(その1から)
「(告訴に対する)決意や気持ちは変わっていないのですか?」
「変わっていません。民事訴訟もしましたし、強制執行(差し押さえ)もやりました。財産開示手続(財産がどこにあるのか強制的に言わせる事)までやったのです」
「民事がダメだから刑事でなんとかしてくれ、というのはあまり良い動機ではありませんが・・・」
「N村さん!! 今更何言っているのですか!!
私が今までどんな思いで民事訴訟をしてきたのかまるっきり分かってないようですし、民事訴訟自体の実態も分かっていらっしゃらない。
時間、労力、私財、仕事・・・何もかも捨てて全力でやってきたのです。費用を抑える為に弁護士や司法書士も介さずに、です。私はあなたと違って公権力が無いのです。書類一つ取るのにどれだけ大変かお分かりでしょうか?
この何年間も砂をかむような気持ちです。精神的にも疲れ果て、病院通いまでしなくてはいけない体になってしまったのです」
「そこまでしてご自身を駆り立てるものはなんでしょう?」
「"正義"や"誠意"です。犯罪は既に行われているのです。
このまま放っておいて本当に良いのですか? のうのうと営業を続けているのですよ。あの奇妙な営業が続く限り、どんどん泣き寝入りする人が出てくるのです。
これ以上泣く人が出ないよう、またO村(社長)に灸を据える為にも罰してください。本当は"詐欺罪"や"傷害罪"を挙げたいのですが、現状ではこの"労働基準法違反"の証拠しか出せないだけなのです」
「その言葉("正義"や"罰してくれ"等)が聞きたかったのです。さっきまで失礼ながら"試させて"もらいました。申し訳ございません」
「いえ、伝われば別に良いのです。こちらこそ少々アツくなりすみませんでした」
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上記のやり取り"やる気度テスト"は、後に検察庁でもう一度繰り広げられる事になるのでした・・・。
N村氏によると私のように「先に民事訴訟をしてしまい、しかも勝訴判決まで出ている」場合いくら建前上"民事と刑事は両立する"とは言うモノの検察官は、
「勝訴判決も出てる事だし民事で全部ケリをつけたら良いじゃん・・・なんでワザワザ刑事事件にして蒸し返すの?」
という風に軽くとらえられてしまい、ほとんど取り合ってすらもらえない(不起訴になってしまう可能性が高くなる)そうです。
ハッキリ言って被害者なのに何で"本来の味方であるハズ"の検察官と心理戦を繰り広げなくちゃいけないの?!
と不条理にも思います。
しかしその反面、私の告訴状だけでも32ページで、労基署の証拠書類はもうそれこそ電話帳くらいの厚さがあるため「読むだけでもしんどい・・・」「殺人やら強盗等がてんこ盛りの中"労働基準法違反"までイチイチつき合ってられない」という現状があるのかも知れません。
そこでN村氏は私に敢えてそっと「予行演習」を実行してくれた、というわけです。
(その3へ続く)
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