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自らを振り返れ

2015-01-14 09:37:16 | Weblog
先日は成人の日でしたね。成人の皆様におかれましては20歳をもって選挙権を得られたことと、納税の義務ができたことで社会を形成する側に回ったということになります。「大人の仲間入り」というとその言葉自体子供っぽいのであまり使いたくない感じがしますが、確かにそういうことになります。ただ、世間を見回してみて、自分の周りを見てみて何が大人なのか、ということは人生を通しての課題であり、一朝一夕で自立した独立した人間になれるかというとそうではありません。

大人と子供の境目は、自分の足で立って生活できるか、というところがまず大きいと思います。子供(例えば10代)でも大人顔負けの立派なことを言える人はいますが、親の世話になって実家で暮らし、ご飯をもらって生きているうちはやはり子供なのです。やがて自立して生きているように思っても、親からの仕送りで成り立っていたり、食料を送ってもらってやっと生きているという人もいるでしょう。それはそれでやはり親に少しは助けてもらっているのですから、親のやっかいになっていると言えます。

じゃあどこから「自立」というのか。誰の世話にもならないのが「独立」というのであれば、人間は生きている以上誰かの世話になったり助けてもらって生きているので自給自足で孤独に世界の果てで生きているんでない限り理論上は「独立」できないことになります。でもそれぞれの人の「独立の割合」はあると思います。90%以上誰かに助けてもらっているのか、50%以上は自分で賄って生きていられているのか、という具合に。

また、精神面で言えば「自分で考え、行動する。その行動に責任を持つ」という割合も独立度合いに影響すると思います。どんな仕事をし、どんな生き方をしていくのか。自分はどういうふうに生きていきたいのか。人と交わり関わって生きていく以上、自分という人間は世界に対してどうするべきなのか。「お金を稼ぎたい」とか「偉くなりたい」というのでも良いかもしれませんけど、もっと中身のある頭を使った生き方をして行ったほうが中高年になった時に無様にならずにすみますよ。

そう考えると「自立」もやはり口先だけでなく行動なんだな、と思います。

選挙権が18歳に引き下げられることは私はとてもいい事だと思います。ただ、そのための下準備をしないと大変なことになります。今の10代をはじめとした子供たちは「自分たちで何かを作り上げていく」という感性に乏しいと思います。自分たちの身の回りのことでさえそうです。なのに「日本という国はこれからどうなっていくべきか」という考えなんてほとんどの10代がちゃんと考えられるかというと・・・。大変心もとない。
もちろん大人もそうですが、今の子供たちが思うこと、子供に思わせるような環境って「周りが自分に合わせてくれて当たり前」の感性だと思います。学力が下がるのは学校の授業のレベルが低いから、友人関係・人間関係がきちんと結べないのは学校や地域での情操教育が出来ていないから。自分がうだつの上がらない人間なのは親の教育がなっていないから。そうやって原因を他に求めようとしすぎている気がします。
子供たちを教育し、良い方向に導いていくのはもちろん大人の義務なんですけど、「子供が自立した考えをもてるように」教育できていない大人が多いが為に、子供はそうやって責任感のない、問題を先送りにする性質が染み付いてしまうのではないでしょうか。

なので、とどのつまり子供たちのことを考えることは大人が襟を正さないといけないことになります。

「自分たちは立派に大人やってるよ」

と、果たして胸を張って言えるでしょうか?大人にならなければならないのはむしろ私たちの方ではないかと思います。

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