綺麗になってきました。


今にも崩れそうな危険な古井戸も、このような方法で再生すれば安全です。

ただ埋めることを考えるのではなく、災害時にも役立つ井戸

そんな考え方も良いのではと思います。

今回依頼をしてくださったお客様は、井戸の活用を非常に理解されていました

いつまでも大切に・・・


では(o・・o)/

井戸掘りの価格

2015年11月14日 | 日記
井戸掘りの価格って、いったいどのくらいなのでしょうか?

今の時代、井戸掘りの金額って未知な世界なのかもしれませんね。


こればかりは、各業者によって大きな差があります。

例えば、車1台いくらですか?と尋ねるようなものに似ています。

私のところに「10mの井戸を掘っていくらですか?」と連絡がありました。

住所を聞き、地層的に判断して「ポンプ込みで一式20万円です」と答えると、

「バケツで汲みますので、ポンプは要らないです」

「ですから、ポンプ無しならもっと安くなりますよね?」と言われました。

正直、目が点になってしまいましたが、

人それぞれ井戸をイメージするのが違うのも普通なことなのかもしれません。

確かに、井戸とはバケツで汲み上げる「つるべ式」が始まりみたいなものですからね。

ネットで井戸屋さんのホームページを見てみると、

井戸掘りの金額が表記されていますが、ほとんどポンプ別の金額です。

私は井戸工事を受けるとき、ポンプも含めた金額を伝えます。

つまり、車を買うときに、すべての諸経費を含めた金額と同じように、

お客さんが、すぐに使える状態にして引渡しということです。


さて、ここからが重要なことなので、よく読んでくださいね。


井戸の金額は、深さ、太さ、地層、で決まるのが普通です。

その他、現地までの距離、現場の敷地状態による仮設、ポンプの種類

これらが総合的に積算されるわけです。

例えば、10mの井戸を掘る場合、砂と砂利では金額に差が出ます。

特に、玉石や岩盤などでは桁外れに高額になります。

私の工事例で言うと、砂の地域、比較的近い現場、敷地条件はやり易い。

この場合ですと、10m井戸でポンプを含め一式18万円が最安値です。

しかし、同じ井戸でも玉石層などの掘削の場合、50万円もかかることがあります。

また、井戸の太さによっても大きく変わります。


ここで注意しなければいけないことは、

一般家庭用の40mmや50mmのパイプで完成させる井戸を

まるで、100mm~150mmのパイプで完成させる井戸と同じ感覚で見積もる業者です。

砂層を掘る場合、10m掘って50mmのパイプで完成させた場合、

20万円なら、業者は笑いが止まらないほどのボロ儲けです。

ここに、ポンプを取り付け配管してプラス10万円とか15万円とか

また交通費まで含めて総額、はい、40万円です・・・(^_^;)

この金額を払うとするなら、井戸の太さは最低でも100mm以上のパイプが入ってなきゃダメですよ。


確かに、10mで40mmのパイプで仕上げた井戸でも、

総額50万円も60万円もかかる井戸があります。

それは、玉石層などの掘削で4~5日の掘削日数がかかり、

掘削のための道具や消耗品が高額になる場合には、やはり井戸も高額になります。


結局、人から聞いた話であっても、知恵袋で見た話であっても、

どれが本当なのかわからなくなってしまいますよね。

だからこそ、滅茶苦茶な見積もりをしている素人業者が増えてる気がします。


これは悪口になると思いますが、

以前にも書いたように、井戸を掘る時は自社で機械を持っている業者に依頼しましょう。

ネット上に素晴らしい見出しのホームページがあったとしても、

その実態までは見えません。

井戸屋とは、長年コツコツと地道に経験を積み築き上げてきた人がほとんどです。

自社で機械を所有し、いろんな現場で地下水に対しての理屈を学んできたのです。

そして、この先も続いていくのです。

貸事務所の一室に電話機1本置いて、まるで井戸の総合業者のようにやってるように見えますが、

私の知っている範囲では、共に汗を流した実績のある井戸屋さんは少ないように思えます。

何と言っても、少ない枠の業種ですからね。


まあ、そんなわけで、

井戸の価格を言うとすれば、よほどの地層でない限り、家庭用の浅井戸の場合、

ポンプを含めた総合計金額・・・30万円~35万円が一般的ではないでしょうか?

私の場合で、永年保証付き(消耗品は除く)25万円前後が一般的ですので、

結構格安ではないかと思います。


井戸の価格とは、その場限りではなく後々のメンテナンスも考えたほうがいいですよ。

それらを理解し、納得のいく井戸の価格になるわけではないでしょうか?


では(o・・o)/
















井戸を埋める時には

2015年10月18日 | 日記
使わなくなった井戸を埋めたいと言う相談がありますが

なぜ、埋めちゃうのですか?

世の中、井戸が欲しいという人もいれば、要らないという人もいますよね

まあ、水道があるから井戸は時代遅れということなのでしょうかね。

そこでよくある質問なのですが、

井戸を下手に埋めると神様の祟があると怖がってるようで・・・

時代遅れの井戸は要らん!だけど神様は怖い?

まあ、なんと身勝手な人達なんでしょう・・・笑

冗談は、さておいて・・・

井戸を埋めるときに必要なこととは、

神様がという事より、綺麗に埋めるということが第一条件なのです

ゴミやガラ等を一緒に埋めることは土壌環境を考えないと言うことですよね。

これをきちんとやれば環境を考えた正しい埋め戻し方なのです。

神様とか祟りを恐れる人は、井戸を埋めることはいけない事と思うからなのです

だから、都合の悪いことは人任せにして、神様の祟りを背負ってくれる人に依頼し

自分は当たり障りのないように災難から逃げようとしてる人なのです。

とは言っても・・・

やっぱり、神様ですか~

はい、分かりました。では、お答えします。

井戸を埋めるときは、まず、井戸枠を抜きます。

もちろん、井戸の中にゴミがあるときは取り除きます。

そして、洗い砂で埋め戻します。山砂で埋めるという人もいます。

どちらにせよ、綺麗な土で埋めるということには違いありません。

おっと!

忘れていました。

埋め戻す前に息抜きパイプを立て込みます。

細い塩ビ管でやる人と、節を抜いた竹でやる人がいます。

これには、おもしろい理由がそれぞれあります

塩ビ管でやる派=永遠に神様が息が吸えるように腐らない塩ビ管でやる

竹でやる派=自然の物で神様に息を吸わせ、やがて竹は腐り自然の土に戻り神様も眠る

なるほど~、どっちも正論だな~・・・笑

神主さんや霊媒師さんも人それぞれで答えは一つになりません

私は井戸屋であっても、本当にいろんなやり方を見てきています。

霊媒師さんの名刺を一緒に埋めるというのもありました

それってホントかよ~って思っちゃいますよね

霊媒師さんの名刺を一緒に埋めて、なんの効力があるのでしょうね?

私は思います。

井戸を埋めるときは、「今までお世話になりました」という感謝の気持ち

そして、お清めの酒と塩、お祓いをしてもらった時はその榊をしばらく立てておく

これ以上のことは必要ないのではと思います。

井戸は、掘る時も方向や鬼門などを気にする人も少なくはありません

埋めるときは、特に気にする人が多いようです。

また、買った土地の鬼門の場所に井戸がある。という話でも

もともと鬼門ではない場所にあった井戸が、土地の分筆で鬼門になってしまう

逆に言えば、鬼門に井戸があっても、となりの土地を買ったことにより鬼門でなくなった

こんなことも起こるわけなのです。

井戸を掘る時は、自然の恵みに感謝の気持ちを持ち

井戸を埋める時は、今までお世話になったお礼の気持ちを持つ

この気持ちがあれば何の災難も起こらないと私は思います。

私は井戸屋であっても、今までに井戸の神様にお会いしたことはありません

井戸の神様とは、昔、生きるための水を求めて井戸を掘った人たちではないでしょうか?

危険と隣り合わせの穴の中で、どんな思いで井戸を掘ったのだろうか

それを考えるその思いが皆さんの言う井戸の神様なのです

私は、井戸を埋める時、井戸を掘った人たちを心に思います

ご苦労されて掘った井戸ですが埋めさせていただきますね。とお礼の言葉を・・・

井戸の神様とは、皆さんの心の中に居るのではないでしょうか

では(o・・o)/