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20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

市内国語弁論大会(14年前記事・公開)

2024-09-14 17:00:51 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
市内国語弁論大会2010年9月
市内国語弁論大会(14年前記事公開)
2010年9月記述・管理人50歳・本日再編集2024-09-14
(再掲かもしれませんが、僕にとって大切な文章なので残します)

今日は市内中学校国語弁論大会だった。
十数校から代表生徒一人と付き添いの教員、保護者が集まった。
僕の務める学校だけが、私立学校だった。
大会の最後に、公立国語科で大会責任教員の講評のようなものがあった。
その公立中女性教員は、7、8分間の間に31回、
「えー」
を繰り返した。
ひとコマの授業にして200回以上「えー」と言う計算だ。
こういう人が結構いる。
しかも、明らかに事前に生徒の作文題名からだけ推測して書いた、事前記述原稿の音読だ。
つまり、今日までに生徒が発表した何時間か、十数時間かの努力を無視している。
即日講評の能力がない、又は、恥をかきたくないのだ。

こういう行為を講評とは言わない。
ひどすぎて僕はうつむいて聞いた。
両隣に座っている。本校の15人位の生徒が、そんな僕を不思議そうに見ていた。
よくもまあ、あの十数人の代表生徒の努力の結晶のあとに、こんなひどい話を5分以上もできるものだ。
恥を知れと、僕は声に出さず叫んだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

僕は弁論会場に、本校生徒集合時刻の50分前に着いた。
昨日の前日リハーサル後、帰宅してから弁論者Aさんのことを考え続けていた。
僕は、
「がんばって」
という言葉が、いかに無駄で逆効果かを説明した短文を、
見学生徒と、もう一人の若い引率教諭に配っておいた。
周りが緊張するとAさんに伝染する。
見学生徒が会場に着くたび、その生徒に近寄り、

「Aさんに、緊張するな、は言うな。がんばって、は言うな」
「わかったら心の中で三回繰り返せ」
と一人一人に言った。済んだら名簿に丸をつけた。

待ち時間にホール前を覗くと知り合いのベテランY女性教諭がいた。
「や、やす先生ですか? どうしたんですか。弁論大会ですよ」

だから来たんだ。
彼女は二十年来の知り合いの国語科で、僕の私立勤務校近くの公立中にいる。
僕は干渉されたくなくて、初任校から遠い私立勤務校を誰にも知られないよう気を配っていた。

「あ、Y先生。お久しぶりです。身分はこういうものです」
と彼女に身分証を見せた。
隣の学校じゃないですか、と彼女は言った。

20年前、僕は30になるかならないかの頃、市教委に頼まれて新採用50人前後に研修講座をした。
その中の一人がY教諭だった。
知り合いなのでたっぷり皮肉を言った。

「Y先生。本日は、本市の弁論のレベルを勉強させていただくために参りました。
何しろ、うちの毎日ベロンベロンの校長によれば、本校は公立中の先生がたから、
ベンロンノレベルガ毎年サイテイ、と言われているそうですから」

弁論大会で最低の評価がずっと続いていると言ったのは、勤務している私立学校の校長だった。
「私はね酒好きでねぇ、
よく市内の校長と飲むんだけど。
うちの中学生の弁論はレベルが低いって。
いつも公立の先生がたが、酒場でそう言っているんですよ。」

それは、校内の中学生全員を集めた、集会の言葉だった。
まだ子どもの、しかも自分の学校の、中学1年から3年まで全員を集めた集会でそんな話をしたのだ。
ひどい管理職はずいぶん見たが、下には下がいる。
「う、ち、の、さ、ん、ね、ん、せ、い、の、弁、論、の、レベルが低いだとっっっっっっっお!
二日酔いの学校○も、こ、う、り、つ、の、や○○も、どの口で言ってやが○○だっ!
見てろよおおおおお」
と、僕は心に決めた。
校長はじめ教員はともかく、僕が授業していた中学1年、3年は抜群に素敵で優れていたからだ。

本校周辺の公立中学校の授業の様子は近隣の公立中教諭から聞いていた。
授業不成立の公立中学校の教諭は飲み会で集まると、僕の勤務校の弁論のレベルが低いと言っている。
うちの3年生を舐めているとしか思えない。
勤務校の、僕のこんな素敵な中学3年生をだ。
校長の言葉を聞いてから、市内の公立国語科に目にもの見せてやるという感情が芽生えた。

以来1か月。
授業で練習を繰り返して、弁論発表会の今日が来た。
大会には、学校代表のはずだが、3年生ではなく2年生の弁論が8校続いた。
厳しい学校状況なのだろうか。
3年より2年の力が上なのだろうか。わからない。
前半の約10人の弁論が終わり、休憩後3年生の弁論になる。

僕と練習した、Aさんの弁論はここではどう聞こえるのだろう。

Aさんを含めて「弁論」と言えるレベルに値する発表は、3年生9人中3人いた。
3人のうち一人は実に良かった。
力強い。
間もスミを押さえることも習っている。
内容に深みもある。
3人を除く3年生も皆素敵だった。
指導法を知っている教員もいるのだ。

ただ、国語科が聞けばすぐわかるが、教師が見栄のため、ズタズタに書き換えた作文が数点あった。
そんな語彙と言い回しを中学生は持っていないのだ。
なぜ、そんなことをするのだろう。
その教師や中学校にとって、何が大事なのだろう。

他校で、実に優れた女子生徒が一人いた。
でも、本校のAさんはその生徒を上回った。ものすごい勢いだった。
緊張のきの字も見せなかった。
昨日の学校内でのリハで、彼女は9月以来、初めて硬い表情を見せた。
もしかしたら学校でやったとおりにできないのかもしれない。
そう思った。それはそれでよい。なんでもない。
Aさんは大きく学習をして育つ。
だから、見栄のためズタズタに書き換える国語科の気が知れなかった。

本番、校内練習の二倍くらいの迫力でAさんは語った。
そんなことは、普通の教員ごときには決してできない。
ニコニコと。
会場全員を見渡して。
自然に湧き出す身振りを交えて。
マイクなどAさんだけには必要ない声量だった。
Aさんのあと、他校5人の3年生が語った。
Aさんの直後が、実に優れた女子だった。
その優れた女子は、まさか過去20年間、最低の弁論をした私立学校の生徒が、
最高の弁論をするとは思わなかったのだろう。
それで、Aさんが自然に体から湧く身振り手振りを、急に真似し始めた。
生徒を悪く言うつもりはない。
でも、思いついたことをできるはずがない。
不自然で、気の毒だった。
だが「弁論」としては比較にならなかった。

発表会が終わり、帰り際、前述のベテランY女性教諭が僕を見つけて近寄ってきて言った。
「見違えるようでした。
いちばん良かったです。」
僕は答えた。
ホールに響き渡るように。
「いえいえ、公立の先生がたにはとてもかないません。勉強させて頂きました」

後日、Y助教諭がメールを下さった。
「本当に、**私立中学校の生徒は、20年以上最下位の発表だったんです。
指導でこんなに変わるんですね。
なんだか、怖くなりました」
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どんどん漢字を書く力が落ちる理由

2024-09-03 18:44:17 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
どんどん漢字を書く力が落ちる理由
2024-09-03掲載 2024-06-06記述
 46歳の時に公立の中学1年生を担当した。
 現在勤務している公立中学校の生徒と同じように、授業が始まるときには、全員漢字ワーク・プリントが開いてあった。
 その漢字ワークには、「なぞり書き」の部分がなかった。それで、手本の小さな漢字をなぞらせた。そして、コンビで採点させた。
 学年に一人、重い障害を持つ男子がいた。上手に歩けなかった。字を書くのも苦手で、漢字をなぞるのは、とても難しい。
 しかも、彼は翌日になると、担任の先生の名前を忘れてしまう。僕の名前も明日になると忘れてしまう。
 僕は4月に、心に決めた。
「今年1年間で、一度でいいから、漢字ドリルで満点を取らせよう」
 満点と言っても、10点か12点だ。だが、その満点は彼にとっては、1000点、2000点の価値があるはずだ。
 彼は毎日、休み時間のうちから、その日の漢字を「指書き」で練習していた。そして、僕が教室に行くと、ヒマワリのような笑顔で
「練習しました」
と言った。
 彼は書くのがゆっくりで、文字も読みにくい。だから、毎時間僕が採点した。コンビの生徒には、自分で採点するよう頼んだ。
 4月が過ぎ、5月のある日、彼は10点満点を取った。
 僕は丸をつけながら、見まちがいがないかよく見てから、
「○○くん。満点だよ」
と言った。胸がいっぱいになって、それ以上何も言えなかった。彼の手を両手で握りしめた。

 50歳の時に、私立の中学1年生を担当した。
 同じように、指書き・なぞり書き・写し書きを毎回やった。
 ある日、小柄な男子が質問に来た。
「どうして、先生の授業は、早く終わるんですか?」
 どういう意味だろう。僕はそのとき、うまく説明できなかった。
 夏が過ぎ、秋になって、その男子のお母さんが、僕に手紙を渡しに来た。わざわざ学校に来て休み時間の教室に来てくれたのだ。
 手紙にはこんなことが書いてあった。

【息子は、小学校の時、漢字テストはいつも0点でした。
 まったく漢字が書けませんでした。
 国語以外のどの授業でも、時々頭痛が起きて、帰宅することがありました。
 ところが、先生の授業になって、漢字がだんだん書けるようになりました。
 最近はいつも満点です。
 家に帰ると、「カエルの授業はああだ、こうだ」と色々話します。
 失礼ですが、先生のことを息子はカエルと呼んでいます。
「授業を全部カエルがやってくれたらいいのになあ」
と言っています。
 母親の私には、漢字などがなかなか覚えられない特徴があり、息子も同じ状態らしいです。
 この学校に入学させるとき
「息子は勉強が苦手なタイプだが、きちんと見てもらえるか」
と質問しました。校長先生は
「うちの学校には専門家がいるから、大丈夫だ」
と言いました。
 けれども、先生の中に専門家は誰もいませんでした。
 先生のように知識のあるかたに授業が当たって、ありがたいです】

 漢字が全くできない生徒と保護者にとって、漢字を書けるようになることは、大きな喜びだ。 
 僕は40歳過ぎてやっとまともな漢字指導ができるようになった。
 小学校・中学校で、授業の中で毎回5分ずつ漢字指導をする。
 それだけで、漢字は宿題の悪習の、何倍も生徒の力がつく。
 そうでなければ、上の二人のような生徒は決して生まれない。
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あるひとコマ50分間の授業記録

2023-06-20 18:47:08 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2023-06-20
【あるひとコマ50分間の授業記録】
 チャイムが鳴っているうちに、おはようございます、と言う。
 軍制用語は使わない。

「漢字ドリル開いている人。合格」

ドリルは置いといて、熟字訓のフラッシュカードを読ませる。
30数枚を一枚、秒以下でめくる。生徒は読む。

「ドリルは**回テストですね。30秒前。・・・隠して。テスト始めて下さい」
テスト12問をして、勝手にコンビで交換して丸つけをする。
勝手に次の予習ページをする。
その間に、教科書*ページと書いておく。

「今日から、教科書の短歌に入ります。
 赤ペンでもラインマーカーでも出しなさい」
「先生が読むので、あとについて読みなさい」
7行の短歌概説を負い読みさせ、キーワードに色線を引かせる。

「今読んだ7行を、コンビに読みなさい」
全員が一斉に読む。

「次の短歌を読むのでついて読みます。……」

「教科書に、五七五七七に区切って線を引きなさい。コンビで答え合わせ」

「次に、短歌の解説が書いてあります。ついて読みます」
「コンビでセーノで声を合わせて五行読みなさい」

ノートを出させる。
板書。日付を書く。6月はナニヅキ? 水無月。横に書かせる。毎回そうする。
「短歌を、上の句と下の句に分けて、2行で写したら持ってきます。
 印をもらったら、作者から始めて完全に暗記しなさい」
印を押す。
列は作らないスピードで処理する。

「コンビで一人立って、暗記テスト。」
いつも通り。
「僕に向かって、作者から。はい。」
全員が暗唱する。

「問題を出します。まるいち」
板書しながら、ごく簡単な問いを四つ、板書しながらバラバラに答えさせる。
問うたびに「コンビで5秒で解決」と何度か言う。
コンビで5秒、コンビで3秒と言うたびに全員が相手に何か言う。
5秒でも少し長く、10秒相談させるのはよっぽどの場合だ。

「5時間目なのに、素晴らしい集中力でした。
 コンビに、お疲れ様でした」
おつかれさまでしたぁ!!! 毎時間全員が向かい合って言う。
軍制用語は使わない。
終了。
*********************************
自己評
1 秒単位で空白がない。
  寝るどころか、私語、お絵描き、ボッ~とする、うつむく間もない。
  何か終わったあとの指示をしているのも、理由の一つだ。
2 50分間常に全員が参加している。
3 常に、全員が一度に一つのことだけを思考・作業している。
4 激励は常にしている。
  自分の目標ひとコマ20回は越えている。
 「君たちは短歌の天才だ」「ものすごく元気だ」「最高にセンスがいい」「よくやったね」
5 意味をたまに説明する。短く。
 「暗記すると、短歌のカタチと、作り方が分かるからです」
6 説明しない。
  上の通りすべて指示・発問だけだ。
8 一つの思考・作業が短い。
  短いから個別の時間差ができない。
9 板書が少ない。
  板書の視写に、学力の習得のための大きな意味はない。
10 プロジェクター・PCを使わない。
  僕以外の多くの授業者がPCからプロジェクターの画面を使う。
  僕はテンポが落ちるので使う気がしない。学習効果も僕には理解できない。
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実習生による授業評230525

2023-05-25 21:50:14 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2023-05-25
参観者 男性 二十代後半 実習生
被参観クラス 中学2年 古文

********************************************
まず最初に感じたのは生徒と先生という関係性や責任のありかが曖昧になっていないという点です。
安先生は生徒の準備が遅れている原因が 前時の授業にあると理解し、
それは生徒の責任ではないので慌てずしっかり準備するようにおっしゃっていました。

当たり前のことではあるのですが、どうしても学校という空間では 
先生と生徒の距離感は柔軟に操作せざるをえなくて 
その中で先生が悪いことは先生が悪いのだと伝えることが難しい場合や
ためらってしまう場合があるイメージを持っていました。

安先生のように 毅然として責任のありかを生徒に伝えることは 
生徒を守り、安心感を生み出すとともに、
かえって生徒に自分の責任になる場合を考えさせることもできるのではないかと思いました。

授業内容に関しては、安先生には既にお伝えしましたが、
生徒の集中を引き出すためにしていると感じた工夫の数に驚きました。
そして 単に集中を保つためや積極性を高めるためだけでなく
生徒の様子をチェックすることにもつながっていることには 自分でも気付くことはできず、
授業終了後に安先生に 7つ、8つもの原則が込められていると聞いてさらに驚くことになりました。

授業中にはそれらが学習の効率や確実さのためにあるのだと考えていましたが、
確かに違う生徒、違う環境の教室での授業も想定すると
まず授業という形にするために必要なことなのだと思えました。

他の授業を見学している際に、今何をすればいいのか、何をする時間なのか、
黒板の文字をプリントのどこに書き写せばいいのか わからなくなっている生徒を見かけました。
この中学校の生徒は真面目でおとなしい生徒が多いので そこで困って黙るという形で現れていますが、
これが別の場所では その場で暴れる場合や、教室を出る場合、
そもそも授業に出席しない場合などもあると思います。
これらの場合に対処する前に そのようにならない授業づくりが大切なのでしょう。

例えば、やることがはっきり分かるように 細かく作業時間を分けて都度チェックすることや
あらかじめ全体の作業の見通しを伝えること、
二人組や三人組を作り 互いに状況を確認し合えるようにするなどの工夫は当てはまると思います。

また、授業に参加している感覚を生徒自身が持つことも大切だと感じました。
前述の複数人での作業や声を出して学ぶ事を勧めていること、
立つことで 座って前を向く姿勢に対して変化をつけていることを見て特にそのように思いました。

授業が始まる前に安先生に、生徒の顔が見られるように見学した方がいいとおっしゃっていただいて
特に生徒の顔や授業の様子に注目していたのですが
そうすることで先生の工夫が実際に効果を発揮しているのか、
発揮していない生徒は誰で どのような生徒かわかりました。
そうして把握していくことが適切な生徒支援の第一歩なのだとわかりました。
漢字の読みを確認するときにカードを掲げていたことも そこに目線を集めることで
授業を行いながらも生徒の顔を確認しやすくする一面があるのではないかと思いました。

安先生の授業は是非見学するようにと 
◯先生からおすすめされて身構えていたところもあったのですが、
実際に見学してとても勉強になりました。ありがとうございました。
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道徳授業レーナマリア・参観4

2021-11-12 22:05:08 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-11-12
とても若いかたも授業をみてくださっった。

「道徳の授業ありがとうございました。
以前見せてもらった国語の授業と、雰囲気が180°違い、
課題や内容に合わせた雰囲気作りが大切だという事を学びました。
「幸せって何だろう」というテーマだったと思いますが、
私もあのあと色々考えました。
仕事が忙しく投げだしたくなる時もあるけど、
五体満足で、家族や友人、同僚に支えてもらい、
応援してくれる人がいるという事がどれだけ幸せなことか、と自分でもすごく考えて
これが道徳だな、と感じました。
自分としては程遠いような人生を歩んでいる人の人生を自分事に捉えるのは
かなり難しいのに、中1であれだけ考える事ができるんだ、と思いました。
また勉強させてください!」
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道徳授業レーナマリア・参観3

2021-11-10 20:45:11 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-11-10
若く優れたかたとの会話。

「あの授業は真似できませんね」
「それが、わからないんだよね。
 ワークシートの発問読んで、生徒が発言して、ビデオ見せるだけだから、
 いちばん真似しやすい授業だと思うんだけど」
「できないですよ」
「なに? なにが難しいの」
「何でしょう。話し方かなあ。立ち居ふるまいとかも」
「パワポの発問読んでるだけだよ」
「んん~。話し方? 間のとり方かなあ」
「間かあ。たいして特別なことしてないよね。真似できないっていうのはなぜ」
「なぜだろう。んん~。よくわかりませんけど。できない」

感想は書いてください、とねだっておいたので、うまく書けなかったのかもしれない。
(真似できないのが、なぜだか、観たあとでもよくわからない)
ということだった。
話してくれてありがとうございます、と礼を言った。

僕が三十代、四十代のとき(あの人たちの授業にはとても追いつけない)
と思ったような授業になってきた? 
・・・わけはない。
それほど甘く考えてはいないけど、前回記事でも、この会話でも、
今まで言ってもらったことのないことを言われた。
それは、けっこううれしい。
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道徳授業レーナマリア・参観2

2021-11-09 19:39:54 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-11-09
大ベテランの指導員の方が、前回と別クラスの授業を参観してくれた。

◆聞き取りメモ 編集済 ここから*******************

1 人物写真の第一印象はプラスで明るい。進んでいくうちに苦労が分かる。

2 しっとりとした道徳。流れを練っている。
  ⇒深まる・一つ一つ段階的に画像と動画を見せる・流れが良い

3 普通は動画をすべて見せてから問う。だが、場面ごとに考えを問うた。
  少しずつ区切って見せたのが深まりにつながった。

4 「あなただったら」と繰り返し問う。
  =真剣さが増す。

5 発表に対する、授業者のひと言が、あたたかく発言しやすい。
  =安心して発言できる。

6 だんだん、生徒の考えが修正され、深まるのが道徳。
  それがよく見えた。

7 授業者の余計な言葉がない。

8 場面転換でも、何も言わない。生徒が考える。

9 全員の発言の場を、ひとこまで作るのは難しい。
  だが、グループ分けの指定でできた。

10 グループ内意見交換で、意見が変わるはず。
  だが、それを吸い上げることはできなかった。

11 余韻がある。
  心が「まあるく」なる。
  しっとりとして終わる授業だった。

12 時の流れ・空気の流れ・味 が違う。
  見たあと真似しようとしてもできない授業。

◆聞き取りメモ 編集済 ここまで*******************

……ふーん。そうかぁ。そんなふうに見えたのかぁ。
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道徳授業レーナマリア・参観してくれた

2021-11-05 20:26:55 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-11-05
道徳の授業は4月から、ほぼ毎週している。
先日、20年ぶりのネタを同僚が観てくださった。
「これは皆さんにできるようになってほしい授業です。観に来てください」
と言ったら、一人ほんとに観に来てくれたのだ。
僕は「レーナ・マリア」という教材がどうなのか知りたかった。
でも、思いもかけず授業スキルや教材感を鋭く観て頂けた。

◆感想 ここから***************************
2021年中1
道徳の授業にお誘い頂きありがとうございました。
参観させて頂き、一番の気持ちは「観られて良かった。自分にいかそう」です。
私は自分が大好きなので「自分なりでいいや」といつも思ってしまいますが、安先生の授業から
「もっと子ども達のために自分を成長させて、子ども達を育てられる教員にならないと!」
と強く思いました。
この気持ちを忘れないよう、また授業を参観させて下さい。
参観ポイント
1 子どもの意見をくり返さない。
2 動きを少なく、堂々と! 落ち着いた雰囲気ができる。
3 当て方の工夫(6人グループから1人ずつ 又は 2、3人ずつ 又は6人全員など)
    ・グループ内で意見を交換してから発言者を決めるケース。
    ・意見交換なしで発言者を決めるケース。
4 指示が的確
    →子どもが困らない。質問がない。
    →内容に集中できる。
5 授業者が明確な意図と授業のイメージを持っている。
    →一つの授業の重さを感じた。教員のあるべき姿。
6 「マリアさんは不幸ですか?」 
    →多くの生徒が「いいえ」か「どちらでもない」
    →「本当にそうですか?」 ドッキリさせてくれた助言でした。
◆感想 ここまで***************************

【授業後、空き時間に、質問と検討にひとコマを割いてくださった。びっくりした】
Q1 時間配分がバッチリだったが。 
A 一度に6人立たせるとか、時間の無駄を省く。
 (あとで考えたが、
 ・五分前には最後の提出用紙を書かせ始める
 ・十五分前には最後の動画を観せ始める
 ・常に腕時計を見る、
 と最後に目標地点に届くように、時間配分を考え続けた)

Q2 なぜこの授業をしようと思ったか。
A ビデオが力のある教材だった。
  「不便と不幸」は違うということを伝えたかった。
  「生きやすさ・生きにくさ」も。

Q3 一人だけが「レーナさんは不幸だ」と答えて、他は「不幸ではない」と言ったときの助言。
A「本当に、不幸ではない、ですか? 今あなたに両手がない、足がないとしても。本当に」
 と言ったのは、その場の思いつき。あまりに自然に流れたから。

Q4 立って動かない。
A 過去に教わったのは
  「どっしりとたつこと」
  「目力と立ち姿だけでその場の空間を支配すること」

Q5 後ろを向いて全員に向かって発言した生徒を、すぐ指摘した。

Q6 指示をすべて一発で聞かせた。
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国語中学1年2021前期まとめ456789月

2021-09-19 16:50:43 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-09-19
2021年9月初め
2021年4・5・6・7・8・9月授業
<これを表紙に、今までのプリントをはずしてとじて持ち帰り>

■中間テストまで 4~6月■
◆【勉強のコツなど】◆

1オススメマス目ノート
2オススメ9ミリシャーペン
32穴ファイル
4手に何も持たずに聞く
5段取り能力(教材準備して休み時間)
6机の上は片方に積む
7漢字ドリルがどんどん速くなる
8丸付けコンビ(30 秒あっちホイ)
91分交代読み
10よい拍手の仕方
11あらすじ
12カンニングの三つお見通し
13テストの返され方
【教科書など教材】
1早口言葉
2『熟字訓』読み(フラッシュカード)
3漢字ドリル(指書き・なぞり書き・写し書き)
4『うとてとこ』
5『言葉あそびうた・谷川俊太郎』
6『朝のリレー・谷川俊太郎』
7『ホムンクルス』(指の神経)
8『おれはかまきり』音読テスト
9『原稿用紙の使い方・たて書き』(&記号の名前)
10 文法『文・文節・単語』
11『五色百人一首・青から』
12『偏=へんの名前』フラッシュカード
13『シンシュン』
14「発」「耳」など書き順
15『ちょっと立ち止まって』

■期末テストまで 6~9月第一週まで■
◆【勉強のコツなど】◆

1漢字ドリル勝手に交換丸付け
2テスト用できるかなチェック
3追い読み(音読の姿勢の3ポイント=両手・首筋・足の裏&天井)
4教室半分向かい合い次々発表
5AかBか発表
6丸5個書いて読む
7スタンプ努力点
【教科書など教材】
1『ダイコンは大きな根?』
2『大人になれなかった弟たちへ・・・・・・』
3感想発表(◎○△×)
4十二支(フラッシュカード)読み+漢字書き
5月の異名(フラッシュカード)読み+漢字書き
6作文①『私の将来の望み』
7作文②『朝起きてみたら』
8文法『主語・述語の探し方』
9 テストセットプリント
10『五色百人一首』青黄桃緑橙
11 国語便覧(こくごべんらん)4月から

<非認知能力とは>
「学力テストなどでは数値化されない、子どもの将来や人生を豊かにする力」
(例)
1自己認識=自分を信じる力
2セルフコントロール=自制心
3クリエイティビティ=工夫する力
4意欲=集中力
5メタ認知=判 断力
6社会的能力=思いやり
7忍耐力
8対応力=失敗から学ぶ力
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5月の授業・夢なのかもしれない

2021-06-06 17:07:00 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次
2021-06-06
5月の授業。

①熟字訓・部首(へん・かんむり)フラッシュカード(視覚と聴覚を使わせる)
 「熟字訓」読み方は、約110語を4月にだいたいクリアーした。
 だが、短縮授業の間やらずにいたら、5月終わりにだいぶ忘れた。
 部首の名前(かんむり)はけっこう難しいらしいので後回しにした。
 (へん)の名前は復習し始めて、だんだん覚えている。
 数十年来同じく、しめすへんところもへんの区別は最初ほぼ全員わからなかった。

②漢字ドリル(30分から10分以内へ・長い目で見れば最初は丁寧に)
 選んだ漢字ドリルは、右が練習で左がテスト形式だ。
 何も言わずやらせれば、両方合わせて5分で終わる。
 手のひらサイズの12問、12点ドリルだ。
 でも、終わらない生徒もいる。
 5月初めは、指書き・なぞり書き・写し書き、を確実に教えて、
 左右いっぺんにやっていたら、30分かかった。
 その状態をじりじり縮めて、練習とテストを分けて10分以内まで来た。

③交代読み(読めないものは書けないし理解できない・常に読み先習)
 コンビの1分交代読みはどんどん速くなる。
 高校3年まで、これは楽しいらしくてものすごくよくやる。
 題名の横に5個丸を書かせて、塗らせるのはいつもどおりだ。
 いつも4回やるが、2、3分で終わったコンビは続けて最初から読ませる。
 一人か二人は、2回読む。
 5月終盤は、
 「●ページ開く。開けた人は起立。最後まで読み終わったら座る。よーい始め」
 で、一つ丸を塗らせる。

④短編の小説と説明文
 感性豊かな人たちなので、今度の小説は簡単すぎてつまらないという生徒がいた。
 だが、全員感じ取る力は高くて、初読の感想は過去最高のレベルだった。
 基礎的な学力と、感性は、恐ろしいほど一致する。
 短縮授業が続いたのと、漢字に時間をかけたので小説に時間をかけすぎた。
 あらすじと主題の違いは教えたが、あらすじしか指導できなかった。
 ただ、1から5まで板書しておき、
 「書けたら持ってきなさい」でノートに番号を書き、
 「1番に書きなさい。2番に書きなさい」方式を何度かできた。
 それで、入れるべき言葉の付け足し方と、字数の削り方を見せたのはよかった。
 説明文では、指示語のさすものを探すのは結構難しいのだとわかった。
 丁寧に進めて、もう少しで終わる。

⑤五色百人一首(大事だけど漢字のほうが)
 一つの小学校が、過去例を見ないほど徹底的に五色百人一首を定着させた。
 相当の覚悟と指導方法を持たなければできないレベルだ。
 まったくやっていないもう一つと差がありすぎて、やり方には工夫がいる。
 でも、なぜ五色より漢字の読み書きに力を入れなかったのだろう?

⑥私語というものが存在しない(授業の勉強をしてきてよかった)
 4月からほぼ私語はなかったが、数人おさまらないのがいた。
 5月からは、私語で困るというより、私語がない。
 思う通りに進む。
 怒ったり叱ったりしたことは、一度もない。
 私語で授業が成り立たないというかたもいる。
 せめて一つ、二つの原則を学べばうまくいくのに残念だ。

⑦「安先生がいちばんわかりやすい」
 いちばん勉強が苦手な生徒が言ったので、
 「なぜかなぁ?」
 「わかんない」
 「そうか。そうだよね」
 とやりとりした。

……とにかく、授業が楽しくてたまらない。
これは夢なのかと思う。
去年までの高校の授業を思うと、この中学校に就職できたのは奇跡だと思う。
いろんな人に感謝でいっぱいだ。

行事の指導もとても楽しかったが、下らないこともあったので書かない。
書けば参考にしていただけることもあるような気がするが仕方ない。
コメント
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