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発達障害・掲示物を黒板周りに貼ってはならない

2010-10-12 18:03:16 | 普通教室に特別支援を
2010/10/12up全ページ目次
発達障害・掲示物を黒板周りに貼ってはならない 

僕は別の学校の授業参観、非常勤で勤め始めたとき、すべての教室の黒板周りだけをを見て歩く。
早足で1階から4階まで、黒板周りだけをのぞいて見る。
担任が勉強している人かどうかそれでわかる。
(例外は常にあるが)

「黒板にペタペタ紙がはってある」
「黒板の上や左右にものすごくたくさん模造紙・画用紙がはってある」
「しかも、赤・オレンジ色の紙だらけ」


こういうときは、まず何も勉強していないと思っていい。
黒板周りの掲示物が、生徒の集中力を削ぐことは当然知らない。
人間に「色」がどんな影響を与えるかさえ学んでいないのだ。
実際に、その学校の友人に聞くと、そのクラスや学年の様子は予想通りだ。

「黒板には何もはっていなくて、しかもきれいに掃除されている」
「つまり、板書がたくさんできて、板書の字が見やすい」
「つまり、生徒に黒板に答えをたくさん書かせている」
「黒板周りには、一枚も掲示物がない、又はものすごく少ない」
「かつ、はってもよい紙の色を知っている」


こういうクラスの担任は、発達障害児とそれ以外のすべての生徒の集中力について学んでいる。
間違いない。

下記のいくつかのメモとリンクは、専門家の言ったことで僕の自己流ではない。
■引用ここから■
「教室の前には、きれいな黒板だけがある」
これは、特別支援教育の専門家の間では常識なのだ。

■引用ここまで■

教育に携わる教員という職業ならば、知らないでは済まされない。

もっとも、知っても実行しない人も多い。
なぜかわからない。
できる人は、知ったその日の放課後に、すべての掲示物をはがす。
30分で済む。
そういう知人は、校内で抜群に授業の評判がいい。

かくして、数年で優れた授業ができる人と、数十年たっても大学生以下の人の差ができる。
授業の質は、年齢も経験も無関係だ。
勉強の量と、するべきことをすぐにするセンスが授業を左右する。

医療・職人・サービス業などでは考えられないが、教員は教えるシステムがない。
代々、教えられてこなかった年配が、
「自由に思ったとおりやればいいんですよ」
とか、
「大事なのは情熱だよ、hyokoさん」
とか、
「授業なんて、年数がたてば自然にうまくなるよ」
などと、信じられないことを言う。
「授業なんて、落語を見ればうまくなる」
という社会科のベテランもいた。
その人は、本当に落語しか勉強しなかったのだろうか。

かくして、たまたまセンスのある人だけが自腹を切り、本・DVD・セミナーで学ぶ。
ほとんどは、同僚から正しいことを教えられても、聞かないし信じない。
ヘンな癖がついているからだ。
これを、自己流という。
天才ピカソでさえ、数え切れない模写をしている。
自己流で通る仕事はない。
学校も通らない。
だが、チェック機能がないから、自己流で通っているような気になる。
「私はこれでやってきたから、いいのだ」
月に本の5冊も読まずにそう言う人もいる。

僕も過去に、転勤してすぐ学年教師に「色の影響一覧表」を配った。
年数はベテランがそろっていた。
一人だけ始めて担任を持つ人がいた。
誰も読みもしなかった。
教室は何も変わらない。

現状はそういうことだ。
だから、お金のある家庭が私立へ行く。
「教育レベルの二極化」だ。
日本すべてが二極化していく。
現状はそういうことだが、そのままでいいはずはない。

■リンク紹介ここから■
(1)■色が人間の心理に与える影響 ニュース-ORICON STYLE-■  
(2)■色の影響一覧表■  
(3)■発達障害の基礎 書き抜き等②
 「前面黒板上の級訓などの掲示物が<特別支援>を要する子にとって
  どれだけ障害になっているか、わかっていない」
 「授業中に、前を見ると教師の顔より、教師が言っていることより、
  黒板上の掲示物に目がいって、授業どころではなくなるのだ。
  注意があちこちにとびやすいので、授業に集中させるためには、
  前には黒板だけが望ましいのである」
 「これは、特別支援教育ではすでに常識である」

(4)■30万円分の授業DVD■  
 学校公開日の参観翌日、小学3年担任の佐藤さんと飲んでこんなことも聞いた。
 hyoko
 「全クラス見て回ったけど、4年生だけは三クラスとも黒板周りがきれいだったね。
  その次が佐藤さんの3年2組。あとは全部ダメ」

 s
 「そうなんですよ。4年の先生はすごいんです。
  あの学年は3年のとき荒○ちゃって、外から来た人が三クラスとも持って、
  今はすごくいい感じになりました」

 hyoko
 「やっぱねえ。黒板周りだけで、分かるんだねえ」

(5)■メンタルクリニックDr講演■  
 「黒板周りの、カラフルな掲示物はダメ」
(6)■発達障害の基礎 書き抜き等①
 「刺激の少ない教室にする。」
 「黒板には何も掲示物を張らないで、右端から左端まで一気通貫で子どもが書けるようにしておく」

■リンク紹介ここまで■

■ブログ内発達症対応リンク■
発達障害の基礎 定義・授業対応等①
ADHD児を叱っても無駄
発達障害・掲示物を黒板周りに貼ってはならない
発達障害の基礎 発達障害研修会感想2006年度
発達障害の基礎1・ADHD特徴と褒める事
発達障害の基礎2・ADHD低い自己評価と不安
●発達障害中学(1)ほめられたことがない
(2)一度に一つのことしか覚えられない
(3)筆箱の中には必要なものだけを
(4)筆箱は定期的にチェック
(5)片付けるってどうすること

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