円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

とてつもなくかわいい

2023-08-31 19:23:47 | 2023年度雑記
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2023-08-31
夏休みが終わった。
授業が始まった。
教室に入る。

「おはようございます」
と僕が言うと、
「おはようございます」
とみんな答える。
大人はこんな元気に挨拶しない。

生徒はみんな笑っている。
ニコニコしている。
大人はこんなにニコニコしない。

「元気な人」
と言うと、ほとんど手を挙げないクラスがある。そして、
「まだ、勉強する頭になっていない人」
と言うと、ザーッと手が上がる。
大人はこんなふうに手を挙げない。
「そうですよね。今日はゆったり頭の調子を戻しましょう」

夏休み前の復習をする。
ろくに覚えていない。当たり前だ。だが一週間後に定期テストがあるのはなぜか?
素早いテンポでいろいろ答えさせて、
「やばいと思った?」
と聞くと、
(やばい、やばい)
と声と顔で答える。
大人はこんな素敵な表情はしない。

授業最後にコンビで言いっこさせる。
「今日、帰ったら何を勉強するか教えてあげます」
クラス全員、コンビニの顔を見てワイワイ言い合う。
大人はこんなことはしない。
「最後に。テストまでがんばろうねって言います」
みんなが、コンビに、がんばろうねっ、て言う。
大人はこんなことはしない。

とてつもなくかわいい。
とてつもなく、たまらなく、かわいい。

※とてつ【途轍】 もない/精選版 日本国語大辞典(ネット検索)
 すじみちに合わない。全く道理に合わない。とんでもない。
 また、きわめて図抜けている。途方もない。とてつない。とてっぽうもない。
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頭髪四色中を立て直した話7

2023-08-29 19:51:42 | 生活指導
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2023-08-29
頭髪四色中を立て直した話7
保健室の騒乱を収めたあとだったと思う。

朝、出勤すると僕の下駄箱のフタが、ボコボコに全面へこんでいた。
職員用下駄箱はスチール製で、一つ一つが、片側を軸に開閉するフタが付いていた。
僕の下駄箱の位置は、下から三段目くらいで、カカトで蹴り込むにはちょうどいい高さだった。

僕はフタをなんだこりゃと眺めた。
それから、フタを開き両手でもぎ取ろうとした。
左右にねじっても上下に体重をかけてガタガタゆすってもフタは取れなかった。

なんで何もしなかった大人じゃなくて、俺の下駄箱なんだ。
遅刻早退をなくし、授業と修学旅行と保健室を正常化した。
僕は靴を来客用の番号1の下駄箱に入れた。
それは、手を伸ばして上げる高さにあったからだ。
これなら蹴ることはできないだろう。
そんな気持ち悪い下駄箱に二度と靴を入れる気はしなかった。

2階の職員室に上がってから、誰に報告したか覚えていない。
23年前のことだから細かいことは忘れてる。
たぶん、学年主任とか生担とかに言ったんだろう。

でも、ボコボコのフタが話題になることはなかった。
生徒に聞き取りをするくらいはあってもいいんじゃないか?
こういう馬鹿げたことがあったとか全校生徒に話すだけでもいいんじゃないか?
数か月のうちに、僕のクラスのAとBや、隣のクラスのCの仕業だといううわさは聞いた。
結局、いわゆる生徒指導は何もなかった。
フタも少なくとも1、2か月、確かもっと、取り替えられることもなかった。

報復ではないが、隣のクラスからは想像できない変な反抗行為を受けた。
これはめんどくさいから書かないかもしれない。
次は9月の体育祭だ。
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頭髪四色中を立て直した話6

2023-08-28 19:27:06 | 生活指導
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2023-08-28
頭髪四色中を立て直した話6
保健室に毎日男子がたまっているのは聞いていた。

見に行ったのは夏前か夏のあとかどっちかだ。
学級のことで精一杯だったからだ。
とにかく、9月末の体育祭前に決着はつけた。

十分休み。十数人の3年生が、狭い保健室の中で暴れ回っていた。
ベッドの上に、5、6人の生徒が上履きのまま乗り、跳ね回っている。
その他の生徒は、鬼ごっこやプロレスごっこをしている。
昼休みも同じだった。

初めて見た瞬間僕は体育館で300人に通る声で怒鳴りつけた。
「出ていけ。遊ぶところじゃねえんだ」
僕は4月から温厚な新米で通していたから、生徒はすぐに言うことは聞かなかった。
なめているのだ。
何度か別の言葉で怒鳴り続けて全員外に出した。
養護教諭は、黙って背中を向けていた。

元々いる教員は、全員知っているはずだ。
こうやって放置して、1年次、2年次と暴れ方はエスカレートしたに決まっている。
その日から、授業が詰まっていない休み時間、僕は毎回保健室に行った。
そして、怒鳴りつけて、男子を追い出した。
自分のクラスも、隣のクラスもいた。
一切手は出さなかった。

そのうち僕は、休み時間になると同時に、保健室入り口にイスを置いて座った。
やってくる男子はまだいた。
「なんだ」
「身長を測りに来た」
とかなんとか男たちは言った。一人で来る度胸はない。
「放課後に来い」
と言っても言い訳する者には、戻れって言ってんだよ、だかなんだか忘れたけど
言って追い返した。

数日後、模造紙にでっかく文字を書いて、保健室のドアに貼り付けた。
休み時間に毎回僕が来られないときも多かったからだ。
「保健室は、体の具合が悪い人だけが来る所です。
 それ以外は入室禁止」
くわしい言葉は忘れてしまった。

9月末日に体育祭があって、そのとき保健室は落ち着いていた。
二クラスのうち二人が、体育祭の途中に勝手に出入りした。
その程度になっていた。

その間、他の職員は、ただの一人も保健室に来なかった。
3学年の他学年の教員はもちろん、3年の教員も来なかった。
僕が「一緒に保健室で追い出してください」と言わなかったから?
わけが分からなかった。

翌年、新一年生の担任になってすぐ【保健室利用カード】を勝手に作った。
それで、保健室で誰かが暴れることはなくなった。

だが、秋になり生徒の報復はあった。
少なくとも2年間当たり前のことを誰もしなかった八つ当たりが、新入りの僕に来たんだ。
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頭髪四色中を立て直した話5

2023-08-26 17:44:26 | 生活指導
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2023-08-26
頭髪四色中を立て直した話5
4月から修学旅行前までの国語授業は順調だった。
なんの問題もなかった。
生徒の能力は高かった。

4月はじめの学級開きはきつかった。
いつも通りレクをいくつか混ぜたが、女子5、6人は座ったまま全く動かなかった。
僕は笑顔のままひと通り済ませた。
レクで叱るのは素人だ。
修正できないねじれた感情があるのはわかった。

で、修学旅行だ。
修学旅行の企画は当然済んでいた。
僕が何を準備したり指導したりしたのか全然覚えていない。
ただ、
「席を立ったらイスを入れる」
「靴は向き直ってそろえる」
ことはコツコツ言っていたと思う。

関西方面の修学旅行は完璧に終わった。
【班別にタクシー】で移動した。
全員でぞろぞろ歩く場所もあった。
僕は二条城の前のチェックポイントで待つ役だった。
いい天気だった。
4月からの授業と生徒の様子を見たら、何も心配はしなかった。

二晩目の夜に、ひと部屋に80人近く集まって【レク大会】をした。
僕は種目とルールを決め、事前にメンバーと手順を確認させた。
絶対に失敗できない。
これを失敗したら、4月からここまで何をしてきたかわからない。
レクの直前、あまりに緊張して僕はめまいがして吐きそうになり、学年主任に、
「もしかしたら代わってもらうかも」
と言った。
レクは大成功だった。
ものすごく楽しかった。男子も女子も全員が熱狂した。
レク大会が壊れそうなハプニングは教員が協力して処理した。

夜の就寝時間に、生徒は【時間通りに電気を消した】。
これは、前にもあとにもこれ一度きりのことだった。
もう一つの一度きりがあった。
男子の部屋の入口にある【スリッパは全部向きを揃えて】並んでいた。
出かけて帰ったあと。一斉の夕飯から帰ったあと。寝る前。
七つか八つの部屋すべてのスリッパが、つま先を出口に向けてそろって並んでいた。
僕は、ひと部屋ひと部屋、それを称賛して回った。

朝の起床時間には、大人の先手を打ち、男子は寝具を片付けた。

帰りに中学校に向かうバスの中は、満足感であふれていた。
生徒も教員もみんな笑っていた。

生徒を帰し、職員は会議室に集まった。
ジュースで乾杯して反省会をした。
校長を含めた職員8人のうち、僕ともう一人の若手が新入りだった。
去年の宿泊学習を覚えている6人が一人ひとりしゃべった。
【「こんな修学旅行になるとは思わなかった」】
「完璧に時間を守って行動できたのは、(僕)が毎日遅刻を見て板書したためだ」
皆、感極まり途中で言葉を詰まらせた。
去年、煙草の吸殻を拾った行事とは大違いだった。
でも、生徒は皆同じ人物だった。
この記事が「立て直した話」だから傲慢にも書くが皆が、僕のおかげだと言ってくれた。
とんでもありません、と答えたが僕もそうだと思った。
とにかく、生徒がほとんど皆、優秀だったんだ。
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頭髪四色中を立て直した話4

2023-08-25 20:31:48 | 生活指導
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2023-08-25
頭髪四色中を立て直した話4
頭髪四色はどうなっていたか。
何をどう言いくるめたか、考えたか分からないが始業式の日クラス全員の髪は黒かった。
しばらく経って学年主任が言った。
「◯◯(女子)の髪が黒く染まっていないから注意してください」
僕は教室で言った。
「◯◯さん。もうちょっと髪の色を直してほしいと言われたんだけど」
まだひと言も会話したことのない彼女は言った。
「先生。私、去年髪の毛完全に緑だったんですよ」
「そうか。そうだな。わかった。他の先生には言っておくよ」
その後卒業まで髪の色で話をしたことはない。
今考えればだ。
髪を赤、青、緑、金色の四色に染める状態にした学年教師が来たばかりの僕に、
「染め直させろ」
と言うのもどうかと思う。
生徒はとにかく相当がんばって、何十人が一斉に髪を黒くしてきたのだ。

僕は始業式後、一年間毎日続けて、生徒が遅刻になる時刻より前に教室に入った。
そして、黒板の窓側に椅子をおいて座った。
登校時刻のチャイムが鳴り終わるまで、黙ってクラスを見ていた。
チャイムが鳴り終わると、黙って黒板の左端上にチョークで書いた。
【遅刻
 0/36人】💮
又は、
【遅刻
 2/36人】△
又は、
【遅刻
 5/36人】✗
書き終わると朝の挨拶をさせて、連絡をした。
遅刻の数については何も言わなかった。
これを、卒業まで毎日続けた。

それだけで、2年生のとき1か月に、ひとクラス数百あった遅刻と早退は激減した。
減ったというより、ほとんどなくなった。
たぶん、2年生のときは登校時刻に担任が教室にいなかったのだろう。
誰にも訊けなかったから想像だ。
【登校時に担任がいる】
当然のことで、【授業始まり前に授業者が教室にいる】のと同じだ。
その学年が、入学式の直後教室にいなかった時点で、崩壊は始まった。
でもそのことに誰も気づいていない。
ただ、入学式直後、担任が教室にいても崩壊は始まる。
着席させない。
自由に歩かせる。
かわいらしく寄ってくる1年生とべちゃくちゃ話をする。
そして、5分10分がたつ。
ああ。終わりだ。と経験者にはわかる。
1年生の最初が勝負だからだ。

僕は、遅刻の数と花丸とか三角とかの印を毎日メモしておいた。
そして、1か月ちょっとくらいあとに、それを学級通信に一覧表にして生徒に見せた。
「これだけ、みんながんばったわけだ」

反響もあった。
6月か7月の三者面談で保護者が何人か言った。
「今年は、朝あわてて支度をするんです。
 間に合わない、遅刻しちゃうって走っていきます。
 去年と大違いです」

そして、修学旅行がやってきた。
去年の宿泊行事で吸い殻が袋いっぱいに集まったのを誰も忘れていない。
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頭髪四色中を立て直した話3

2023-08-24 20:37:00 | 生活指導
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2023-08-24
頭髪四色中を立て直した話3
4月の始業式を、生徒は体育館で全員ひと言もしゃべらず聞いていた。
うわさに聞いた学校とは思えない立派な態度だった。

最初のHRのため、僕は生徒を教室へ引率し、そのまま着席させた。
そして語った。
「僕は、今年、二つのことを除いて、絶対に注意したり叱ったりしません。
 一つは、【時間を守る】ことです。
 朝の遅刻、授業の始まりなど、時間は必ず守ってください。
 もう一つは、【話を黙って聞く】ことです。
 話を聞いてくれれば、何があってもなんとかなります。 
 たとえば、服装、スカートの長さ、言葉づかい、髪の色などについては何も言わないということです」
そして【時間を守る】【話を聞く】の二つの言葉を、黒板の右上に貼った。
それは、一年間そのままにしておいた。

僕は、今までの学級経営の仕方はすべて捨てると決めていた。
去年、底まで行った生徒のすべてを直すことなどできない。
【片目をつぶり】
【生徒の目だけを見る】
そう決めていた。

後日のことだが、始業式後最初の朝会があった。
僕は学年主任に小声で確認して、3年だけを体育館に残した。
「3年生はこのあと話があるので残りなさい」
と僕は言った。
縦長に並んでいる2クラスの生徒を壁側に向き直させた。
生徒は座っている。
何事かという顔で生徒は音もたてない。
僕は、横に長い列の顔を見渡してから、たっぷり間を取って言った。
「今の話の聞き方は98点です。
 大変素晴らしい態度でした。
 黙って、顔を上げ、話を聞き続ける。こんな事ができる学校は市内にいくつもありません。
 市内に誇るべき3年生です。
 マイナス2点の理由は、うしろで二人の男子が途中だらだらと姿勢をくずしたからです。
 次回、挽回してください。
 以上。退場します」
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頭髪四色中を立て直した話2

2023-08-23 20:40:36 | 生活指導
カテゴリー別目次
2023-08-22
頭髪四色中を立て直した話2
3年担任は受けざるを得なかった。

新年度が始まる直前の学年会で僕は生徒について質問しまくった。
「弁当やグループ学習のとき、机をきっちりつけることはできますか」
「指名したら答えますか」
「男女の仲はどうですか」
「まっすぐ整列できますか」

20から30のものすごく細かいことを質問をした。
でも、もう忘れてしまった。
【細かいことを確かめる】のがとても大事だ。

そこでわかったことがある。
1 2年生のとき、生徒のほぼ全員の【頭髪】が赤青緑金などで染まっていた。
2 1年生の【入学式】のあと、担任は新入生を教室に誘導しなかった。
  職員室でのんびりしたあと教室に行くと、2クラスの生徒が入り乱れて廊下と各教室でしゃべっていた。
3 2年次、1か月間の【遅刻・早退】の数は、ひとクラスで合計数百回あった。
  生徒は登校したいときに来て、出たいときに教室を出て、気が向けばまた戻ってくる。
  出入り自由だった。
4 2年次の【宿泊行事】で、ひと晩に70リットルいっぱいの煙草の吸殻が集まった。
5 入学後2年間、【合唱】はできなかった。
  いくら歌わせようとしても、まったく歌わなかった。
6 【保健室】が休み時間のたまり場だった。

担任になったあと、異常なことがわかった。
彼らは全員、3年生の1年間、卒業するまで、誰も全く一度も【そうじ】をしなかった。

荒れたときのアルアルはほぼそろっていた。
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頭髪四色中を立て直した話1

2023-08-22 21:40:12 | 生活指導
カテゴリー別目次
2023-08-22
頭髪四色中を立て直した話1
(書いたつもりが、ブログを作る前のことだったのに気づいた話だ)

39のとき異動した。
異動先は、市内で荒廃度ワースト1か2の中学校だと噂に聞いた。
各学年たった2クラスの小規模校なのになぜだろう。

年度末の3月にそこの校長から電話があった。
「3年の担任をしてください」
それはないだろうと思った。
名もない馬の骨に、荒れ果てた3年の担任を頼むのはおかしい。
友人に相談した。
「断ったほうがいいよ」
それで、電話はこんなやり取りになった
「お断りします」
「お願いします」
「いえ、どうか他のかたに」
「お願いします」
「……考えさせてください」

同じやり取りが、4回か5回あった気がする。
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