円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

腹が痛い

2023-01-31 21:08:08 | 2022年度雑記
カテゴリー別目次
2023-1-31
アレルギー原因分からず。
手を尽くしてどうにもならず、とうとう転居することにした。

あるクラスが転居先当てゲームに入った。
ヒントは?
同じ市内?
近くに何がある?
「じゃあ。とにかく、3回答えたうちに当たったら教える」
彼らはすぐに1枚目のカードを切ったが外れた。

質問に僕がいちいち答えるので、逆に生徒が訊いた。
「先生は、僕たちに引っ越すところを教えたいんですか」
「教えたくねーよ!
 でもね。僕に関心を持ってくれることが嬉しいんです。
 もう、僕にそんな興味を持ってくれる人ほとんどいないからね」
生徒は黙っていた。

彼らの調査は二週間に渡った。授業が始まったとたん、
「渋谷ですか」
「んんん! それって人間の会話としておかしいだろ。もっとやりとりというものが」
「ヒントは? ヒントは?」

今日、数日ぶりにまた攻めてきた。
もう飽きたかと思ったらまだゲームは続いていたらしい。
なにしろグーグル先生がいるから彼らは無敵だ。
「何々が近くにある? 遠い。近い?」
「じゃあさ。2枚目のカードを切ってみなよ」
いくつかの候補があったらしい。
「二つあるんですよね。うーん。」
「いいじゃん。まだ、2枚あるから」
すると彼は、後ろ手に余裕で窓外を眺める僕に言った。
「じゃあ。……フロストラトス新宿っ」
なに~! 力強い声に、僕は窓に全身を投げ出し、嘆息した
「ああああ~~~」
その途端、クラスは大喝采に包まれた。
男子は笑った。女子も笑った。なぜかみんな拍手していた。
早すぎる大当たりだった。

「こんなに早く、君たちのゲームの楽しみを終わらせて残念です」
と僕は言った。
その後40分間、幾度となく賢い彼らは切れ味よく「フロストラトス」と、
僕の授業解説に突っ込んだ。
そのツッコミのタイミングに、みんなが爆笑した。
何度も爆笑した。
僕も息が止まるほど笑った。

徒歩の帰り道。僕の弱った腹筋が痛くて痛くて涙が出た。
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