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ブレずに

2016-05-09 11:50:23 | Weblog
何かに一生懸命になること。これほど心が健康な状態は無いと思います。私が大好きな正岡子規は激痛を伴う病気を患い、六尺の病床の中にあって夢中で詩歌の編纂に挑みました。それは多分、自分の仕事への情熱もさることながら、生きる苦しみから解き放たれるには「夢中になる」のが一番だったからでは無いでしょうか。

心に余裕を持ってから、何かに一生懸命になる、のはもしかしたら順序が逆なのかも、と思います。心が閉塞的になっているからこそ、何か小さなことでも良いから夢中になることが出来れば、それがやがて達成感になり、進むべき方向が見えてくる、ということもあると思います。
ではどうしたら夢中になるのか。1つの可能性は子供の頃に夢中になる経験をしたかどうかがあると思います。もちろん三日坊主でもいいのですが、「ギュッと集中してた」ことが少しでもあればいいんだと思います。
そしてそれは無意味なもので良いんだと思います。
その集中によって何かを得たとかではなく、ただ欲求のままに一心不乱になる経験を積むことが大切なのでは無いかと。

例えば、私の経験で言えば、ただひたすらティシュ箱に筋肉ムキムキのイラストをひたすら書き続け、家中のティシュ箱にいたずら書きしたり、チラシのポップをひたすらアウトラインだけなぞり続けたり、無駄極まりないことに平気で半日とか費やしていました。

今思えばなんであんなことやってたんだろう、と思うばかりですが、大人になった今、「採算を考えずに集中する」ことの大切さを感じます。
人間関係にしても「これだけのことをしたから、利益を得ないと損だ」「この人に私はこれだけ投資したんだから、見返りがあって然るべきだ」と言う考えで人と付き合うと、相手からもそう思われてしまう気がします。

もちろん資本主義に生きてる限り、収益を自分で得ないと生き抜いていけないのはもちろんなのですが、人生の醍醐味はより自分の心が豊かになる生活や考え、人間関係を作って自分の本分を全うすることなんじゃ無いかと最近思います。

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